2021年11月10日 更新
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テーマ / イベント名 |
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第81回 10月27日(水) |
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第80回 4月26日(月) |
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2021年11月9日 掲載
第81回「海外旅行研究会」オンライン例会
第81回の例会は令和3年10月27日(水)Zoomオンラインで開催し、14名が参加しました。前回4月の例会を含め、オンライン例会開催は今回で3回目となります。コロナ感染が収束に向かいつつあり、平常生活に戻りつつある状況下ではありますが、まだ10人以上で集まり、懇親会を行うには心配・懸念の声もあり、対面開催は来年になりそうです。
今回は会員2名による報告があり、その後オンライン懇親会を行いました。
第1報告は、濱本会員による「パリからの日帰り旅行:ストラスブール、ナンシー、モンサンミッシェル」で、初めに、これまでに仕事+旅行で世界各国を旅された中で特に印象に残った都市や景観をランク付けして振り返る海外旅行の想い出を語られ、特にフランスにフォーカスして有名な3か所の魅力を紹介してもらいました。
第2報告は、鈴木会員による「2019年12月 ミャンマーひとり旅」で、コロナ禍前、そして軍によるクーデター勃発前の、平和でノンビリしたミャンマーの2都市、ヤンゴンとバガンを4日間で旅された時の想い出を、多くの仏教寺院とそこで暮らすミャンマー人の素朴な日常生活などについて紹介してもらいました。
オンライン懇親会では、コロナ禍で2年間海外旅行はできず、新しいネタに欠けることから、過去の海外旅行を振り返り、特定の訪問国ではなく、自分の興味のある切り口(例:景勝地、レストラン、ホテル、ミュージアム、各種イベント等)でまとめた海外報告も面白いのではないかなど、今後の開催方法について活発な意見交換が行われました。
また海外旅行研究会の会員が徐々に高齢化し、退会者もいることを踏まえ、新規会員募集に向けて、会員の個人的ネットワークを使って、海外にご興味のありそうな会員の方々へ積極的に声かけしてはどうかとの提案もありました。
海外旅行研究会に関心のある方は、
是非、世話役(山本明男)までご一報ください。
<問い合わせ先 a11389y@gmail.com 山本明男>
次回開催時期は、おそらく来年初めになるかと思いますが、コロナ感染状況を鑑みながら、できれば対面で行いたいと願っております。以下はお二人の報告概要です。
(山本明男 記)
「パリからの日帰り旅行:ストラスブール、ナンシー、モンサンミッシェル」濱本 龍彦
最後の海外旅行先としたのはパリとスペインの古都トレドであった。7年前のことである。パリ滞在中に、それぞれ日帰り旅行で訪れたストラスブール、ナンシー、モンサンミッシェルの3か所について報告する。
ストラスブール
ストラスブールは古来より交通の要衝であり、アルザス地方の中心都市である。パリ東駅からTGVに乗って2時間20分で着く。「最後の授業」(ドーデ作)の地、ワインのゲヴュルツトラミナルそして料理のシュークリートをキーワードとして頭に置きながら、ぶらぶらと街の散策を楽しんだ(写真①)。イル川の本流と支流に囲まれており、あちこちに運河が見られ、あちこちに古い木骨組の建物がある静かな街である(写真②)。車で10分も走ればライン川の橋へ、それを渡ればドイツである。ストラスブールは17世紀に、第1次大戦でフランスに戻り、第2次大戦ではドイツに占領され、戦後、再びフランスへ戻った。歴史に翻弄された街でもある。
