一般社団法人 ディレクトフォース

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DFの研鑽支援活動

定期例会(総会・講演・交流会)

DF関西勉強会・交流会(2022年)

掲載日付 イベント 実地日
12/28 第15回DF関西勉強会開催 12月20日
12:00~
11/10 第14回DF関西勉強会開催 10月26日
14:00~16:00
9/13 第13回DF関西勉強会開催 8月30日
15:00~17:00
7/6 第12回DF関西勉強会開催 6月28日
15:00~17:00
4/21 第11回DF関西勉強会開催 4月12日
15:00~17:00
2/28 第10回DF関西勉強会開催 2月15日
15:00~17:00
2022年12月28日 掲載

第15回DF関西勉強会開催

12月20日(火)12時よりミニ勉強会および3年ぶりの忘年会を大阪の中央電気倶楽部の315号室で行いました。ミニ勉強会は、会員の三井高史さんにお願いし、「航空自衛隊 救難捜索機U125Aとは」というテーマで講演していただきました。三井さんは1975年に兼松江商(現兼松株式会社)に入社され、電子、IT、半導体、防衛分野の業務に従事されました。今回のお話は、防衛分野に従事されていた時の貴重な体験をベースに話していただきました。

自衛隊の航空救難団は、自衛隊搭乗員の捜索、救助活動(戦闘機パイロットの救助)、海難救助、山岳救助、輸送業務等を主任務としています。戦闘機は唯一脱出装置を持っている航空機であり撃墜時に脱出したパイロットをいち早く救出する必要があります。特に日本は、海に落ちるケースが多く、命を守るためには、極めてすばやい対応が求められます。そのため、救難機は、戦闘機が活動中は、30分以内に離陸できるようスタンバイしているそうです。救助活動時は、救難機(U125A)で、捜索し、発見後は救難ヘリコプター(UH60J)で救出します。海上保安庁の海上救助、警察の山岳救助に比べても最高レベルの装備品を備えており、民間救助の「最後の砦」といわれています。この救難捜索機は、日本全国の戦闘機基地に配属されています。

三井さんはこの救難機(U125)の販売責任者として活動されました。U125Aの基本仕様を検証し、モデル機を英国製のビジネスジェットをベースに機体を空自専用に大改造し、提案することにしました。このモデル機は現在のHONDAジェットよりも一回り大きいそうです。

改造箇所の一部具体例
<改造箇所の一部具体例>

RFPを受け取ってから、プレゼン、機種選定、予算確保の手順を経て、発注、生産、テストフライト(飛行性能テスト)で合格すれば、いよいよ、日本への納入となります。フェリー飛行といい、島伝いに数日掛けて飛行します。(この間、新品のため、トイレは使用不可となります。)日本到着後は輸入通関後、国内工場(富士重工宇都宮工場)に移動し、日本製整備品(レーダー、カメラ等)を設置し、最終テストフライトが行われ、最終引き渡しとなります。(この時、この商談の責任者である三井さんが同乗されたそうです)納品のサインが行われると受け取りに来たパイロットが操縦して納入先の基地に帰り、商談が完了します。RFPを受けてとってから納品まで約10年、とてつもなく長い商談となります。しかも、成約できなければ売上ゼロという厳しいもので、多くの苦労話も織り込んで説明していただきました。

また、民間の海難救助は海上保安庁が、山岳救助は警察が主担当で、救難隊は、このバックグランドで活動することが多く、メディアで報道されることが少ないので、知られていないのですが、この救援活動の具体的な映像も見せていただき、有意義な時間となりました。

勉強会の後は、忘年会を兼ね、来年度のDF関西の活動方針を話し合いました。年6回の勉強会を中心に、全員で知恵を出し合い、活動範囲を広めていこうということになりました。

以下は参加者全員の集合写真です。

参加者全員の集合写真
後列左から、瀬谷、瀬川、並河、岡本、桐村、三井、木下
前列左から、小林、田邊、中村、金井(敬称略)
以 上(岡本 正敏)
2022年11月10日 掲載

