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一般社団法人 ディレクトフォース

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  2019年版

目 次

2020年2月4日

No. 日付 イベント
19 11月28日(木) 第18回セミナー 「人生百年時代を生きる ~ 救急医療の正しい関わり方を考える
18 9月11日(火) 第17回セミナー 「フレイル・サルコペニアと運動~筋力+歩行力で生活体力をキープする~
17 7月9日(火) 第16回セミナー 「高齢者に多い泌尿器系疾患とその対策
16 5月15日(水) 第15回セミナー 「医者のトリセツ
15 3月1日(金) 「ロコモ度テスト」に参加
14 3月1日(金) 第14回セミナー 「百寿者の秘密
13 1月17日(木) 第13回セミナー「『人生百年時代』を生き伸びるための運動器と運動の重要性

2019年12月3日

第18回セミナー

「人生百年時代を生きる ~ 救急医療の正しい関わり方を考える」



田中裕先生
Doctors Site より引用)

2019年11月28日(木)15:00より、第18回健康・医療研究会セミナーを開催、順天堂大学浦安病院副院長・救命救急センター長 田中裕たなかひろし 先生より「人生百年時代を生きる~救急医療の正しい関わり方を考える」というテーマで、会員28名の参加のもと、日本ビル5階セミナールームCにてご講演いただきました。

田中先生は大阪大学医学部を卒業後、同大学特殊救急部に入局、その後米国セントルイス大学への留学等を経て、1998年4月から大阪大学医学部助教授、2007年5月より順天堂大学大学院救急災害医学教授(浦安病院救命救急センター長)、2019年4月同病院副院長にご就任され、この間一貫して救急医療に携われてきたこの分野の第一人者でいらっしゃいます。

今回のご講演においては、近年増加の一途をたどる高齢者の救急搬送の実態と、万一われわれが救急搬送される事態に備え、日ごろから心がけておくべきこと等を中心にわかりやすく解説して頂くこととした次第です。

ご講演は、まず我が国における救急医療の歴史、この間社会的に有名になった様々な出来事(サッカーのオシム監督の脳梗塞による救急搬送、毒入り餃子事件等々)、また数々の自然災害(阪神・淡路大震災・東日本大震災)等の経験を経て、現在はDMAT(Disaster Medical Assistance Team)と呼ばれる災害派遣医療チームが編成され、成果を上げていること等に触れたのち、現在の救急医療における課題(病院のたらい回し事件等の背景にある救急出動の増加、社会構造の変化)等につきご説明があり、本日の中心テーマである、超高齢化社会が救命救急に及ばす諸問題の解説、最後に救急医療の関わり方に関するアドバイスを頂く等、多岐にわたる内容をコンパクトにまとめて頂きました。

昨今、高齢化、平均寿命の延びとともに、救急搬送に占める高齢者(65歳以上)の割合は年々増加しており、年代別で第1位で特に70~79歳が多いこと、救急搬送後、入院が長期にわたるケースも多いことが示され、こうした現状を踏まえWHOでは「健康な高齢化」(healthy ageing)が提唱されていること、Healthy Ageingのためには、「機能的能力」(運動、社会関係、学習、貢献等)を伸ばしていくことが必要であり、そのためには医療関係者が地域に密着したサービスを提供することが必要であるとの考え方で、 「百歳社会」を目指す、われわれにも大きなヒントとなりました。因みに上記WHOで Healthy Ageing を担当している研究者は田中先生の弟子だそうです。

最後の「救急医療の適切なかかりかた」においては、多剤服用の危険性(服用している薬剤情報の把握)、救急車の適切な利用、自身の人生観の家族への伝達(尊厳死・心肺蘇生・気管挿入の是非等)、致死率の高い敗血症に関する知識の習得について具体的なアドバイスを頂きました。

尚、自身の人生観の家族への伝達については、現在厚生労働省が「人生会議」を提唱しているとのことです。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。 引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。 また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