左から ①ストラスブールののどかな風景 ②運河沿いに建つ木骨組建物
ナンシー
ナンシーはパリ東駅からTGVに乗って1時間半で着く。この街を訪れるときのキーワードは、芸術の世界ではロココとアールヌーヴォー。もう一つ、ここが発祥の地であるマカロン。それほど大きな街ではなく、駅からぶらぶらと歩いて回るのに丁度よい。18世紀の、貴族のためのロココ芸術の名残りはスタニスラス広場(世界遺産登録)に見ることができる(写真③)。そして19世紀末に誕生し、生活に溶け込んでいるアールヌーヴォー芸術はナンシー派美術館で堪能できた(写真④)。
左から ③豪華で装飾的な鉄の門 ④アールヌーヴォーの作品
モンサンミッシェル
モンサンミッシェルは708年、近隣の町のオベール司教が、夢の中で3度にわたり大天使ミカエルのお告げを受け、サンマロ湾の花崗岩の上に礼拝堂を造ったのが始まりである(写真⑤)。その後次々と増築を繰り返し、城塞として利用されたり、フランス革命のときには牢獄として使われた。1863年その役割が終えたあとは、荒廃した。その後、中世芸術が再評価されるようになり、さらにその景勝美から、今やフランスで最も人気のある観光地である(写真⑥)。パリからTGVでレンヌまで行き、駅からタクシーで。そして約2㎞離れたバス停からシャトルバスで門前を訪れた。ここから上へ上へとひたすら歩いて塔を目指した。
左から ⑤橋を渡りモンサンミッシェルを目指す ⑥モンサンミッシェル最上階にある回廊
「2019年12月 ミャンマーひとり旅」鈴木 哲
本年2月に勃発した軍事クーデターにより、国民の自由と民主主義を蹂躙された戦いは今も続いている。ミャンマーというよりは、長らく「ビルマ」に行きたいと思っていた。今回は家内にやんわり同行お断りをされての一人旅であった。
目的は唯一「寺院巡り」であった。ヤンゴン6寺とバガン10寺を巡る中で民衆の生き生きとした生活に触れることが出来たのが大きな収穫といえる(写真①)。ヤンゴン2泊、バガン2泊の日程で効率よく回るのには、全てタクシーのチャーターがベストであった。ホテル付のタクシー運転手は英語が分からなくても、ミャンマー語と英語の互換機能が付いている強い味方のスマホを使っていたので左程の問題はなかった。
写真① ミャンマーの長老ファミリー
ヤンゴン
ヤンゴンでは最大規模のシュエダゴン・パゴダに限らず、かなりの寺院と仏像は金箔(系)の外見となっている(写真②)。信心深い国民性から功徳やお願いごとのために金箔を貼るからである。ある寺院では中高生が仏像の周りに群れを成して紙幣を貼り付けている光景を目にして、この国の老若の人々の信心の篤さを感じられたものである(写真③)。市内にはイギリス植民地時代のコロニアル建築が見られ、ノスタルジアの雰囲気が味わえた(写真④)。
左から ②金箔に映えるシュエダゴン・パゴダ
③参拝者の絶えない大涅槃像④英国植民地時代のコロニアル建築
バガン
バガンには2000もの寺院(遺跡)がある。1000年前に初めてバガン王朝が統一国家を樹立した栄華の一つと言えよう(写真⑤)。シュエズイゴーン・パゴダは中でも最大で、まさに眩しく輝く黄金のパゴダである。今回訪れた16の寺院の規模・形状・院内の仏像は様々だが、加えて歴史を感じさせる壁画も見事なものがあり(写真⑥)、短時間では到底見切れないのが残念であった。更には、未だに軍部との抗争を続けている民衆の中に旅でお世話になったホテルやショップ、運転手などがいると思うと、とにかく秩序の回復がなされることを切望する。
左から ⑤バガンの仏教寺院遺跡群 ⑥寺院に残る古い仏像壁画
2021年5月3日 掲載
第80回「海外旅行研究会」オンライン例会