第14回DF関西勉強会開催

今回は久しぶりに会議室を離れ、10月26日(水)14:00~16:00 尼崎にて、第14回DF関西勉強会を行いました。11:30に尼崎都ホテルに集合し、会食を楽しんだ後、尼崎寺町を散策し、旧尼崎城下の歴史に触れてきました。会員8名が参加し、尼崎市の観光協会に手配していただいたボランティアガイドの説明で、11寺のうちの7寺を訪問しました。

尼崎城は、1617年、徳川幕府の命で戸田氏鉄(うじかね)が築きました。そのとき、城下町の北西部に近隣の寺が集められました。徳川幕府は西の拠点である大阪城を守るための要として、尼崎城の築城を命じました。西に遠ざけた毛利家、島津家等の外様大名からの攻撃に備えるためでした。寺は、お城と同様に防火建築で土塀に囲われ、広い空間があるため、人を集めることができるので軍事目的から1ヵ所に集められました。

戦災の被害も少なく、当時から寺の配置もほとんど変わっていないため、文化財の宝庫でもあります。文化財は国の指定が6件、県の指定が3件、市の指定が16件とこの地区に集中しています。

また、多くの寺院が集まるため、元旦法要、節分の日の豆まき、狂言、からくり人形(大覚寺)、甘酒のふるまい(善通寺)、節分会(本興寺)、4月の花祭り、11月の本興寺の宝物殿の虫干し、各寺での写経、坐禅等市街地の中心部にありながら昔ながらのいろいろな行事が一年を通して体験できる貴重な存在となっています。

尼崎といえば工業地帯のイメージが強かったですが、きれいな阪神尼崎駅前、歴史上の人物の逸話が多く残る寺町に参加者一同、尼崎を再発見させていただきました。

本興寺境内でボランティアガイドの説明を聞く会員
長遠寺
国の指定文化財 多宝塔
甘露寺本殿 (屋根上の鳳に注目)
広徳禅寺
本能寺の変で、秀吉が岡山から引き返す途中、尼崎で1人はぐれたときこの寺に隠れ難を逃れたという説がある
大覚寺のからくり堂
節分の日に、豆まき、狂言、からくり人形がみられる
法園寺
佐々成政の墓がある戦国の雄であったが秀吉の命で切腹、ここに葬られている
以 上(DF関西 岡本 正敏 639)
2022年9月13日 掲載

第13回DF関西勉強会開催

8月30日(火)15:00~17:00 Zoomオンライン方式で第13回DF関西勉強会を行いました.

  • テーマ : 「BC660~AD453の紀年論」日本書紀の編者は何を意図したか?
  • 講 師 : 小林 宜英 氏

DF交流リモート推進室の協力を得て、関西以外の会員も含め50名の参加をいただきました。
日本書紀は、日本の正史ですが、初代神武天皇の即位(BC660)から第19代允恭天皇の崩御(AD453)までの1113年の紀年が疑わしいと多くの研究者から指摘されてきました。氏は、この紀年の造作は、十干十二支の60年周期で元の年に戻る特性を利用し、この60年の倍数の単位で年数が延長されているという仮説をたて、次の3段階に分け、以下のように、延長期間を特定されました。

  1. 神武天皇から開化天皇まで 干支9運 (60 x 9) 540年の延長があった
  2. 崇神天皇から神功皇后まで 干支5運 (60 x 5) 300年の延長があった
  3. 応神天皇から允恭天皇まで 干支2運 (60 x 2) 120年の延長があった

合計で960年の延長があり、書記紀年1113年が実際は153年でしかないということになりました。この前提から、第3代安寧天皇から第9代開化天皇までは実在しなかった、また、女傑皇后の神功皇后も架空の存在であったという驚きの結論を導かれました。この前提に立てば、古い時代ほど年数の延長幅が大きくなるのも納得できます。

この結果をもって、多くの紀年論の研究者の説との検証作業も行い、大きな矛盾は生じないということを確認したうえで、海外の史跡、記録から、歴史上の定点とされる応神元年=390年、雄略5年=461年をベースに10代崇神天皇の即位は325年、初代神武天皇の即位は303年であるという今回の暫定の結論を得ることができました。結論だけをみると簡単なように見えますが、難しいパズルに挑戦しているようなもので、この60年の倍数説の妥当性を検証しながら、地道な努力のたまものであったような気がします。

