(12/10/25)
第1回 環境とエネルギー シリーズセミナー 講演録
「 環境とエネルギー問題を考える」
地球温暖化とエネルギー問題の最新状況
環境部会は今年後半の<環境とエネルギー>の4回シリーズセミナーの第1回として、掲題のセミナーを以下の通り開催しました。
- 開催日:2012/10/16(14:30 ~ 16:30)
- 会 場:東京ウィメンズプラザ
- テーマ:「環境とエネルギー問題を考える」
地球温暖化とエネルギー問題の最新状況
- 講 師:加藤三郎氏「NPO法人環境文明21共同代表」
- 参加者:50人
- 主 催:環境部会・新学習分科会(セミナー企画グループ)
- 講演内容
エネルギーと環境問題の流れを概観した後、(1950年代タンカーによる海洋汚染、酸性雨等の地球規模の環境問題出現から1972年最初の国連人間環境会議開催)この問題に関わる主要争点として温暖化対策と経済成長は、トレード・オフの関係か?(温暖化の脅威を重大と考えるか、経済成長重視かにより見方が分かれる)先進国と途上国の利害の差は埋められないか?(埋めるのは殆ど困難)等説明、また、温暖化の懐疑論も紹介(科学的な懐疑論から一部財界の見方迄;これらは全て反論されているとのこと)。
次いで、原子力発電の有効性論争として、他の電源と比べ安価であるか?セキュリテイは?放射性廃棄物の始末は?といった論点で興味深い見方を指摘。(講師は、原発は使用済み核燃料の処理に行き詰まるので限界あり、との姿勢)最後に、温暖化問題が<時間切れ>にならぬ前にすべきこととして、
- 省エネの強力な推進(効率の良い製品に対するエコポイントなど)
- 再生可能エネルギーの徹底活用
- 抜本対策用の財源の創出
- 持続可能なエネルギー・環境対策推進のための国際的研究センターの創設
の4点を力説。
- 質疑応答
- <時間切れ>の意味を問われ、温暖化がますます悪化して10年単位で億単位の人が死んでいくような状況と説明。
- 2030年頃、省エネが20-30%可能で、原子力分を代替しうるとの点を含め2030年の世界がよくわからないなどの質問やコメントに対し、世界全体では、途上国も化石燃料から再生エネルギーに転換していくことや省エネも広まることなどが2030年頃の姿と考えられると応答。
- 原子力発電は安価か?という点での議論などがあって、大いに盛況なセミナーとなった。
以上