(最終更新日: 2013年4月10日 )
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美術同好会
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会田誠という画家(美術家と呼ぶべきか)を、皆さんはご存じだろうか? 正直申し上げると、私も同好会のメンバーもまったく知らない人だったのに、恒例の年末鑑賞会として、六本木・森美術館で3月末まで開催されている「会田誠展(サブタイトルがなんと、天才でごめんなさい)」を見てから、同じビルの森アカデミーヒルズで開催された「会田誠は天才か?」と題したシンポジュウムに、おっかなびっくりで参加することにした。
結論を先に言うと、事前の「面白そうだね」から「(やや興奮気味の)面白かった」という感想に様変わりした。出席者は約300名で、若めの女性が多く、我々世代は少なかった。(それで興奮したわけでは決してありません)
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| 会田誠展シンポジウム (撮影:御厨慎一郎 写真提供:森美術館) |
シンポジュウムの4人の写真では、手前から片岡、会田、山下、ローレンスの各氏となる。
会田誠:1991年芸大院卒、「美少女、戦争画、サラリーマンなど、社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、奇想天外な対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。」(紹介文より)初期の代表作がここに紹介した「紐育空爆之図」で、アメリカで大きな反響を呼んだものである。(本人はシャイで、天才ではないと言っていた)
ローレンス・リンダー:UCバークレイ美術館ディレクターだが、以前の勤務中にNY近代美術館で開催した国際展にこの作品を取り上げた。その後も会田をフォローしている。(アメリカの目利きの一人)
山下裕二:美術史家、明治学院大教授。会田作品が尾形光琳や長谷川等伯やさらに藤田嗣二の作品を踏まえたものという明快な説明で、会田の多様性を高く評価している。会田誠は天才だ、と断言していた。
片岡真美:森美術館チーフキュレーターで、シャープで魅力的な人。会田の様な作品展をやれるところは森美術館しかないがそれでも不安、という彼女の背中を亡くなった森さんが押してくれた、と。
片岡さんの鮮やかな進行で、2時間があっという間に過ぎ、最後の質疑応答で高校3年女子生が「真面目に不真面目をやれる人」と評価していたのには、同感する人が多かった。森美術館の横山さんには掲載の写真手配等最後までお世話になり、心から感謝している。

JR代々木駅東口のNTTアネックスの「ベトナムガーデン」というレストランに移動して、午後5時より忘年会を開催。これにだけ駆けつけた人もいて、総勢13名が、日本語のたどたどしい若いウエイトレスや店長の歓迎をうけて、飲み放題を満喫した。
(企画・文責 合田隆年)