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一般社団法人 ディレクトフォース

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2014/05/16(No173)

ディレクトフォースと『老人の暇つぶし』

浅野 応孝

筆者ディレクトフォース会員のIさんから毎日のように色々な話題の情報が回ってくる。政治・経済・外交・エネルギー・自然科学・歴史等々幅広い話題を毎日楽しませてもらっている。

その中に、都知事選での元首相たちの動きを揶揄したコメントが印象に残った。

曰く、一度引退して働く目標を失った老人の暇つぶしの活動、と切り捨てている。

さて、ディレクトフォースの活動はどのように見たら良いのだろうか。

会員は1000番を超え、実働会員も550人以上と聞いている。会員のディレクトフォース入会意義は、さらなる社会貢献で働く目標を持っている人もいれば、未知の目標を求めて参加している人、暇つぶしの活動として利用している人等千差万別であろう。

自分自身は何のために参加したかと考えてみると、会社を離れて新たな社会とのネットワークつくりで第二の人生に役立てる、これまでにない仕事への参加の機会を得る、新たな仲間と懇親の輪を広げることができる等々考えていたはずである。その中には『老人の暇つぶし』という概念はなかった。暇つぶしは趣味やゴルフ、旅行等いくらでもあると思っていた。

あるとき、アドバイザーをしている会社の欧米人から日本に関する産業や経済についての質問に答えているときに、自分の知識の不足が気になった。化学産業のことはある程度判っても、電機・機械・IT等分野が違うと話題が進まなくなる。ましてや経済・国際政治になると欧米人に太刀打ちできない。

そこでDF技術部会に提案して産業に関する話題を取り上げて議論する会を立ち上げた。『日本産業は何を目指せば生き残れるか』という題名で毎月一回有志が集まり話題提供者から90分位の講話をいてもらい、討議をするという形で始まった。すぐに種切れになるだろうと思っていたが、案に相違して2010年から足掛け5年目の今年になっても活発につながっている。すでに40回を超え無償で講演を受けて頂いた各界のエキスパートの方に感謝している。

現在は『DF経済・産業懇話会 ーー日本産業は何を目指せば生き残れるかーー』と改題して毎回ホットな議論が続いている。

初めは、新たな情報や意見交換で、知識を深めて対話力を増すつもりだった、その効果は十分にあったと考えている。しかし『老人の暇つぶし』の言葉を見て、これは実はそのような役割の一端も担っているのではないかと思い至った。

毎回、時節にあったトピックスを選び、講師をお願いし貴重な話をしていただき、それを肴に議論し、事後のビールの一杯でさらに話題が膨らむ。初めのころはDFの成果としてこれらの知見をもっと広げてみたらどうか、といった肩に力の入った意見もあったが、それは個人ベースにお任せしている。

元首相のように日本の国を支えてきた人が、『老人の暇つぶし』とみられるような活動は、第3者も巻き込むのでよく考えないといかがかと思うが、やはり元気な老人が健全に社会活動と暇つぶしをするのは良いかな、と考える。

お陰様でディレクトフォースでは子供の理科実験グループを通じて、普段接する機会のない子供たちとの交流を楽しむことができ、大学等への出前講義では若い学生に『DF経済・産業懇話会』で得た知識を加えて話ができる等、『老人の暇つぶし』にしては贅沢な日々を過ごさせてもらっている。もちろん入会初期の目標のディレクトフォースの仲間のネットワークからは日頃より大変お世話になっている。

『DF経済・産業懇話会』をどこまで続けられるか、毎回が楽しみです。

Iさんの回覧情報は日々の刺激です、ディレクトフォース会員がそれぞれの知恵で新たな『老人の暇つぶし』のアイデアと仲間が広がることを期待しています。マーク

あさの まさたか ディレクトフォース会員(会員No.84)
元三菱化学

編集註:『DF経済・産業懇話会』については、こちらからご覧ください

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