20周年なんでも寄せ書きコーナー
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DF20周年を迎えて

越後屋 秀博(1362)

20年とは一つの重要な区切りです。DFの益々の発展を祈念します。

20年といえば、伊勢神宮の式年遷宮が思いだされます。式年遷宮は20年毎に行われ、古例のままに社殿や装束、神宝を始め全てを新しくする。内宮外宮の正宮を始め14所の別宮や宇治橋なども造り替えられる。これは持統4年(690年)から1300年余り連綿と続く日本最高、最大のお祭りである。

人の一生も20年刻みで新たに生まれ変わっていると言える。20歳の成人、40歳の不惑、60歳の還暦、そして今や長寿となり80歳の傘寿は当たり前になった。人生のやり直しはきかないが、20年毎に生まれ変わると思えばよい。そして心の持ち様で人はまだまだ新たなことに挑戦できる。

サミュエル・ウルマン(Samuel Ullman)
サミュエル・ウルマン

米国の詩人サミュエル・ウルマンの「青春の詩」を思い出す。「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯儒を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を言うのだ。年を重ねただけで人は老いない、理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。」この詩は若い頃は頭では理解していたが、今一つ実感できていなかった。しかし、老境にさしかかった身にはよりリアルに共鳴できる。

長い人生を5歳刻みで新しい記録に挑戦するマスターズ陸上というスポーツ大会がある。いかなる有名なタイトルホルダーといえども年齢を重ねるうちに記録は落ちてくるが、5歳刻みにすることで新たに自分自身にチャレンジできるというものだ。

義弟は長く体育教員を勤め陸上競技特に走り幅跳び、三段跳びを専門に、このマスター陸上の県大会、全日本、アジア大会などに出場し続けた。そして何と61歳の時に世界マスターズ陸上米国サクラメント大会のM60(男子60~65歳未満)三段跳びで12m弱を跳び、金メダルを獲得した。観客はまばらだったがオリンピックと同じように日の丸掲揚、君が代演奏までやってくれたという。70歳を超えた今もなお膝の故障を抱えながら挑戦を続けている。

そして聞けば、なんとM90(男子90~100歳未満)の参加者が増えているという。ただ感嘆するばかりである。因みにM90の100mの日本記録は16.69秒、同M105は42.22秒。M90の三段跳びの日本記録は6.5mである。

70歳に到達すれば71歳からはピカピカの1年生、75歳は5年生、76歳になればまたピカピカの一年生になる。ホンモノの1年生たちに笑われるだろうが。

渋沢栄一は「四十、五十は洟垂れ(はなたれ)小僧、六十、七十は働き盛り、九十になって迎えが来たら百まで待てと追い返せ」と格言を残している。今はさらに10歳延びているのではないだろうか。