(2014年1月20日 )
結局2020年までの削減目標の積み増しについては成果は得られなかった
確信度が高まり95%以上に。
自然の変動幅の中で現在は海水の吸収が卓越な状態なのでここ10年位温度上昇が無かったと説明。
従って産業革命当時から2℃上昇に抑えるならば、あと300ギガトンしか排出できない。我々は毎年30ギガトン排出しているので30年分しか無い。30年の間に世界の排出量を0にしないと気温上昇は2℃を越えてしまう。2℃を超えるとどのような影響が出るかは3月に発表されるが、グリーンランドの氷床が既に解け始めているので海面上昇も含めて北半球は大きな影響を受けるだろう。
Q1:ワーキンググループ3が出す報告書は人間の価値観や生き様にも関係すると思うがマスコミの方々はどのように考えていますか?
A1:WG3がどのような報告をするかは把握していないが、今の生活を切り詰めろとか我慢しろということを要求してもそれは国民全体のコンセンサスは得られないと思うし、途上国からは先進国だけが豊かになって途上国の人間は我慢しろと言っているようにとられるので理解が得られない。この問題を突き詰めると究極の所得の再配分の問題となるが、民主主義の国ではそのような政策を掲げても絶対に当選できない。従って、我々一般国民の生活レベルをあるレベル以下に落とさないで出来ることは「節約」「省エネ」「効率化」など少ない資源でより多くの社会的効用を得るような社会づくりが大事で、日本人の「もったいない精神」は大昔から培われた世界でも誇り得るすぐれた文化だと思うし、世界に貢献できるのではないかと思う。
Q2:先進国は資金援助を求められているとの事だったが、どのような基準で金額が決められるのか?日本が出している資金の額は基準に照らして適正なのか?
A2:今回日本は1000億円位の資金援助をするといったが、この資金がODAの純増額なのかどうかがはっきり分からない。他国はこのような大金を出すと言っていないので突出した金額ではあるが、実は毎年拠出している巨額のODA資金の内訳費目を変えてこの部分がその1000億円ですよと言えばこのために懐は痛まずに拠出したことになる。今回日本は二酸化炭素排出量の目標値を大幅に後退させたのでそれに対する埋め合わせとしてお金を出すと約束したとも言える。
A2:先進国の資金負担割合については今まで何も話し合われていないし決まっていない。
先進国は援助した資金の使途については詳らかにしてほしいと要求するが途上国側は資金の使い道についてとやかく言われたくない。自由に使いたいという思いがありなかなか噛み合わない。
Q3:気候変動と生物多様性はどのように関連しているのですか
A3:交渉の進め方の上では全く無関係と言える。生物多様性側は気候変動側を意識している。何故なら多様性を失わせる原因に温暖化があるので温暖化防止を何とかして欲しいと願っているから。気候変動交渉で生物多様性の話題が出たことは無いし2℃上昇を認めるということは既に生物多様性がかなりダメージを受けることを止むを得ないこととしてとらえているのではないか。
Q4:温暖化防止には技術開発が不可欠だと思うが技術の話が欠落しているように見える
A4:確かに気候変動交渉では技術の話は出ていない。2020年はあと数年だが、2050年、2100年を語るには抜本的な技術開発は欠かせない。国ごとに考えているかもしれないがCOPでは出ていない。
以上