第3回DFエコ基礎講座
「生物多様性とは」
日本自然保護協会会理事の村杉幸子さん(写真)を講師にお招きし、「ディレクトフォース環境部会・環境学習分科会」の主催、「エコピープル支援協議会」の後援で、第3回DFエコ基礎講座「生物多様性とは」が、10月27日開催されました。当日の会場は深田地質研究所研修ホールで、50名方々が参加され盛況のうちに講座が行われました。
主な内容は次の通りです。
[講演内容]
1.生命を育む星,地球で起こったこと
- 地球誕生から46億年の歴史を地球カレンダー1年に置き換えてみる。
- 1月1日地球誕生のときの大気は「水蒸気」「二酸化炭素」「窒素」「硫化水素」などで「酸素」はなかった。
- 紫外線を受けて放電・熱水により化学進化し核酸・アミノ酸が生成され,40億年前(2月16日)に生命の誕生を迎えた。
生命の誕生には
- 地球の大きさがほどほどであったこと
- 太陽からの距離がほどほどであったこと
- 大気や海の存在
などの偶然が重なったことを忘れてはならない。
- 最初は酸素がなくても良い「嫌気呼吸生物」が生まれ,続いて「光合成生物」が生まれ,大気中に酸素が増えることで「好気呼吸生物」が誕生,オゾン層が形成され紫外線を吸収してくれることによって生物は陸上に上陸することが出来た。(11月15日)
- 大型は虫類の繁栄(12月11日)の時代を経て,人類の誕生は12月31日の午後8時30分であり,人類は地球の新参者である。
- 農業革命,産業革命,技術革新を経て,人口は急増し,今地球規模での環境問題が引き起こっている。
- 村杉講師からは,「人類は地球の新参者であるのに,我が物顔でのさばってはいないか」との指摘があった。
2.生態系とは
- 生態系とは「生物同志のつながりで成り立つ全体のまとまり」であり「生物が生存する上での大切な仕組み」であり「人間の生存基盤」である。
- 色々な生態系があって生物は生存でき,地球は守られる。
- 食物連鎖そして持続的な物質循環があって生態系は維持されている。
3.3つの生物多様性
- 種類の多様性
分かっているだけでも174万種,わからないものも含めるとおそらく3,000万種が生存している
- 生態系の多様性
- 都会と奥山の間の「里山」が大事
- 里山のモザイク(色々な生活環境)が種類の生態系を支えている
- 遺伝子の多様性
- イネは戦前4,000種あったが現在はブランド米を沢山作ることで88種に減っている
- もう一つの切り口として生態系サービス(人間が生態系から得る利益)がある。
例:水循環などの「基盤的サービス」,衣食住・飲料水・燃料などの「供給サービス」,気候・災害の制御などの「調整サービス」,祭事・観光・癒しなどの「文化的サービス」
- 講師は,我々にはこの「生態系サービス」をこれ以上落とさずに次の世代に引き継ぐ義務があることを指摘。
4.生物多様性の危機
- 生物種の絶滅スピードが加速している
- 恐竜時代 0.001種/年、1900年に 1種/年であった速度が、現在40,000種/年と加速している。
- 危機の要因
- 開発による土地の改変
- 大量捕獲、過剰利用 ・生活様式,生態系管理の変化
- 地球温暖化による気候変動
- 侵略的外来種の存在
5.第10回生物多様性締結国会議
- 暮らしや経済に欠かせない自然の恵みをもたらす生物多様性の保全
- 生物多様性を織り成す構成要素の持続可能な利用
- 遺伝資源から得られる利益の公正・公平な配分
6.最後に講師から
生物多様性を守るためにあなたは何が出来るか(生活者,企業人,NPOとして)を考えて欲しいと問いかけがあった。
7.質疑
- 里山が外国で取り入れられないのは?
→国土と地形の違いもあるが,キリスト教世界では生き物と共生という文化はないことも大きな理由ではないか
- 外的と戦っている人たちにとって共生をどのように考えたらよいか?
→難しい課題。どうして行くかを皆で考えていくことが必要ではないか
- 日本の動植物で外国に影響を与えている例は(外来種問題として)?
→葛/アメリカで問題に,すいかずら/ニュージーランドで問題に
以上
(文責:神山 利)