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一般社団法人 ディレクトフォース

2021年11月28日

見出し教育部会

教育部会理科実験グループ>トピックス

見出し 理科実験グループ「トピックス」2021年版

(2021年12月25日 掲載)

横浜市綱島小学校の通級指導教室で理科実験

横浜市立綱島小の通級指導教室で11月5日、8日、11日の三日間 出前理科実験を行いました。2019年に一度実験を行ったことのある教室なのですが、新型コロナ感染症の問題もあり二年ぶりの実施です。テーマは5日に「飛行機」、8日、11日に「コンピューター」で、何れも参加してくれた子供たち、先生方、そしてDFの講師陣の全員参加、全員連携の一体感のあるイベントとなりました。

横浜市綱島小学校の通級指導教室で理科実験

通級教室に通う子供たちは、大勢の中でコミュニケーションするのが苦手なので、当初 実験への集中力が維持できるかどうかが心配でしたが、いざ蓋を開けてみると子供たちは実験に集中し、初めて見せる新しい力が次から次へと出てきました。

字を書かないと言われていた子供がワークシートに字を書いたり、十進数で繰り上がりのある足し算が出来ない子供が二進数の繰り上がり計算をスイスイこなしたり、あるいはペアでの取り組みが苦手な子供が協力連携できたりもしました。

先生方はもちろんのこと、別室でモニター越しに心配をしながら参観されていた親御さんも日頃と違う子供たちに驚かれていました。

実験が終わった後、参加児童が迎えに来ていた保護者の方に向け、通路で二進数の足し算を説明している場面と遭遇し印象深いものとなりました。

今回の実験では、参加する子供たちの特徴をワンポイント情報として先生から教えてもらう等の準備もあり、子供1人1人へ合わせたDF講師陣の対応ができました。DF理科実験の特徴が生きたイベントになったものと思います。

以 上(EL 丸山 昭洋)

(2021年11月27日 掲載)

理科実験新テーマ「浮力」正式実験第1号

10月30日(土)に小平第十三小学校の放課後こども教室で新テーマ「浮力」を初実施しました。「浮力」はメンバーの戸田さんの提案で、2020年6月より会議(Zoom)を重ねて低学年用と高学年用を開発してきましたが、小平十三小こども教室運営チームの希望がありましたので、メンバー一同、器材の扱い方や授業方法等の事前勉強を繰り返して、正式な授業として今回の初実施となりました。

「浮力」の理科教室の様子 水に浮いた粘土

左:「浮力」の理科教室の様子 右: 水に浮いた粘土

生徒は3年~6年の13名で学年に幅が有りましたが、敢えて高学年用の内容としました。浮力を手ごたえで体感するだけでなく、手作りの「天秤」とメスシリンダーの体積測定で数値化するという高度な内容でしたが、資料と説明が分かりやすく、3年生も問題なく理解することが出来ました。

最後の粘土の船を浮かべる実験では、子供たちも楽しく盛り上がり、子ども教室の運営チームからも感謝の言葉がありました。終了後には参加されたメンバーも含め、皆で反省会も開き、更なるわかり易さの追求や浮力を実感する工夫を考察しました。その様子を以下のビデオでご覧いただけます。

DF理科実験教室「浮力」

以 上(横山英樹)

(2021年11月22日 掲載)

伊豆大島「つつじ小学校」で理科実験

11月1日より1泊2日で伊豆大島、つつじ小学校で理科実験教室を実施しました。今年はコロナ禍のため遠隔地での理科実験は大幅に少なくなりました。その結果、つつじ小学校が本年初めての宿泊をともなう理科実験となり、参加者は感染予防を考慮して例年より少なく6名としました。

大島には小学校が3校(つつじ、つばき、さくら)ありますが、毎年1校ずつ持ち回りで行っています。つつじ小学校は児童数55名の小規模校で、理科授業の一環として初日に5、6年生に飛行機(21名、90分)、2日目に3、4年生に表札(16名、90分)および1、2年生に墨流し(60分、18名)を実施しました。

