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 2016/05/16(No221)

ボケ防止大作戦60の手習い(フランス語編)その2

寺崎 志野

筆者2012年12月に投稿したDFエッセーは、躍動感に溢れていたから、「その続きを」との事務局からのお達しに、「ハイ!」と軽い気持ちで返事をした。文章が思いつかないままグズグズしていた理由は、「面目ない」から。

まだ、話せないのである(フランス語が)。

赤ん坊が1歳になれば、「ママ」「ウマウマ」「ブーブー」位は口から発しているのに。

勉強を始めてから、かれこれ3年半。私の人生で、これほど真面目に勉強したことは無い位、一所懸命に勉強した。フランス語検定試験を目標に定め、5級、4級、3級までは、「傾向と対策」シリーズ風の自学自習ですんなりクリア出来た。準2級からは、突然、高い山がたちはだかり、やっと一歩進んだが、2級の山は、完全に私の行く手をふさぎ、通せんぼをしているのだ。山登りは知らないから、高い山の攻略法は論外。それでも幼少期より、才気煥発・勉強大好きな私にとっては、「出来ない」ということが、初体験だった。

3級からは、聴取りや書取り試験の量が増え、スピーカーから聞こえてくる音は、私のモゴモゴとは全く異なり、これがフランス語なのか!と宇宙人の言葉の様に聞こえた。これはダメダと方向転換、聴くことと、話すことも、練習しなければならん。さあ、それからは、例によって、あれもこれもと、手を広げた。毎朝7時半から15分間、NHKラジオ講座フランス語初級編。遼ちゃんがお勧めの、「聞くだけで話せるようになる」という謳い文句の「スピードラーニング」のフランス語編、黙って全12巻、一気購入、スマホに移して、マイカーのBLUE TOOTHでながら運転。そして極め付けは、フランス人が喋るフランス語を習うために、「Classe de Français」という学校へ。フランス人教師のインタヴュウを受けた時、「私は仏検3級です」と申告しても、「ボン・ジュール」と日本風に発声したところで、「貴女は入門クラス」と一言。

それから苦難の日々が始まった。この学校は、GATTEGNO式というユニークな学習法で外国語を教える教室である。フランス語の母音、子音、無音の音、全ての音を色分けしたパネルがあり、音の出し方、口の開け方の形、舌の動かし方(教師には見えるらしい)、の全部に間違いが無くなるまで、発声させられるのである。一クラスの生徒は4人から8人程度、正しく発音できれば、教室にいる筈は無し、生徒それぞれのオカシイ発声を指摘する教師の話を聞きながら、「人の振り見て我が振り直せ」を繰り返すのである。中学、高校で英語を勉強した我々世代は、欧米人を見たこともない日本人教師から習ったから、日本語英語で通して来た。外国語の発声の困難さは60の手習いで初めて経験したのである。

(画像クリック⇒拡大)

ブルゴーニュワイン騎士団
の叙任式

3か月毎の学期を繰り返し、学期末の集中講座にも参加し、2年と3か月が経過した。

あ〜、それなのに、フランス語が口から出て来ない。只今、意気消沈、自信喪失中。近頃、久方ぶりに会う旧友から、「雰囲気が柔らかくなったね」とは、私の挫折感の顕れ。

そういえば、フランスで数年仕事をしていた知人が、「フランスで暮らして、2年11カ月29日経つと、突然、フランス語が口から出てきました」と言っていたことを今更ながら思い出す。昨今はテロ事件頻発、フランス国で住むのは困難。残る手段は皆様ご承知の唯一つだが、私は既に年齢制限超えでその手は使えない。DFの賢者の皆様、どなたか名案を授けて下され。

フランス語を勉強していて良かったことはたった一つ。退職後、ワイン好きが高じ、ブルゴーニュワインの虜になり、2016年9月に、フランスはボーヌの古城でブルゴーニュワイン騎士団の叙任式に参加でき、夢の世界を旅したことである。まるでお姫様(?)になれた気分。

【青春とは人生のある時期ではなく、心の持ち方を言う】という有名な詩がある。

《着物でシャンゼリゼ通りを歩き、カフェでシャンパンを飲みながら、隣のムッシュウとフランス語でおしゃべりをする》という夢をあきらめず、命尽きるまで英検に挑戦し続けるゾ!

さすれば、私はいつまでも青春時代!エンドマーク

てらさきしの ディレクトフォース会員(548) 元東レ、東レACS

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