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2019年9月18日

第17回セミナー

「フレイル・サルコペニアと運動
 ~ 筋力+歩行力で生活体力をキープする ~」

2019年9月11日(火)15:00より、第17回健康・医療研究会セミナーを開催、東京都健康長寿医療センター研究所社会参加と地域保健研究チームの 清野諭 (せいのさとし)先生より「フレイル・サルコペニアと運動~筋力+歩行力で生活体力をキープする~」というテーマで、会員43名の参加のもと、日本ビル10階セミナールームDにてご講演いただきました。

清野先生は筑波大学大学院体育研究科スポーツ科学専攻終了後、筑波大学発研究成果活用企業(株式会社THF)勤務、日本学術振興会特別研究員を経て現職に就任され、この間、東京都、埼玉県、群馬県、兵庫県等でフレイル予防に関する実践研究に従事されているこの分野の権威でいらっしゃいます。

今回のご講演においては、高齢者にとって運動が重要だという認識は高まっていますが、それでは高齢者がどのような運動をどの程度すればよいのか、その時の注意点は何か等を健康長寿の観点からわかりやすく解説して頂くこととした次第です。

ご講演は、まずフレイル*サルコペニア*とは何か、自分たちはフレイルに該当しているかどうかの簡単なチェック方法から始まり、健康づくりの戦略は中年期と高齢期では異なり。高齢期においては食事と筋トレが重要になること、体力低下や将来の要介護状態を防ぐためには、現在の体力レベルがどの程度であればよいかの指標、具体的な体力保持のための運動の内容等多岐にわたりました。

運動の内容については、多くの人が実践しているウオーキングについて筋力確保の観点からはインターバルウオーキングがより有用であること、その他スクワット、もも上げ、つま先上げ等の行い方についてもご説明頂きました

また筋力保持のための必要なたんぱく質の種類や量についてもお話が及びました。最後には家庭用の体組成計を活用して、BMIや体脂肪率、除脂肪指数等の指数のチェックも参考になるとのお話がありました。

ご講演終了後はいつも通り多くの質問がありましたが、その中で、多くのご関心が高いと思われる「ゴルフはどの程度運動になるか?」との質問への清野先生のお答えは「カートを使わなければかなりの運動になる」とのお答えでした

以上のようなお話で、出席者の間ではかなり運動をしている人、そうでもない人と種々の方がおられた印象でしたが、皆さんそれぞれに今後の健康つくりに大きなヒントを得たことと思います。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。

引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。

また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

編集註

*フレイルとは、加齢により心身が老い衰えた状態で、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険がある。

*サルコペニアとは、加齢や疾患により筋肉量が減少することで、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こることを指す 。

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2019年7月15日

第16回セミナー

「高齢者に多い泌尿器系疾患とその対策」

2019年7月9日(火)15:00より、第16回健康・医療研究会セミナーを開催、東京都健康長寿医療センター研究所自律神経機能研究部長である堀田晴美先生より「高齢者に多い泌尿器系疾患とその対策」というテーマで、会員38名の参加のもと、日本ビル5階セミナールームCにてご講演いただきました。

堀田先生は1984年北海道大学理学部を卒業後、東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)に入所、当時生理学部長の佐藤昭夫先生に師事、以降一貫して同研究所にて自律神経の研究に従事、2016年には研究部長に就任され、現在に至っています。この間、自律神経の活動やホルモンの分泌が老化や身体への刺激によってどのような影響を受けるかについて研究を続けられている、この分野の権威でいらっしゃいます。

泌尿器系疾患の中でも、高齢化の進展に伴い、罹患率が高い「過活動膀胱」については、最近TVの健康番組でもしばしば取り上げられ、またTVコマーシャルでも多くの製品が取り上げられ、それだけ関心が高まっている疾患と思われますが、この日は特にそうした疾患についての解説と、その対応法として堀田先生が開発されたユニークな治療法についてご解説頂きました。

ご講演は、まず自律神経の基本的な仕組みから始まりました。自律神経は交感神経と副交感神経から構成され、全身の機能を調節していること、伝達物質としてノルアドレナリンとアセチルコリンが用いられること、「情動と反射」により機能が調節されること等の説明があり、次いで本日の主題である、泌尿器系の話に移り、まず膀胱の基本的機能を説明された後、「過活動膀胱」の話に入られました。