DF理科実験教室「飛行機」 DF理科実験教室「表札」
DF理科実験教室「墨流し」

写真:左上・下「墨流しで絵はがきを作ろう」、 右上「3D表札」を作ろう

恵まれた自然の中、自由に溌剌と教育された子どもたちと一緒に行った理科実験は、活発な質問と素直な歓声が聞かれ、私たちも楽しく満足の出来る時間となりました。小学校の先生達も大変積極的で、飛行機に関してはZoomでの事前打ち合わせ、墨流し、表札は前日に先生方と打合せが出来、実験中に先生と子どもたちのとの一体感を強く感じました。遠隔地での理科実験の打合せにZoomの活用を積極的に利用することができ、今後有用なツールになると感じました。

夕食は定宿のホテル赤門で、海の幸満載の豪華な夕食を堪能しました。その後、久々の宿泊で、我々の理科実験教育の趣旨や意義をゆっくり議論し、お互いの親睦を深めることが出来ました。

2日目、実験が終わって学校を出るとき、近くにいた子ども達が近寄ってきて名残惜しそうに手を振ってくれたのが忘れられません。また、来年も実施出来ることを楽しみにしています。

最後になりましたが、毎年お世話して下さった山田先生とつつじ小学校の担当者である稲葉先生には大変お世話になりました。心からお礼申し上げます。

以 上(横山祐作)

(2021年10月15日 掲載)

オンライン理科実験パート2―「色とあそぼう」

10月4日(月)に国分寺の放課後教室にて「国分寺こども科学教室」をオンライン形式で実施しました。前回の川崎市のときは、夫々の児童が各家庭から別々に参加しましたが、今回は児童と講師を接触させない教育委員会の方針に基づき、児童は教室に集まり、DFの講師は別の部屋から指導するという方法で行いました。

この方式では教室で児童を前にして授業する代わりに児童の教室にはPCが1台置いてあり、ディスプレイに講師の画面を投影することになるので、児童各自にパソコンを用意する必要がなくなり、リアルに授業に近い形になりました。

参加児童18名に教室には学級の先生7名がつきモニターからの講師の説明・指導により実験が開始され、児童は「色の混ぜ合わせ」で色を変えたり、三原色の色だけで、補色関係を応用した「真の黒」への挑戦などを体感し、大きな声で感動を表していました。

別室からのZoom投影
別室からのZoom投影
学級の風景
学級の風景

「色の分離」も全ての児童が成功し成果をカメラ越しに見せる児童もいました。最後の挨拶に大先生が教室に姿を現すと児童は講師がどこに居たのかとびっくりして、歓声が上がっていました。

私たちは講師とイベントリーダーのみが参加し、オンラインのセッティングは前回オンラインでもお世話になった慶応義塾大学の山中教授にお願いしました。カメラやマイクを複数設置し児童の声や顔を私共が確認しながらの双方向環境が確保出来ました。

児童は2~3年生主体で特別支援学級の児童も含まれていたことを考えるとこの方式をベースに工夫をすれば少人数講師で実験を進める事が出来るので「コロナ環境」「遠隔地」対応など新たな可能性を感じたイベントとなりました。

以 上(酒井和幸)

(2021年9月25日 掲載)

京華中学のKEIKAフェスタで小学生に理科実験

9月20日(月)敬老の日に京華学園中学校で理科実験授業を行いました。同日は同校のKEIKAフェスタ(オープンハウス)で、多数の小学生が保護者同伴で来校していました。私たちは予約で参加した5~6年生中心の26名を2回に分けて、各45分間の「磁石」の授業を行いました。目には見えない磁場が石も人間の体も通して存在していることを実感する実験に、子ども達は本に書いてあることが本当であることに感動していました。
京華中学はサンデー毎日誌によると、面倒見の良い私学として、都内で1位の評価を得ており、礼儀正しい生徒が多いと感じました。授業を行った教室には、「守破離」が掲示され、中3の君たちは「守」と書かれていました。
なお、当日、DF会員によるオンラインでの写真機(チェキ)の体験教室と授業支援の会の「夢を持つことの大切さ」の講義もありました。

