一般社団法人 ディレクトフォース

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DFの社会貢献活動

環境部会

講義タイトル
日本経済の現在地と持続可能な社会とは
講義日
2022年10月12日
講師
小林 基昭(会員番号725)

講義内容:

日本の世界GDPシェアは1994年に17.8%まで拡大したが、バブル崩壊後の30年で急激にシェアダウンし2021年は5.1%まで落ちている。このまま目先の対応に終始すれば2060年には戦後5年後と同じ3%まで低下するとの予測もある。ここまで没落した原因は政策にあり、この30年GDPが5兆ドル前後で成長していないことにある。アベノミクスという異次元超緩和政策が何ら実体経済を引き上げなかったことを冷静に受け止める必要がある。一方、現在の世界経済社会は第3次産業革命に突入しており、EUはじめ米中はカーボンニュートラル実現のためにも3つの革命要素、デジタルコミュニケーション、再生エネ、EVや自動運転等の移動手段の革新へ注力中である。日本はこの認識が不十分で再生エネを中心とする第3次産業革命への対応が立ち遅れており、この結果が30年の低成長に表れている。

Japan as No.1 と言われた、戦後日本経済の工業生産力モデルが大きな弱点となっている。製造業の製品輸出で稼ぎ、食料とエネルギーは輸入して買えばいいという基本政策がコロナ危機やウクライナ戦争により、生きるためのライフラインの脆弱さを浮き彫りにした。国の安全保障の第一は食料とエネルギーであり、この安定確保ができなければ防衛もあったものではない。

食料自給率37%、エネルギー自給率12%は、先進他国並みの50%への引き上げが急務であろう。それは政策次第で早急にキャッチアップ可能と思う。歴史的大転換期に人生の最盛期を送る皆さんの賢明な選択が最重要です。

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