過活動膀胱の定義や症状の解説に次いで、先生が動物実験の成果を踏まえて、開発され、人体でもテストした結果、夜間頻尿を改善できるとの結果が得られた新しい器具―エラストマー製のローラー―を用いて、就寝前に会陰部皮膚の表面を刺激することにより、夜間の排尿回数が減少したとの結果が得られた、とのことです。

これまで過活動膀胱については薬物療法が主体とされてきましたが、本療法は薬物以外の療法として有用性が確認され、その意義は大きいのではないでしょうか。

以上のようなお話で、頻尿に悩む出席者も多い中、一同大いに参考になったのではないか、と推察します。ご講演終了後は約30分にわたり質疑応答が行われ、堀田先生から1件ずつ丁寧にお答え頂くこともできました。

終了後は同ビル地下の居酒屋で懇親会を開催、堀田先生にもご出席いただき、引続き様々なお話を先生から伺うことができ、大いに盛り上がった宴会となりました。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。

引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。

また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

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2019年5月24日

第15回セミナー

「医者のトリセツ」

2019年5月15日(水)15:00より、第15回健康・医療研究会セミナーを開催。医療法人社団恒正会理事長曽根正好先生(写真=そねクリニック新宿より)より「医者のトリセツ」というテーマで、会員30名が参加、日本ビル10階セミナールームDにてご講演いただきました。

曽根先生は1982年北海道大学医学部を卒業後、東京女子医大第4内科入局、1986年ミュンヘン大学留学、2002年にはそねクリニックを新宿に開業、2015年には丸の内にもクリニックを開業され現在に至っています。日本内科学会、日本循環器学会、日本老年学会、日本腎臓学会、日本人間ドック学会、日本心身医学会等の認定専門医として幅広く活躍されている生活習慣病の権威でいらっしゃいます。

ご講演のタイトルである「医者のトリセツ」は最近べストセラーになっている「妻のトリセツ」に因んでいますが、多数の医療情報がマスコミ等で氾濫する中、Dr.サイドからみて、患者側が医者とどのようにつきあえばいいかを、医師の考え方や様々な疾患に触れながら、わかりやくす解説していただく、というこれまでの研究会でもあまり例がなく、マスコミ等でもなかなか聞けないお話、ということでのタイトルとなっています。

ご講演はまず医師の診断や治療の基礎となっている医師本来の知識とはランダム化比較試験という方法を通じた科学的結論しかなく、この試験はあくまでも比較試験であって絶対的なものではないことを患者側も理解しなければならないとの前段のお話のあと、高血圧、脂質異常、風邪等の治療薬の効果、メンタルヘルス、がん、認知症・老いること、その他広範な疾患に関して、様々な知っておくべきことのご解説をいただきました。

その一端をご紹介すると、高血圧について、血圧を測るタイミング、頻度、高血圧の定義、高血圧のリスク、合併症、治療薬等についてご説明があり、また、高血圧で心血管系合併症が増加するというデータは日本人ではないが、高血圧の薬を飲めば血圧が下がることは確実にわかっているので、やはり薬は飲み続けたほうがいい、とのこと。

高血圧にとどまらず、薬を飲むことや、健診を受けることは安心を買うことであり、人生が楽しく送れることが大切であるとのお話は高齢者にとっても得心のいくご指摘でした。

終了後は同じフロア―のパソナ社員食堂で懇親会を開催、曽根先生にもご出席いただき、引続き様々なお話を先生から伺うことができ、大いに盛り上がった宴会となりました。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。
引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。
また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

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2019年4月12日

「ロコモ度テスト」に参加

2019年3月1日(金)17:00より(第14回セミナー終了後)、DF会員を対象に、日本ビル7階共有会議室にて「ロコモ度テスト」を実施し、27名の会員に参加して頂きました。

「ロコモ度テスト」とは日本整形外科学会等が中心となって、今後社会的に大きな問題となる「ロコモティブシンドローム」予防のために展開している「ロコモチャレンジ」の一環としての、ロコモの有無、程度を知るためのテストで、現在、日本人の基準値を決めるための1万人を対象とした調査が行われていますが、70代、80代の男性のデータがなかなか取りにくく、サンプル数が少ない状況のため、ロコモチャレンジ推進協議会委員の伊奈病院整形外科石橋英明先生(写真=埼玉県のサイトより)よりディレクトフォースの会員へ、参加・協力要請があったものです。

