2020年2月4日
食と農業研究会
トピックス(2019年版)
掲載日:2020年2月4日
「蝦夷アワビ陸上養殖場」見学会
- 日 時 2019年10月23日~24日
- 場 所 岩手県大船渡市
元正栄 北日本水産株式会社
- 参加人員 食と農業研究会 会員11名
10月23日、10時30分東北新幹線水沢江刺駅集合で、今回の見学会がスタートしました。
チャーターしたバスで、水沢江刺駅を出発して、大船渡市に向かいました。
ここで早速のハプニングが‼‥‥︎ 。会員の四方さんより、プロ野球ドラフトでロッテに1位指名された、佐々木朗希投手が在学する大船渡高校を見たいという要望があり、運転手さんにお願いして、大船渡高校の正門を通っていただきました。四方さんは大満足でした。
大船渡市に着いて、まず驚いたのは市内から海が見えないことでした。津波対策で巨大な防潮堤がいたる所に築かれており、まだ工事が継続しておりました。新しい街並みが形成されつつありましたが漁港というイメージはほとんどなくなっていました。
新しい復興飲食店街で、海鮮料理の昼食をとった後、今回の訪問先である、元正栄 北日本水産株式会社を訪問し、古川社長、古川社長のご子息の翔太氏から説明を受けました。
- 昭和57年に創業し、会長が80歳で、親子3代で経営している。
- 大船渡は昔からアワビの産地であった。
- 当時、アワビの養殖をやるものは誰もいなかった。
- 東日本大震災で、全部の設備を喪失した。
- アワビは世界で約80種あり、日本では大きく分けて、クロアワビ(西日本)、ダカアワビ、メガイアワビ、蝦夷アワビの4種類である。
- 蝦夷アワビの特徴は、福島県以北の太平洋沿岸部に主として生息しており、クロアワビの北方種である(クロアワビと蝦夷アワビの差は餌の海藻の違い)。
- 特徴は、コリコリした食感、旨味成分が多く含まれ濃厚な味。
- トコブシはアワビの仲間ではない。
- アワビとトコブシの違いは、給水孔の数が、アワビは4~5ヶで最大10㎝以上に育つ。トコブシは給水孔が6~8ケで最大7㎝である。
- アワビの歴史は、秦の始皇帝が不老不死の妙薬として、食したといわれ、古くから珍重された。
- 大船渡のアワビは、
吉品鮑 として、中国に輸出されたのが、ブランドしてのはじまりである。
- 現在の生産量は、岩手県として、最盛期1930年1600㌧であったのが、現在200㌧と9分の1まで下がっている。
- 世界的にアワビの漁獲量が低迷しており、獲る漁業から作り育てる漁業への転換が必要である。
- 陸上養殖のメリットは、
・海の生態系を壊さない
・生産をコントロールできる
・食品として安心安全(殺菌海水の使用、海洋汚染から守れる等)
- 出荷まで2~3年かかる。
1年:3~4㎝
2年:5~6㎝
3年:7~8㎝
4年:9㎝以上
これでも天然ものの2倍以上の成長速度である。
- 市場価格は
天然‥‥‥‥‥9㎝:1万円(1㎏)
北日本水産‥‥9㎝:8~9千円(1㎏)
韓国産‥‥‥‥9㎝:3~4千円(1㎏)
現在の日本の市場では大半が韓国産である。
以上のような説明を受けたのち、養殖場を見学しました。
北日本水産(株)は、卵から
◇ ◇ ◇
前夜の懇親会の酔いを残した方々もおられましたが、翌日10月24日には、奇跡の一本松のある、陸前高田市を見学し、一本松周辺の
防潮堤を見学しましたが、まるで要塞ではないかという感じを受けました。
「いわてTSUNAMIメモリアル」で当時の記録が保存され、記録保存された映像を見て、改めて、津波の恐ろしさを実感しました。
今回はアワビの養殖場と、震災の災害跡地を見学しましたが、まさに、聞くと見るとでは大違い、百聞は一見に如かずを感じた次第でありました。今回の見学会に当たり、谷口さんには養殖場との調整、守屋さんには全体スケジュールの調整をいただき、ありがとうございました。
会員の皆様も遠方のご参加ありがとうございました。
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(峯脇 記 / 守屋 写真)
掲載日:2019年2月28日
次世代農業元年プロジェクト会議 レポート(2019/2/20)
「食と農業研究会」兒玉則浩会員が新たな農業ビジネスを立ち上げ
DF会員で「食と農業研究会」メンバーの(株)MOVIMAS 兒玉社長が、先端技術であるIoT/M2Mの分野で市場開拓を図り、ビズネスジャンルの向上に寄与しています。
MOVIMASでは事業の範囲を拡大し、現在は “MOVIMAS AGR(農業)TYPE”として進化を続けています。すなわち、岩手県八幡平市でIoTによる日本で最初に運転を開始した地熱活用の熱水ハウス再生事業、および農業振興の寄与を目的とした新たな農業ビジネスモデルとして推進しています。
今回、農地法に定める農地所有適格法人を立ち上げ本格的に農業を拡大することを決定。立地にあたり八幡平市と企業立地協定書の調印式を執り行いました。その内容は、八幡平市の休耕地6000坪に農水省、岩手県よりの補助金を得て150棟のビニールハウスを計画、バジルをはじめとする各種の野菜を栽培する次世代型農業を支援する(株)八幡平スマートファームを設立、社長自ら先頭に立って農業の発展に貢献すべく行動を開始しています。
左より、四方、児玉会員、田村正彦八幡平市、真瀬代表 |
去る(2019年)2月20日には、マイナビ農業が主催する「次世代農業元年プロジェクト会議」に兒玉社長が登壇、「耕作放棄された熱水ハウスを再生、IoT次世代施設園芸へ転換拡大」をテーマに熱弁が振るわれました。
八幡平市田村正彦市長 | 熱演を振るう児玉会員 |
当日の「次世代農業元年プロジェクト会議」には、ディレクトフォースより真瀬代表、近藤事務局長、高橋事務局員と「食と農業研究会」の四方の4名が出席しました。
(四方満 記)