また、氏は、日本書紀の年代は、歴史的にもまだ解明されていないことが多く、神武の東征、邪馬台国論、箸墓古墳、出雲の国譲り、倭を取り巻く国際情勢、倭はいつから日本と名乗ったか?等々を次の課題として今回の紀年論の検証も念頭に挑戦したいとの発言がありました。

次回の講演にご期待ください。

なぜ、こんな捏造ともいえる造作をやらなければならなかったかについては、当時の時代背景も踏まえ、講演の中で詳しく推測されていますので、参考にしてください。

以 上(DF関西 岡本 正敏 639)
2022年7月6日 掲載

第12回DF関西勉強会開催

6月28日(火)15:00~17:00 Zoom オンライン方式で第12回DF関西勉強会を行いました。

  • テーマ : ドローンと「空飛ぶクルマ」
  • 講 師 : 中村 洋明 会員(関西)

DF交流リモート推進室の協力を得て、関西以外の会員も含め65名の参加をいただきました。
第一部(ドローン)では、ドローンの定義から種類、構成要素等基礎的な説明をしていただき、その利用方法も目視操縦飛行、目視無操縦飛行、目視外無人地域飛行、目視外有人地域飛行の4段階に分けいろいろな分野で利用が拡大していく様子と将来の姿を描いていただきました。ドローンについてはすでに軍用、公用、産業用、個人用と様々な分野でリアルユースが実現していますが、安全性の確保、プライバシーの保護面からの規制強化への対応、飛行時間、距離の増加等が今後の課題となりそうです。

ドローンと「空飛ぶクルマ
資料はこちら 会員限定

第二部(空飛ぶ「クルマ」)も定義から始まり、形式(飛行機タイプ、ヘリコプタータイプ、チルトタイプ)と地上走行ができる、できないの組み合わせで様々な種類があることを教わりました。ドローンと違い、まだ、実用面で実績が少ないため、遠い将来の話のように思っていましたが、世界各国で多くの航空機メーカー、自動車メーカー、ベンチャー企業が参入し、製品を出しています。リサーチ会社の予測でも本格化は2030年以降とみているにもかかわらず、これほど多くの企業が開発を競っているのに驚かされました。それと、こんなにも早い段階から、着手しないと生き残れないのだということを痛感させられました。

ドローンもそうですが、空飛ぶクルマも中国企業の活躍がめざましく、なぜ中国はこんなにも強いのかという質問が会場からも出ました。中国は国家戦略で重点産業には力を入れ、またスタートアップ企業の買収にも積極的で開発のスピードアップを実現しています。航空機分野は非常にすそ野の広い産業であり、単にモノ作りだけではなく、様々なビジネスが立ち上がり、波及効果の大きい産業です。中国が重点産業に位置づける狙いはこのあたりにありそうです。

日本では、単独ではトヨタ、ホンダが参入を表明していますが、空飛ぶクルマ実現のための官民協議会が設立されています。通産省、国交省を中心に民間では、自動車、航空、流通、通信等多くの有力企業が参画しています。また地方では福島県、三重県、大阪府(万博)で空飛ぶクルマに挑戦しています。まだまだ、越えなくてはならない大きな課題がいっぱいありますが、2040年には130兆円市場ともいわれています。リスクの大きな産業だけに、中国のように国の大きなバックアップが必要になるような気がしました。

日本の将来を占う面白いテーマです。参加できなかった方もぜひ、勉強会のビデオをご覧ください。

この講演動画は会員限定です。PWのわからない方はこちら
以 上(DF関西 岡本 正敏 639)
2022年4月21日 掲載

第11回DF関西勉強会開催

4月12日(火)15:00~17:00 Zoomオンライン方式で第11回DF関西勉強会を行いました。

  • テーマ : 2次電池ーコードレスの開花から電気自動車
  • 講 師 : 元三洋電機 柳 泰生 氏

今回もDF交流リモート推進室の協力を得て、関西以外の会員も含め34名の参加をいただきました。
使い切りの電池(1次電池)に対し、充電することにより繰り返し使える電池を2次電池といいます。我々が日常的に使用している代表的なものとして鉛蓄電池(自動車バッテリー)、ニカド電池(トランジスタラジオ、電気カミソリ他)、ニッケル水素電池(ノートパソコン他)、リチウムイオン電池(ノートパソコン、スマホ他)等があります。これらの2次電池が順次開発され、コードレス社会を実現し、私たちの日常生活にとってなくてはならない部品となりました。