石橋先生は、健康医療研究会が主催した本年1月17日のセミナーで「『人生百年時代』を生き伸びるための運動器と運動の重要性」との演題でご講演いただき好評を得た先生で、われわれとしては「健康長寿の推進」「社会貢献」の観点から、本テストに協力することとし、参加者を募り実施に至ったものです。

◇ ◇ ◇

具体的なテストの内容としては以下の3つを行いました。

(クリック⇒拡大)
DF健康医療
立ち上がりテスト
立ち上がりテスト
DF健康医療
2ステップテスト
2ステップテスト
DF健康医療
ロコモ25(出典:日本整形外科学会ロコモパンフレット2015年版)
ロコモ25(出典:日本整形外科学会
ロコモパンフレット2015年版)
DF健康医療
ロコモ度テストの判定基準
ロコモ度テストの判定基準
  1. 立ち上がりテスト:10~40cmの何㎝の台から両脚または片脚で立ち上がれるかで下肢筋力を評価するテスト
    ロコモ度1 = 片脚で40cmで立てない
    ロコモ度2 = 両脚で20cmで立てない
  2. 2ステップテスト:大股で2歩歩いた「最大2歩幅」を身長で割った「2ステップ値」で歩行能力を評価するテスト。最大2歩幅を身長で割った2ステップ値を算出する
    ロコモ度1 = 2ステップ値が1.3未満
    ロコモ度2 = 2ステップ値が1.1未満
  3. ロコモ25:25項目の質問項目により、運動機能、生活機能をスコア化する調査票
    ロコモ度1 = 7点以上
    ロコモ度2 = 16点以上

ロコモ度の評価

  • ロコモ度1はロコモが始まった状態、運動習慣と栄養改善に配慮する
  • ロコモ度2はロコモが進行した状態、運動習慣と栄養改善に配慮しながら、運動器疾患の有無を評価・治療する

DFでのテスト結果

  • 参加者は27名、平均年齢は71.9歳
  • 3テスト全てで、ロコモ度1,2のいずれにも該当しない方は14名
  • テスト1 の立上りテストが最も難関で、ロコモ度1と判定された方が13名でしたが、残り14名はクリア、テスト2,3は大多数の方がクリアされました。
  • 上記の通りトータルでは過半数の方が、現時点ではロコモ度は問題なし、との結果でした。

尚、ロコモ度1、2と判定された方も、運動習慣をつける、身体活動の高い生活、適切な栄養摂取でロコモ対策はとれる、とのことで、参加者全員に対策の詳細が書かれたロコモパンフレットをいただきました。

◇ ◇ ◇

以下は、石橋先生からのコメントです。

一般男性の調査結果とDF参加者の比較
(クリック⇒拡大)
DF健康医療
各テストの平均値
各テストの平均値
DF健康医療
3テストすべてで非該当の方の割合
3テストすべてで非該当の方の割合
DF健康医療
非該当・ロコモ度1・ロコモ度2の割合
非該当・ロコモ度1・ロコモ度2の割合

先日は、27名もの方にご協力をいただいて、ディレクトフォースの皆さんには心より感謝申し上げます。

さて、参加された皆さんと、私が以前調べました60代、70代の一般男性354名(平均年齢70.2歳)を対象とした調査結果とを比較してみました。一般男性と言いましても、元気な方が多く、通常より良い測定結果が出ているとの印象がある方々です。

まず、3つのテストの一般男性の年齢階層別平均値とDF参加者の結果を比較しました。

2ステップテストは、一般男性の全体の平均値が1.42、60代前半で1.48のところ、DFは1.53と圧倒的です。歩幅が広いのでしょうか、脚が長いのでしょうか(笑)。ただ、立ち上がりテストは標準的、ロコモ25はやや低めでした。

次に、3テストとも非該当、すなわちロコモでない方の割合を表でまとめました。
一般男性では全体の36.2%が非該当でしたが、DF参加者は年齢がやや高いにも関わらず、51.9%の方が非該当です。この表からは、DF参加者は一般男性の概ね65歳くらいに相当することになります。