理科実験教室「磁石」の一コマ(動画36秒)

当日のチラシ(クリックPDF)

以 上(小林慎一郎)

(2021年9月3日 掲載)

初めてのオンライン理科実験 - 「色とあそぼう」

(クリックしてPDF)

8月21日(土)に川崎市幸区と慶應義塾大学が共催する「科学とあそぶ幸せな一日」で理科実験授業をオンラインで実施しました。DF理科実験としては、オンラインは初めての経験です。従来は慶應の新川崎のキャンパスに子どもたちを集めて開催されていましたが、現下の状況で、昨年はオンデマンドの動画を提供しましたが、今年は、更に一歩進めて、キャンパスの会議室から子どもたちの家庭とZoomを繋いでオンラインの理科実験授業を行いました。

色とあそぼう」のテーマで、午前1回、午後2回の各90分授業には1年生から6年生の48名の子ども達が保護者と一緒に参加し、大先生の加藤さんがPowerpointで実験の概要を説明し、その後、ZoomのBreakout Roomの手法を使って、5班の小先生が4~5名ずつの子供たちに実験を指導しました。慶応義塾大学の山中正明教授はじめ、研究室の学生多数がオンラインが円滑に進行するよう補助してくださいました。

Zoom開催スタッフへのイベントリーダー挨拶
参加した子ども達に対するテーマリーダーの説明
グループ別のZoomブレイクアウトで子どもたちの実験する様子

留意したことは、いくつかあります。まず、材料は家庭の負担を考え、すべて、我々が身近に手に入る材料を用意して、一人当たり約500円余りの材料費は主催者が負担して、各家庭に配布しました。Powerpoint には、動画やアニメーションを駆使して、離れていても子どもたちがわかるように配慮しました。

動画の制作を兼ねたリハーサルは3回実施し、その他、Zoom会議による関係者の打合せは数えきれない回数に及びました。ビデオ撮影の得意なメンバー、アニメーション制作に高い技術を持つ者、プレゼンテーション話法に長けた人材が総力を結集して準備に当たりました。

理科実験に限らず、学校のオンライン授業、講義には、様々な意見がありますが、今回の試みは、理科実験の在り方に一石を投じ、感染状況が緩和された後でも、遠地への理科実験授業の提供など、我々の今後の方向性を検討する試金石になったと考えています。

以 上(酒井和幸)

(2021年9月3日 掲載)

子ども霞が関見学デー文科省のWEBにDF理科実験が掲載されました

例年、霞が関で開催されていた各省庁の「こども霞が関見学デー」が今年はWEB掲載となりました。そのうち、文部科学省主催の「土曜学習応援団プログラム」の欄にDFは出前理科実験授業を出展しました。


開催日は8月18日・19日となっていますが、今後もWEBは見ることが出きます。 今回は「いろとあそぼう」の実験動画を紹介し、小学校と中学校の部にそれぞれ掲載されています(出展のサイトは「小学生対象プログラム」「中学生対象プログラム」)。社会環境の変化で、このようなWEBやリモート、オンデマンド、オンライン授業が増えてきており、対面でない授業には賛否両論、利害得失がありますが、我々も様々な要請に応えるべく素材の提供に心掛けています。

以 上(酒井和幸)

(2021年8月27日 掲載)

会員の得丸英司さんが夕刊フジにDF理科実験を紹介

会員の得丸英司さん(No.1333 写真)が夕刊フジ(2021.8.21号)の、連載執筆中のコラム欄「定年後 自走人生のススメ」にDF理科実験Gの活動内容を紹介されました。得丸さんは生命保険会社の出身で「一般社団法人定年後研究所」の初代所長を務められました。DFでは100歳社会総合研究所に所属し、理科実験グループのメンバーでもあります。

