( 2012年4月17日 )

DF監査役部会第7クール - 第7回研修会

監査役部会第7クールの第7回研修会が、次の通り開催されました。

講師
  • 開催日時:平成24年4月10日(火)午後3時~5時
  • 場  所:学士会館203号室
  • テ - マ:株主代表訴訟と取締役の経営判断
      
    監査役の立場に着目し  
  • 講  師:トヨタ自動車株式会社法務部 名古屋大学客員教授
    日本大学法科大学院講師 波江野 弘 先生
  • 参加人員:55名

【講演概要】

過去は蛇目ミシン・大和銀行・ダスキン事件また最近では提訴ベースで日本航空・東京電力など巨額な株主代表訴訟が提起され取締役・監査役に強烈なインパクトを与えている。重要なのは取締役が適切な経営判断をし、かつ必要なステップを踏めるかということである。

【講演要旨】

1.代表訴訟の構図

  • 取締役の経営判断は善管注意義務 忠実義務をベースとしなければならない。
  • このことを怠ると代表訴訟となった場合敗訴する可能性が高い。

2.代表訴訟の5つのパターンとその事例

  1. 馴れ合い型(取締役の、会社に対する債務を放置)-大阪観光
  2. 社内不祥事放置型-大和銀行
  3. 不知・誤解型(会社のために)-日立官製談合・神戸製鋼所
  4. 読み違え型(時代の背景の変化)-蛇の目ミシン・ダスキン
  5. 会社方針・経営判断非難型-アパマンショップ・証券会社の損失補填

3.会社として対処すべきこと

  • 5つのパターンを想定して事前に対処しておくべき必要な措置は下記
  1. リスク管理体制、モニタリング体制の構築・維持
  2. 情報管理体制・コミュニケーションの維持
  3. 経営トップと監査役をメンバーとする常設会議体の設置及び定期的開催

4.代表訴訟を想定して、会社が取締役に対する損害賠償を積極的に請求する事件が発生している

  • 三菱自動車ー日興コーディアルー西松建設ーオリンパス(提訴)

豊富な事例で代表訴訟の内容と判決の解説をしていただき、取締役は適切な経営判断を行うことが如何に重要であるかを丁寧に説明された。また提訴された場合の対応もご説明いただき、大変示唆に富んだ講義でした。

 

以上