最後の表は、それぞれのテストにおいての一般男性の全体と5歳ごとの年齢階層別の分布と、DF参加者を比較したものです。2ステップテストにおいては、DF参加者の非該当率は96.3%と極めて高く、一般男性の60代より良好です。このテストは、歩行速度との関連が高いので、DFの方は歩くのが速いのかもしれません。立ち上がりテストは、やや良い、といったところです。ロコモ25は25問の調査票で、足腰の痛みやしびれなどの症状、生活の中での動作の困難さ、社会参加などの程度を聞くものです。これについてはDF参加者は、一般男性よりやや低いか、平均年齢を考えると同等かもしれません。社会参加はよくされていると思われるので、足腰の症状が持つ人が多いのかもしれません。

総じていうとDFの方は、おそらく歩くのがすごく速くて、歩幅は大きいけれど、下肢の筋力はまずまず、足腰の症状が多めといったところでしょうか。

筋力トレーニングを十分にやっていただくと、もっと元気になると思います。

”Direct Force be with you!“ といったところですね。

頑張ってください!

◇ ◇ ◇

参考:石橋先生のご略歴

1988年東京大学医学部卒業。東大病院整形外科、三井記念病院整形外科勤務などを経て1992年に東京大学大学院入学、1996年同終了、学位(医学博士)取得。以後、米国セントルイス市ワシントン大学に留学、1999年より東京都健康長寿医療センター整形外科、2002年同医長、2004年より現職。

人工関節手術、骨粗鬆症、関節リウマチなどを専門とする整形外科医で、同時にロコモや骨粗鬆症に関する講演を全国でおこなっている。

伊奈病院での診療は予約がなかなか取れないと聞く。

また、テレビ朝日「たけしのみんなの家庭の医学」やNHK「今日の健康」「テレビシンポジウム」、BS日テレ「深層NEWS」などのテレビ番組にも多数出演。

日本整形外科学会広報・渉外委員会アドバイザー、ロコモチャレンジ推進協議会委員、日本骨粗鬆症学会評議員、骨粗鬆症財団監事、日本整形外科学会専門医

(文責 江村)

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2019年3月12日

第14回セミナー

「百寿者の秘密」を開催しました

2019年3月1日(金)15:00より、第14回健康・医療研究会セミナーを開催、大阪大学人間科学研究科教授の権藤恭之先生より「百寿者の秘密」というテーマで、会員36名の参加のもと、日本ビル12階セミナールームAにてご講演いただきました。

権藤先生は関西学院大学文学部心理学科及び同大学院博士課程卒業、東京都老人総合研究所(現東京都健康長寿医療センター研究所)等勤務後、2007年大阪大学人間科学研究科准教授、2018年からは同研究科教授を務められるとともに、米国老年学会、日本心理学会日本老年医学会会員、また米国ジョージア大学老年学研究所に派遣される等幅広く活躍されているこの分野の権威でいらっしゃいます。

これまでこの研究会では前々回の「オーラルフレイル」、前回の「ロコモティブ症候群」に続いて「人生百年時代」に向け、様々なお話をお聞きしている一環として、「高齢者が幸福に暮らしていくということはどういうことか」との観点から、百寿者の研究を永年行っておられる権藤先生に、多数の百寿者のインタビューから見えてきたは百寿者の心のありかたからわれわれが学ぶものは何かとの趣旨のご講演を頂きました。

ご講演はまず高齢者の現状として、平成29年の日本の百寿者は68,000名であるが、15年後には30万名を超える見込みで百寿者先進国であることから始まり、実際の百寿者の事例として世界最長寿で122歳まで生きた女性の認知機能や、日本最高齢男性の幸福感、お元気な百寿者として、百歳ランナーやスイマー等の紹介、また農村部での百寿者調査ではかなりの高齢まで畑仕事を続けている例が多いこと等の紹介がありました。

続いて、百寿者の機能面の特徴について、長生きすればするほど不健康期間は短くなるとのデータのある一方、東京都の百寿者調査ではお元気な百寿者は2割であり健康度は欧米の事例に比べれば低いことなどが示されました。

