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2016年6月23日 掲載)

DFガバナンス部会 第10クール 小研究会 研究成果発表会

昨(2014)年11月以来、2つの小研究会グループは、白熱した議論・研究を重ね、その研究成果を多くの出席者のもとで発表を行うことができました。厳しい質問に激励的な発言も加わり、活発な意見交換となりました。また、多くの出席者から、時宣をえたタイムリーなテーマであり、実務に役立つ具体的な提言であった等の好評を頂きました。

  • 開催日時:平成27年6月5日(金)午後3時〜5時半
  • 場  所:日本財団 会議室
  • テーマ1:「コーポレートガバナンスのあり方を考える」
    小研究会①グループ リーダー 橋本 健 他メンバー6人
  • テーマ2:「企業のリスクマネジメント-社外役員が果たすべき役割は何か?(提言)」
    小研究会②グループ リーダー 平井 隆一 他メンバー7人

【要 旨】

テーマ1.「コーポレートガバナンスのあり方を考える」

企業ガバナンス強化のために、「コーポレートガバナンスコード」(CGC)が6月1日より発効しました。本グループは、CGC項目73個の中から、押さえておくべき17項目をキーワードとして抽出し、「チェックシート」を作成しました。これは、CGC導入検討時の、各企業のチェック・評価用として活用期待として作成したものです。

この17項目のキーワードから、さらに、重要項目4個を選び出し、その背景・考え方、目的と具体的内容、長所と短所等を深堀りし、社外取締役・監査役の目線によるチェックポイント・留意点等を「行動指針」として整理しました。

  1. 情報開示(原則3-1)
  2. 後継者計画(原則4-1)
  3. 取締役会評価(原則4-11)
  4. 資本効率目標(原則5-2)

この中の〈b〉後継者計画では、選考プロセスの見える化と同時に、育成・研修プランが重要であり、それには資質・知識・経験の習得などの研修プランが含まれ、有効に機能していることを監視することが肝要としています。

なお、CGCの有識者会議で議論された原案に対して、実務経験に基づく「パブリックコメント」を2015年1月23日に金融庁に提出しております。

結びとして、CGC原則全てを実施しなくてはならないのではなく、CGC原則を、各企業の固有の判断軸により、実施の可否を個別に判断してゆくべきとしています。実施しない原則については、「エクスプレイン」する中で、企業各社が長年築き上げた独自の個性や強み等をいかに入れて表現していくが不可欠です。なお、この「行動指針」を、CGC項目実施検討作業を適正かつ効率的に行うために活用頂きたい。

テーマ1「詳細レポート」は以下をご覧ください。

テーマ2.「企業のリスクマネジメント  社外役員が果たすべき役割は何か?(提言)」

本グループは、最近の事故・失敗事例を見ると、以前はなかった重大な事象が繰り返し起こっている。この真の原因は、企業の組織や文化にあるとの考察から、リスクを未然に防ぐために、今後増加する社外役員は何をすべきについて明らかしました。

企業のリスクマネジメントについて次の4領域の事例研究を第3者委員会報告書ベースに行い、各事例に共通する背景と重要課題を考察しました。

  1. 石油化学工業
  2. 建設業
  3. 鉄道事業
  4. 飲食業

この中で、「伝統的なリスクファクター」より「現代的なリスクファクター」を特に留意すべき企業リスクファクターと考え、企業文化及び組織の変容によるリスクと広義のレピュテーションリスクが重要と位置付けました。この重要性を念頭に置いて、5つの項目で社外役員が果たすべき役割と助言を示しました。

a.経営トップ 社長の経営方針は適切か?状況次第で、社長の背中を押す事も要
b.組織 安全無事故を第一の理念として共有?
過度なコスト削減の業務品質への影響?
c.業務プロセス 環境変化に対して自社マニュアルが旧態依然か?
非定常時対応のリスクアセスメント、暗黙知伝承としての「カン・コツ マニュアル」の作成も要
d.人事制度 労働環境改善が、労務管理体制に具体的に取組みされているか?
e.有事対応 事故発生時には、企業理念に則した対応策を全社一丸・迅速に実施?
第3者委員会はメンバー選任とその提言実行状況の監視が要
テーマ2「詳細レポート」は以下をご覧ください。

以上