今号のコラム欄にはディレクトフォースの活動理念と理科実験Gの趣旨がわかり易く紹介されており、100歳社会に向けて、定年後のあり方を示唆する読み応えのある記事になっています。

是非ご一読いただき、よろしければご家族・友人・知人にもご紹介ください。

以 上(小林慎一郎)

(2021年7月27日 掲載)

24番目の実験テーマ「プログラミング」が完成

1年半をかけてDF理科実験グループとしての一つ目の「プログラミング」実験テーマが完成いたしました。

文科省の方針で2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化することになり、2019年には多くの学校からDF理科実験グループにもプログラミング出前授業の要請が寄せられました。これを受けて2019年12月に理科実験グループ内に「プログラミング研究会」を立ち上げ、次の2点を方針とし、検討を進めました。

① プログラムを組むうえで情報の整理とその必要十分条件を考えさせるテーマを目指す。
② 研究会メンバーの提案で、(株)日鉄ソリューションズ(NSSOL)の小中学生向けプログラミング教材(K3Tunnel)内テーマ「迷子の動物お助け大作戦」を活用する。

理由は、子供達がプログラミングをする為のサポートシステムをDF理科実験グループ内で作ることは不可能であり、外注すれば数百万円の費用が必要。また、このテーマは①を満たしており、非営利であればNSSOLは無償使用を許可している。

コロナの影響もありましたが、1年半の検討期間を費やし、㋐コンピューターとプログラムの関係、㋑プログラミングの意味とポイント、㋒プログラミング操作のより詳しい解説、㋓「①の考えへ」の誘導などをDF独自に付け加え、7月20日理科実験グループのテーマ定例会にて正式テーマとして承認されました。

◇ ◇ ◇

テーマ内容は次のようなものです。上記㋐㋑の解説に始まり、プログラミングに入ります。対象は横浜のズーラシア動物園での出来事。ズーラシアでは「中央アジアの密林」とか「アフリカのサバンナ」など生息地に対応させて8つの展示エリアに分けて動物を展示している。ある日12種の動物が展示エリアを外れ迷子になっている。迷子の動物はID番号札を着け、それには「4本足」とか「巨体」など14の属性の内、対応する複数の属性名が書かれている。さらに、「迷子の動物について一つまたは複数の属性を指定して、一つまたは複数の展示エリアを示す」12個の動物園からの情報が与えられる。

この12の情報一つ一つについて、属性を基に、対応する展示エリアに点数をつけるプログラムを書きコンピューターに実行させると、縦に迷子の動物、横に展示エリアを並べた表の対応する交点に点数を加算した結果が得られる。この12の情報全てについてプログラムを書き、まとめて実行させると得点の一番多い展示エリアがその迷子の行き先となる。ただし、12の情報を素直にプログラミングしただけでは、3種類の迷子はまだ行き先が決まらない。ここで12の情報を組み合わせて、この3種類の迷子を特定する情報を考え出すこと、すなわち前記①が子供たちに必要になります。

  大きな画像はこちらから

◇ ◇ ◇

検討の過程で、我々年寄りにとってプログラミングそのものがなじみ薄く、更に問題解決のプログラミングの前提となる要件定義は一つではなく、それに応じて正解のプログラムが別物になることなど、研究会メンバーのレベル合せに時間が要しました。しかしそのような過程を踏んだおかげで、より子供たちに解り易いテーマに仕上がったと思っています。たぶん小学校の現場はプログラミングテーマの需要が多く、実施要請が多発すると予想されそれに積極的に対応してまいります。さらに、K3Tunnelには現在この他に4つのテーマが有り、DF理科実験グループのテーマと出来るかの検討を進め、レパートリーを広げようと考えています。