第80回の例会は令和3年4月26日(月)Zoomオンラインで開催し、15名が参加しました。前回昨年9月にオンライン例会を開催して以来7か月ぶりとなります。変異種コロナの感染者急増で、東京都にも非常事態宣言が発令され行動が制限される中、今回は3名によるミニ発表会と後半は参加者同士の意見交換会を行いました。
第1報告は、今井会員による「また訪ねたい思い出の観光地 トスカーナ」で、これまでに7回イタリア旅行をされた中で一番思い入れの強いトスカーナに焦点を当て、美しい景勝地と美味しいワインの産地、有名なレストランなどを詳しくご紹介してもらいました。
第2報告は、丸山会員による「孫はトライリンガル:1本のビデオ、6枚の写真で紹介」で、金婚式のお祝いにカリフォルニアに住む娘と孫娘からのピアノ演奏と温かいメッセージを写真と共に紹介してもらいました。
第3報告は、保坂会員による「2019年6月 ヴェローナの円形闘技場で鑑賞したオペラ椿姫」でオペラ上演用に設営された野外闘技場で、イタリア大統領を招いたオペラ椿姫開幕初日公演の様子を、素晴らしい写真と臨場感のある流暢な語りで詳細に報告していただきました。
オンライン配信セミナーが一般化する昨今、DFの中高年会員にとって、Zoomを操作してのオンライン発表はまだハードルが高いようで、今回も通信環境不備やシステムトラブル、操作方法での戸惑いなど、スムーズに発表するまでにはまだ場数を増やす必要がありそうです。
発表会後のオンライン懇親会では海外旅行ができないジレンマが続く中、ワインの話題で盛り上がり、イタリアでは最高級ワインをグラスで飲むことができるなど新しい情報もあり、ワイン通の多い会員はまた海外に出かけて美味しい飲食を楽しむ夢を膨らませました。
次回、第81回海外旅行研究会開催時期は、今後のコロナ終息とワクチン接種・医療体制などの状況にもより未定ですが、是非対面での開催をとの声も多く、「対面+オンライン」のハイブリッド型開催なども選択肢に入れ、検討していきたいと思います。
以下は第1と第3報告の概要です。
(山本明男 記)
「また訪ねたい思い出の観光地 トスカーナ」今井 智之
今回の命題は「また訪れたい観光地」ということで、さんざん迷った挙句「トスカーナ」を選んだ。イタリアは素晴らしい観光地で、どこへ行っても楽しい。日本からローマやフィレンツェなどの都市には多くの観光客が訪れるが、地方の市町村へ出かける人は少なかろう。フィレンツェはトスカーナ州の首都でありながら、トスカーナは一線を画されるようだ。古都が多く、高評価ワインの産地でもある。そしてトスカーナ料理が大変美味しい。そこで、これらの美点を最大限満喫できるホテルとワイナリーとエノテカを紹介した。
左から ①ホテル・チェルトーザ・ディ・マッジャーノ庭園と ②古都を望むホテルの周囲
先ず、全てを満足させてくれたシエナでは、“ホテル・チェルトーザ・ディ・マッジャーノ”が素晴らしいアンビエンスを提供してくれる(写真①、写真②)。ここのリストランテの料理は完璧であった。近頃のミシェラン星を求めての見た目の美しさ、奇抜さだけを追う料理人は旨味を取り戻すよい参考になる。毎年、7月2日と8月16日に“イル・パリオ”という競馬がピアッツァ・デル・カンポで開かれ、数万の人を集める(写真③)。
写真③ カンポ広場
銘酒“ブルネーロ・ディ・モンタルチーノ”の産地はここからそう遠くない。そこのエノテカ “オステッチオ”には厳選されたワインが豊富にあり、テラスからの景色が大変美しい。(写真④)途中、“アバチア・ディ・サンタンティモ”という古い教会と取り囲む景色が非常に美しい。(写真⑤)フィレンツェへ向かう途中キャンティを訪ね、キャパネッレというワイナリーで見学と昼食を兼ねたテースティングを楽しんだ。
左から 写真④エノテカから眺めるモンタルチーノ 写真⑤サンタンティモの葡萄畑