柳さんは1965年に三洋電機に入社、洲本工場に配属されました。柳さんは、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の事業を推進されました。三洋電機はこれらの電池で世界をリードしました。しかし、スマホ全盛の現在、残念ながら、その座は、中国、韓国に取って代わられています。

ところで、脱炭素社会の実現のため、全世界で電気自動車の開発競争が激化しています。この電気自動車の最も重要な部品が2次電池です。世界の自動車メーカー、電池メーカーは提携関係の構築、合弁等戦略的な目まぐるしい動きが始まっています。2次電池の世界では、リチウムイオン電池が主流となっていますが、このリチウムイオン電池の電解液を固体化した全固体電池が夢の電池として脚光を浴びています。この全固体電池の第一人者である東京工業大学の菅野了次先生の対談ビデオでこの電池の長所、今後の課題等を説明していただきました。先生の話では、全固体電池についてはまだまだ日本にアドバンテージがあるとのことです。

電気自動車の市場は、現在は、中国と欧州がけん引しています。これに呼応し、主要な電池メーカー各社は欧州に工場を設置していますが、日本のメーカーは1社もありません。日本でもトヨタをはじめ各社が増産計画を打ち出し、電池メーカーも大きく動き出しております。しかし、いまのところ、出遅れ感は否めません。

電気自動車用の普及には航続時間の拡大、充電時間の短縮等、電池の高性能化が必須であります。本当の競争はこれからであり、柳さんの願いは、今後、日本が産官学共同で、全固体電池を含め、高性能電池を開発、量産技術を確立することにより、自動車産業の地位を維持、電池業界の復権を実現したいということでした。

電池業界の歴史と現状の課題が非常によくわかりました。参加できなかった方もぜひ、勉強会のビデオをご覧ください。

この講演動画は会員限定です。PWのわからない方はこちら
以 上(DF関西 岡本正敏 639)
2022年2月28日 掲載

第10回DF関西勉強会開催

2月15日(火)15:00~17:00 Zoom オンライン方式で第10回DF関西勉強会を行いました。

  • テーマ : 「日本人と太陽」
  • 講 師 : DF関西会員 1262 瀬川滋氏

今回もDF交流リモート推進室の協力を得て、関西以外の会員も含め34名の勉強会になりました。初日の出、ご来光、朝ぼらけ、日没、夕まぐれ、影富士、ダイヤモンド富士、ブロッケン現象等の神秘的な太陽の写真の紹介があって、その太陽を日本だけでなく、世界的に太陽神としてあがめる例を紹介していただきました。

写真1 : 我が家からの明石海峡大橋に沈む太陽
写真2 : 伊弉諾神宮を中心にした太陽運行圏

そして日本における太陽神である天照大神の天岩戸伝説とその生みの親である伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀る淡路の伊弉諾神宮を起点とする太陽の運行圏や、淡路を起点とする太陽の道という不可思議な事実(講演ビデオ参照)等参加者全員がひきつけられました。太陽の黒点を元にしたといわれる三足烏が火鳥(中国)、三足烏(韓国)、ヤタカラス(日本)ひいてはエジプト、ギリシャ、ローマにも形は違うが太陽の鳥として繋がり、日本では神社、寺院、宮中、日本サッカー協会のシンボルマークにまで使われている経緯なども説明されました。

写真3 : さまざまな三足烏

さらに日本の国号についても太陽が源であり、国旗も太陽がベースになって日章旗となった経緯等詳しく説明いただきました。このように、日本においては、現代でも、太陽の塔を代表格にどこでも太陽と共存する姿がみられ、日本人がいかにいにしえより太陽を身近に感じてきたかをよく理解できました。

講演ビデオはこちらから
以 上(DF関西 岡本正敏 639)