以上 
(文責 平井浩二)

(2021年7月4日 掲載)

「清瀬子ども大学 理科の部 」で理科実験授業を実施

東京都清瀬市教育委員会が掲げる標語は 「子どもが育つ 市民が育つ まちも育つ 清瀬の教育」である。

DF理科実験グループと清瀬市各小中学校とのお付き合いは長く、かねてより幾つかの小中学校にて理科実験教室などを行って来た。また2019年には、全市的要請を得て「サイエンスフェスティバル イン 清瀬」として大きなイベントを開催した。このイベントでは実施4テーマの下、参加小学生222名を数え大きな反響と高い評価をいただいた。実験が巧く成功した時に、子どもたちから一斉に挙がる大歓声と興味津々の輝く瞳は、私たちにとっても大きなご褒美と言えた。そして私たちも充実した達成感と納得の時間を共有させてもらった。

新型コロナ禍による現下の社会環境により2020年は休止を余儀なくされたが、その後教育委員会各学校関係者コーディネーターを中心とする保護者層などから「自粛規制の多い学校の毎日に、子どもたちはすっかり元気を失い萎縮してしまっている。何とかして本来の子どもらしい活発な明るさ元気さを取り戻させてあげたい。力を貸して欲しい」との要請も盛んに出るようになった。


(クリックPDF)

今般同市坂田篤教育長の肝いりで「清瀬子ども大学」なる企画が創出され、そのスタート・イベントとしてDF理科実験グループが「理科の部」を担当することとなり、2021/06/26に「香りの粒を作ろう」「飛行機はなぜ飛ぶの?」「クレーンの秘密滑車のはたらき」および「My地球儀を作ろう」の4テーマの下16名の講師が参加し、全市より応募による100名の小学生児童の参加を得て同市アミューホールにて成功裏に実施された。

なお「清瀬子ども大学」では今後同市の特徴をも活かして「音楽の部」「医学の部」「理工学の部」「地域産業の部」などがテイクオフを準備している。また既に清瀬市の小学校単位からは理科実験教室開催の申し込みを受けており、今回のアンケートの結果をも踏まえてより一層の実験品質の改良を図りつつ連携を深めて行きたい。

以上 
宮下 博文(924)

(2021年4月1日 掲載)

「中萩中小学校の広報誌」に理科実験活動が紹介される

ディレクトフォースでは2014年から大田区立 中萩中 なかはぎなか 小学校で毎年理科実験授業を行っています。今年度も今までと違う環境下で、密を避けるために、授業方法・テーマ内容も工夫するなど学校側と協力して検討を重ね、万全な感染予防対策を行ったうえでの実施となりました。そこで、長年に亘り、理科実験Gの東京東地域リーダーとして学校側との調整役を担ってきた赤堀智行会員の尽力に対して、感謝の意を込めて、今般、同校からインタビューの要請があり、そのニュースが学校支援地域本部の広報誌に掲載されました。この地域で我々の活動理念が評価され、新しい展開が増えることを期待しています。

 


中萩中小学校の広報誌
「なかよしなかはぎだより」
(クリック⇒PDF)


学校側との調整役
赤堀智行さん

以上(文責 小林慎一郎)

(2021年3月31日 掲載)

サンセット・サンライズ
変わりゆく科学技術館実験教室

去る3月14日(日)科学技術館で大先生役*の平井浩二さん(No.394)によるコンピューター実験教室が行われました。決してやさしくはない内容でしたが、巧みな解説とユニークな実験キットで、子供たちもコンピューターの秘密の一端を知って満足した様子で、我々も科学技術館での実験教室の有終の美を飾りました。「え!有終の美?」と思われるでしょうが、2011年から続いた「科学技術館サイエンス友の会」での実験教室は3月末で一旦終了(サンセット)することになりました。