次に、やはり年齢が高くなるに従って体の健康度は低下するが、幸福感は低下しないとの事例が多く示され、「老年的超越」との考え方のご説明がありました。
「老年的超越」とは「物質主義的で合理的な世界観から、宇宙的、超越的、非合理的な世界観への変化」と定義され、考え方が変わることで体の元気のなさを補って幸福感を感じることができる、ということで、実際の百寿者調査での実例も紹介されました。

老年的超越の発達が超高齢者社会におけるしあわせのカギである」との先生のまとめは出席者一同の心に深く響いたのではないだろうか。

終了後は近くの居酒屋で懇親会を開催、権藤先生にもご出席いただき、引続き様々なお話を先生から伺うことができました。またセミナー終了後に行われた「ロコモ度テスト」の結果もあわせ大いに盛り上がった宴会となりました。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。

引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。

また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

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2019年1月21日

第13回セミナー

「『人生百年時代』を生き伸びるための運動器と運動の重要性」

2019年1月17日(木)15:00より、第13回健康・医療研究会セミナーを開催、医療法人社団愛友会伊奈病院整形外科部長でNPO法人高齢者運動器疾患研究所代表理事も務められる石橋英明先生(写真)より「『人生百年時代を生き伸びるための運動器と運動の重要性」というテーマで、会員28名の参加のもと、日本ビル7階共有会議室にてご講演いただきました。

石橋先生は東京大学医学部及び同大学院卒業、米国ワシントン大学医学部留学、三井記念病院、東京都老人医療センター(現東京都健康長寿医療センター)等勤務後、現在は伊奈病院整形外科部長を務められるとともに、日本整形外科学会広報・渉外委員会アドバイザー、ロコモチャレンジ推進協議会委員、日本骨粗鬆症学会評議員、骨粗鬆財団評議員などとして幅広く活躍され、数多くのTV番組にも出演されているこの分野の権威でいらっしゃいます。

これまでこの研究会では認知症・ガン・腰痛・糖尿病等さまざまな疾患や、自律神経の仕組み、アミノ酸の機能の勉強、また笑いが健康に与える好影響といった多岐にわたる分野において、それぞれ専門家をお招きしてセミナーを行ってきており、前回は口の機能低下が全身に及ぼすいわゆる「オーラルフレイル」の問題を取り上げました。今回は全身のフレイルが一歩進んだ状態である骨、関節、脊椎、筋肉等の運動器の様々な疾患(ロコモティブ症候群)を取り上げ、それらを防止することにより、「人生百年時代」を生き伸びるための知識についてのご講演を頂きました。

ご講演はわれわれの年代である例えば現在70歳の男性の推定寿命は85.73歳であり、今後更に伸びていくであろう、とのお話から始まり、一方要介護の原因となる疾患は転倒・骨折、関節疾患を含めた骨・関節疾患が認知症や脳血管疾患を超えてトップであること、運動器の病気として代表的なものである変形性膝関節症や骨粗鬆症の詳しい解説、これらを予防するための背筋、腹筋を鍛える運動、腰痛防止のための上体そらし運動の説明へと展開されました。

また自分のロコモの状態をチェックする「ロコモチェック」を踏まえ、ロコモ対策としての「スクワット」については、ご自身で考案された「大きな古時計」の替え歌でリズムをとりながら、参加者全員が立ち上がり、実際にスクワットをやってみる体験も行いました。

話は最後に栄養についても及び、骨と筋肉に大切な栄養素として、たんぱく質、カルシウム、ビタミンD、ビタミンKについて、どのような食物に含まれ、どの程度の量を摂取すればよいかについてもお話頂きました。

このようにお話は多岐にわたりましたが、最後の結論として、今日のような話を念頭に運動、栄養に留意していけば、90歳・95歳はおろか100歳まで生き伸びることができるとの先生のお墨付きを得て、極めて有意義な会を終了しました。

終了後は近くの居酒屋で懇親会を開催、石橋先生にもご出席いただき、引続き様々なお話を先生から伺うことができました。

◇ ◇ ◇

健康・医療研究会では、今後とも疾患の基礎知識と健康長寿のための諸知識習得の両面から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。

引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。

また、テーマのご希望についても、事務局までお知らせいただければ幸いです。

(文責 江村)

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