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一般社団法人 ディレクトフォース

2014/01/17

NGOと参加型国際協力「オックスファム・トレイルウォーカー」

2014トレイルウォーカーに参加してみませんか?

大野 徹雄

筆者1970年代後半以来30年以上にわたり国連・欧州委員会で役所仕事に従事してきた私が、2年ほど前から非政府団体(NGO)オックスファム・ジャパンにコミュニケーションズ・アドバイザーとして拘わることになった。正式には日本では「特定非営利活動法人」という長いカテゴリー名がついているようだが、オックスファムは英国で1942年、ナチス軍による攻撃で窮地に陥っていたギリシア市民に、オックスフォード市民5人が食糧や古着を送ったことで始まった。当初は「オックスフォード飢饉救済委員会(Oxford Committee for Famine Relief)」という名で活動を行なっていたが、その後オックスファム(Oxfam)と名称を改め、1948年にオックスフォードではじめて、オックスファムのチャリティーショップを開き、市民レベルでの活動を開始するとともに、第二次世界大戦後のヨー ロッパの戦後復興、植民地独立への難民支援、自然災害に対する緊急支援などを行ない、その支援活動の歴史を刻んできた。英国に於いては、オックスファム・ショップの数が700件を超える。

日本では、2003年にオックスファム・ジャパンとして活動を開始、世界17の国と地域にあるオックスファムのネットワークの一部を担っている。国内外の他団体と連携して、貧困層の利益に配慮した公正な政策の導入を各国政府や国際機関に働きかけ(アドボカシー)、またそのような変革に対する世論の支持を作り出すための活動(キャンペーン)を行っている。現地の人々自身による社会基盤の準備のため、保健衛生活動、基礎教育、HIV・エイズ対策、農業支援、技術支援、職業支援、災害予防対策など、持続可能なコミュニティ形成を支援している(長期開発支援)。さらに、自然災害や武力紛争の結果、基本的生活が保障されない人々への救済と復興 支援を行っている。具体的には、オックスファムのネットワークが世界90カ国以上で行っている活動への資金のサポート、オックスファム・ジャパン独自では、東北大震災の特に女性の被災者支援を初め、インド、フィリピン、ベトナム、大洋州、マラウィ、サヘル、コンゴ民主共和国などで、他の国のオックスファムや現地のパートナー団体と共に緊急人道支援、長期開発支援、中小企業支援活動を実施してきている。最近では、シリア難民やフィリピン台風被害者向けの寄付をつのったりもしている。加えて、チャリティーショップのオックスファム・ショップも武蔵野市吉祥寺と福岡県久留米市で展開している。

この様なNGOの活動を目にし、国際協力・支援に興味はあるけれどもどう実際に行動を起したら良いか分からない、というような人達も多いように思われる。その意味で、オックスファムが世界16カ国・地域で開催しているトレイルウォーカーは気軽に参加しながら国際協力に貢献できると言う意味で人気が高い。これは、開催地により幾らか差があるとはいえ、基本的には100キロのコースを4人のチームを組んで48時間以内に歩き通すというイベントである。日本では、神奈川県小田原市から箱根を越えて静岡県小山町を通り、山梨県の山中湖村までの風光明媚なルートを、環境に配慮しながら歩く。参加者は各チーム毎に最低12万円のファンド・レイジングを行う。これで集ま った寄付金が、オックスファムの支援活動に使われる。

スタートを前にして 城山陸上競技場をスタート フィニッシュはあと少し

昨年の例でみると、5月10日に小田原市城山陸上競技場を朝9時と9時半の2グループに分かれて出発した179チーム712人は、最も早いチームで19時間39分後に山中湖村に到着した。参加は27カ国、最年長の参加者は81歳で、97チームの527人が100キロを完歩、集まった寄付の合計は、3,900万円に達した。この行事の成功には、最高齢87歳を含め500人以上に上るボランティアのサポートが欠かせない。

この開催の3日間には、チーム同士の国際交流や地元のボランティアとの交流、コース最後の静岡県小山町明神峠から山中湖へ下る時に見渡せる富士山や周囲の山々の姿、ゴール地点の山中湖面に映る逆さ富士は毎年、チームによっては日夜歩き続けてきた疲れを癒し、完歩した人達の満足感をさらに大きいものにしている。

今年のオックスファム・トレイルウォーカー・ジャパンは5月16日(金)から18日(日)の日程で開催される。また今年からは、短めの43キロのコースも新設される。これは17日(土)に神奈川県南足柄市近辺からのスタートとなる。1月15日からウェブサイトを通してのエントリーが開始されているので、ご興味のある方はぜひ一度「トレイルウォーカー・ジャパンのサイト」をご覧になられる事をお勧めしたい。

以上

おおの てつお ディレクトフォース会員(No857)
現NGOオックスファム・ジャパン 広報アドバイザー、元国際連合広報局

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