実験教室は今年後半から新しい形で再開(サンライズ)すると聞いています。全容は明らかではありませんが、親子教室などを含み低学年まで対象を広げ、より早い時期から科学への興味を育てることが模索されているようです。実験教室の再開に当たってはDF理科実験グループへの期待も大きく、また私たちとしても新しい形の実験教室に全面協力していきたいと思っています。

(*大先生:何人かの先生のうち、全体の進行をコントロールする中心の先生

 


コロナ下で人数を絞った実験室


コンピュータの授業風景


新しく開発して回路も加えた機器

これを機会に理科実験グループと縁の深かった科学技術館での実験教室を振り返ってみたいと思います。

理科実験グループ史」を紐解くと、科学技術館との最初の接触は2009年8月1日に守屋さんが飛び込みで訪問したことに始まるようです。その後「我々理科実験グループの思いを説明し、アドバイスを貰うため」11月には大挙16名のメンバーが科学技術館を訪問。「こんな年寄りグループが‥‥ ?と思われたのではないか」と原田さんが書き残されたのを見ると今は昔の感があります。その後の守屋さん、萩原さん、原田さんたちの地道なフォローが2011年6月の科学技術館での初めての実験教室という形で実を結びました。

初めての実験教室は山之内TL、原田ELによる「世界最大のジェット旅客機エアバスA380の紙飛行機を飛ばそう」で40名の子どもが参加。最低人数8名のところ、DFメンバーの参加者は16名(全員?)で、初めての科学技術館での実験教室がいかにメンバーにとってうれしかったかがうかがい知れます。この時「科学技術館・サイエンス友の会」担当の早武さんが参加され、それ以来DFとのメインコンタクトをして頂いています。

飛行機に続きマヨネーズ、エタノール船と2011年には早くも計3回の実験教室が実施され、その後毎年6~9回、2021年3月までに実施された実験教室は計71に上りました。参加した子供の累計は3,300名、グループ参加者は640、ほとんどのテーマが実施されています。この数字は科学技術館のDF理科実験グループへの信頼と、私たちの科学技術館での実験教室へのコミットメントを表していると言えます。

科学技術館との関係は実験教室実施に留まらず、テーマ開発段階でのアドバイスをいただいたり、開発テーマのデモンストレーションをさせてもらったり多岐にわたりました。私が「芳香剤」を開発した時には、グループ全員が参加した開発会議に早武さんにも参加をお願いし、頂いた数々の「子ども目線」での貴重なアドバイスは今のテーマにも生かされています。実験教室終了後九段下の「おかってや」での科学技術館の方々を交えた反省会は忘れられない思い出です。コロナで中断しているうちにこちらもサンセットになってしまいましたが、実験教室再開のころにはサンライズできることを期待しています。

実験教室開始から長らく科学技術館のELをされた原田さんから私は2019年にELを引き継ぎましたが、目的、実施方法などしっかりと運営している科学技術館の実験教室はとてもいい経験になりました。しばしのお休みになりますが、実験教室再開となりましたら、科学技術館と協力のもと今まで以上の実験教室を実施したいと思っています。

以上

(科学技術館担当イベントリーダー 神永 剛 記)

(2021年3月13日 掲載)

23番目の実験テーマ「浮力」が完成

来年度の出前理科実験に向けて、23番目の実験テーマ「浮力」が完成しました。

緊急事態宣言下の昨年6月に浮力のテーマ開発が始まり、10か月間を掛けて、グループの皆さんの意見、アイデアを集約した結果、子どもたちに伝えたいこと、おもしろいと感じて理科が好きになるような内容に仕上げることが出来ました。

物の重さをくらべる、水に入れて沈んでしまうもの、浮くものを観察して、そこに働く浮かせる力を調べるというストーリーを考えました。グループメンバーからはもっと面白くしたら、身近なものにするべき、比重を説明すべきなどのいろいろな意見が出ました。