フィレンツェの北郊外フィエーゾレにある“ヴィラ・サン・ミケーレ”での滞在も素晴らしい。ミケランジェロが作ったファサードを残す元修道院を改造した快適空間とフィレンツェの遠景を見渡す贅沢なアンビエンスがある。フィレンツェ市街へはホテルのシャトルバスがある。かの有名な“リストランテ・エノテカ・ピンキオーリ”には以前一度だけ行ったことがある。ひとりではワイン白と赤をボトルでは飲みきれないので、グラスワインにしたが、結構高価なワインであった。
写真⑥ ルッカの1景
貴族が競って高い塔を建てたサンジミニヤーノは面白い雰囲気の村である。“ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニヤーノ“という白ワインが大変美味しい。ピサにも行ったことがあるが、その内陸北に素晴らしい古都ルッカがある。教会ばかり多数ある町でも、滞在して詳しく観光する価値がある(写真⑥)。
「2019年6月 ヴェローナの円形闘技場で鑑賞したオペラ椿姫」保坂 洋
今回は、Zoomによる短時間の発表のため、2019年6月の北イタリア2週間夫婦旅行のうち、ヴェローナの円形闘技場(Arena di Verona)でオペラ椿姫を鑑賞した一日に絞ってお話を致します。
アレーナ・ディ・ヴェローナは、1世紀(2,000年前)に建立、コロッセオに次ぐ規模で、夏に上演される野外オペラの会場として有名です。収容観客数は、約20,000人です。(写真①)せっかく北イタリアを旅するのだからと、やりくりして、何とか開演初日に間に合う旅程を組むことができました。
写真① 貴賓席から見たアレーナ
チケット購入は、自宅からWebで直接Arenaにアクセスして行います。ネット検索で頻繁に出てくる日本の代理店を通さないことが、早く、安価にゲットできるコツです。
演目が椿姫と分かったので、浅薄でストーリーを知らない私は、東京で折よく上映していたNY METでのライブビューイングを見て、筋書きを頭に入れました。本番はイタリア語ですが、どのような場面かが理解でき、これは本当に役立ちました。
開演は21:30です。腹ごしらえをして会場へ向かうと、長蛇の列です。なかなか進まず、こんな調子で間に合うのか心配になってきました。隣の伊人の男性が「今日はプレジデントが来るのでセキュリティが厳重なのです」と教えてくれました。
ようやく入場すると、目の前に舞台と観客席が広がります。1階のアリーナ席は、フォーマルに着飾った紳士、淑女が座り、我々のすり鉢状の席には、フォーマルからポロシャツ姿まで、多様な服装の観客で満席です。
やがてマッテレラ大統領が入場、我々の席から数メートルしか離れていないロイヤルボックスに陣取りました。(写真②)舞台には200名近くの俳優全員が並んで歓迎し、そして伊国歌斉唱、感動的な幕開けとなりました。(写真③)
夜の帳が下り、華やかな舞台展開は、息をのむ美しさと迫力で、あっという間に終演を迎えました。時計は0:30を指していました。(写真④、写真⑤)
左から、写真② マッテレラ大統領ご夫妻写真③ 大統領歓迎 伊国家斉唱
左から、写真④ 椿姫パーティの場面と写真⑤ 紙吹雪舞うクライマックス
好きなカメラを持参しましたが、演技中は撮影不可と思っていました。ところが、あちこちビデオ撮影しているスマホの画面が明るく光り、何とフラッシュを焚いた人もいるのです。おおらかなのですね。私も遅ればせながら、名場面を撮影できました。
この年は猛暑ということもあり、並んで体調を崩し、公演中にレスキューの手を借りて退場していった観客を少なからず見ました。シニアの我々の注意すべき点です。
外に出ると、真夜中なのに人の波また波。レストランは、テラス席も満席です。皆とても楽しそう。(写真⑥)
早くコロナが収束し、再びこの素晴らしい雰囲気を楽しむことができる日が一日も早く来るよう、願うばかりです。
写真⑥ 午前1時の三つの賑わい