また低学年用として、秤を使わないで物の重さを調べるために、天秤を作り、それで実験をすることにしましたが、・天秤を知らないのでは?・天秤を作らせるのに意味があるのか?などの意見が出て、これらを調整するのに相当な時間がかかりました。


ハイブリッドZoomでテーマ検討会

天秤で浮力を体感(画像クリック 動画)

理科実験教室 ー 浮力材料 (低学年)

重さの違いがわかる天秤、比重の異なる材料を使ったおもりなど、実験器材の製作にも多くの難題がありましたが、開発メンバーにはいろいろな知識があり、今でも機械工作をしている仲間がいます。その人たちの協力で、天秤の改良、おもりの製作ができ、素晴らしい実験機材が整いました。子どもたちに実験を説明するPPT、ワークシート、指導要領も、開発メンバーの協議、協力で安全でわかり易いものに仕上がりました。

2月25日のテーマ委員会では651スタジオからハイブリッドZoomでグループメンバーが児童役になり、実際に実験をしてもらい、完成のお墨付きをもらいました。3月22日には子供たちに実際に実験をしてもらい感想を聞くことにしておりますので、その成果は、改めて報告します。

新しい生活様式の環境下を有効に活用して、皆さんが家庭での試行錯誤を繰り返しながら、6回に亘り、Zoom会議やハイブリッドZoomで集い、実際にテストランをしながら、テーマ開発に携わった10か月は、いろいろ勉強になり、現場で出前理科実験をする責任感とは一味違った、別の緊張感のもと、本当に楽しい期間でした。

DF会員の皆様には、この楽しい理科実験にぜひ多くの人に参加していただきたいと思います。また、会員の皆さんからは、こんなことを子どもに伝えたいと言うご提案を頂ければ、大変ありがたく、メンバー一同、更なるテーマ開発に取り組みたいと思っていますので、宜しくお願いいたします。
 

以上(戸田邦男 記)

(2021年3月10日 掲載)

KSPによるハイブリッドZoom形式の理科実験授業の検討会に参加

2021年3月6日(土)、KSP(かながわサイエンスパーク)の「夏休みかわさきサイエンスチャレンジ」の開催に向けてのプレ理科実験教室と臨時運営委員会に招かれました。今回は、現状の社会環境の中で、どのような形で子どもたちに理科実験を提供できるかを検討することが目的で、KSPの主催により、Zoomによるハイブリッド授業の実証実験が行われました。

参加者はKSP役員及び担当者、県立図書館、かわさき宙と緑の科学館、県立産業技術総合研究所など自らの理科実験イベントを主催している団体と、今回の授業を担当したNPO法人ガリレオ工房でした。


(クリック拡大)

KSPの会議室には児童2名、Zoom参加は約10名で、40分授業が2回行われ、講師は対面の児童に向けて実験指導をすると同時に、Zoom経由で在宅の児童と家族にライブ映像を映しました。外付けの固定カメラを接続したホストPC、講師の手許を映すi-Padがあり、更に、在宅のゲストのモニターのためのZoom画面をプロジェクターでスクリーンに映すなど、合計PC6台が用意されていました。なお在宅参加者には事前に材料が郵送されていました。


ハイブリッド教室


複数画面制御

今回のプレ授業ではハイブリッドZoomでの講義への配慮が綿密になされており、教室と在宅のいずれから参加した子どもたちも満足した様子でした。課題は、チャットでの質問のやり取りが鍵になるため大変であることと、在宅参加者の表情や児童の手許の状況がわからないことと感じました。今回の実証実験は無料でしたが、有料にする手段なども検討の余地があります。我々DFの各種教育授業講義や講演会、セミナーに対しても、同様の体制と器材準備が必要であり、大変参考になりました。

KSPとしては、参加者皆さんの反省会の意見を参考に、社会情勢も勘案しつつ、夏のイベント開催に向けて、リアル、ハイブリッド、オンデマンドなどの検討を進めるとのことでした。


以上(丸山昭洋)