2013年10月 総会 講演・交流会
テーマ:どうなる日本!今後の政治経済の行方
講 師:岩田 公雄 氏 讀賣テレビ放送報道局特別解説委員(前解説委員長)

10月の講演・交流会は10月15日学士会館で会員約150名が参加して、第24回会員総会と同時に開催されました。
講師はTVや新聞などのメディアでお馴染みの岩田公雄氏(讀賣テレビ放送報道局特別解説委員)で、「どうなる日本!今後の政治経済の行方」というタイトルで講演いただきました。
記者になり最初に配属された暴力団事件取材から修羅場に強いと評価され、数々の時代を代表する事件現場に派遣されることになったそうです。その生々しい様子を岩田氏自ら撮影した映像も含むビデオも放映して、体験談、自らの分析を語り、時代の一面を切り取るお話でした。最も印象に残る事件として「天安門事件」と「北朝鮮訪問」の2件を挙げられました。前者は、兵士たちが同じ国民に銃を水平に向けて制圧する姿を眼前に見て愕然とし、飛び交う銃弾で自らの死も感じる戦慄を覚えたこと。後者は、事前に絶対触れてはいけないと念を押されていた大韓航空機爆破事件について思わず質問した時、相手が憤怒を抑えきれない態度に急変し、最悪銃殺、長期拘留は避けられないのではないかと感じ「しまった。言うのではなかった」という悔恨の思いがこみ上げたと回顧されていたことが印象的でした。
今後の日本の政治経済の行方についても講演されました。安倍首相に触れた人々が、前回の時と比べ「ずいぶん変わりましたね」と言うように、個人および環境が変化して独り勝ちの様相を呈してきた。長期政権が続くと思われるが、調子に乗った決定をする恐れもある。メディアとして厳しい目でチェック機能を働かせていきたいと結ばれました。
岩田氏は懇親会にも最後まで出席され、絶えず笑みを絶やすことなく、丁寧に質問に答えていただきました。
次に、講演の前に岩田氏から受領した「日本政治経済の動静2013年10月」という資料を転載いたします。ポイントが箇条書きされていますので政治経済の動静が理解し易いと思います。岩田氏が経験された事件のリポート集項目表、DFが撮影した講演のビデオと併せてご覧下さい。
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岩田氏のビデオ(約15分=抄録) |
講師の読売テレビ報道局 特別解説委員岩田公男氏
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講師の岩田公男氏を紹介された、乾杯の挨拶
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講師の岩田公男氏を囲んで歓談するみなさん
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講師の岩田公男氏を囲んで歓談するみなさん
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講師の岩田公男氏を囲んで歓談するみなさん
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総会後行われた講演会の講師、岩田公男氏と、懇親会で氏を囲んで歓談するみなさん |
日本政治経済の動静2013年10月
- 10月1日安倍首相日銀短観受け来年4月8%上げ正式表明
- 「経済再生と財政健全化は両立し得る」
- 企業法人税減税五兆円規模の経済対策
- 低所得者への現金給付
- 住宅給付者への「住まい給付金」(最大30万円)
- 中小企業への投資補助金
- 復興・防災対策の加速
- 東京五輪の対策事業
- 老若女性向け対策の拡充
- 復興特別法人税の一年前倒し廃止?(12月に結論)
- 給与増額企業への、増額分10%の法人税減税
- 過去竹下、橋本、細川(国民福祉税構想7%断念)、野田首相
- 1人勝ちの安倍首相だからできた消費税増税
- 1997年の橋本政権3%〜5%で景気悪化と異なる今回の判断
- アジア通貨危機の発生→今回通再来は考えにくい
- 国内金融システム不安→国内の金融機関の財務状況は健全
- 政策対応の失敗→
今後
- 米国経済の拡大
- 復興需要の継続と大型予算の編成
- 日銀の大胆な金融緩和を受けた円安・株高の進行による景気拡大
- 株高に伴う消費マインドの回復
★4つのリスク要因
- 新興国市場の動揺
- 中国の「シャドーバンキング」問題
- 「欧州ソブリン危機」の再燃
- 地政学的リスクを背景とする原油価格の高騰
- 第2次安倍政権の強さ
- 無敵の背景に支持率
- 盤石にした東京五輪誘致成功
- 学んだ第一次安倍政権の失敗「浪人中多くの声を聴き学んだ」
- お友達人事、拙速な「戦後レジュームからの脱却」の実現
- 閣僚のスキャンダル、失言がない(菅官房長官の存在)
- 中長期を展望する政治環境(選挙のない政治環境)小泉超えも!
- もはや党内に敵なし障害は「経済」と「安倍氏の健康状態」のみ
- 麻生氏も数年は待てない、石破氏は幹事長塩漬け状態
石破氏「出戻り批判」を払拭できるか
- と、小泉進次郎氏の政務官就任「将来の総理の器か」
- 極めて薄い野党の存在感
- いまや共産党にも抜かれた?支持率解党寸前の状態分裂含み
- かつて2009年8月の自民党も茫然自失だった
麻生氏「これじゃ6年、8年は政権に戻れない」
- 「日本維新の会」の低落傾向堺市長選挙の敗北
内実は「関ヶ原の戦い」東京と大阪の温度差どうなる今後
- 集団的自衛権を巡る「自公連立の危うさ」山口代表に助言
- みんなの党の渡辺純化路線は田中真紀子に類似か
- 参議院3分の2の162安倍首相の相手は?
- 順風満帆安倍首相に不安要素はあるのか?
- 最大の懸念 福島原子力発電所の汚染水対策と廃炉に向けての
工程表の作成と実現の可否
(2020年から溶融した炉心の取り出し)
- TPP参加問題抵抗勢力をねじ伏せる
- 経済動向
アメリカ政府の機能一部停止状態17年ぶり予算案成立期限切れ
金融緩和路線から規制路線へ
- 消費税導入の景気へ悪影響は経済対策の導入でカバーできるのか
- 円安、株高は来年度も続くのか
100円から105円株価は16000円超え18000円も視野
- 中国経済は持ち直しの気配
- 経済対策と更なる成長戦略で大企業の業績回復、春の春闘でのベースアップの拡大が景況感、消費マインドは広がる。ただし地方、中小企業への波及は半年一年かかるが着実に広がる。
- 課題は対中国、韓国との冷却関係の改善
- 尖閣を巡る日中間の対立は、一瞬の握手から希望の光が見えるのか?
- 韓国のリ・クネ大統領の対日強硬姿勢は軟化するのか。
- 安倍首相の悲願「戦後レジュームからの脱却」
- 憲法改正、集団的自衛権、国防軍
- 集団的自衛権の現実と公明党の慎重姿勢
- 日本は本当に甦るのか?
- 2012年12月14日民主党政権最後9737円56銭
2013年5月22日1万5627円26銭(円レート103円)
(翌23日1143円暴落)
- 2012年6月ブラジルリオ+20
「国連持続可能な開発会議」包括的な富の報告書(豊かさの指標)
- 人口、教育、技術(長寿、女性86歳、男性79歳)
- 自然(土地、森林,鉱物)
- 物的なもの(機械、建物、インフラ)
- 「日本の豊かさの基盤が、人的資本の蓄積にあることを改めて確認させてくれた。他方で、過去の蓄積に大きく依存。(人的資本の育成必要)
- 日本の可能性(人的底力)
2050年世界の人口70億〜90億へ
① 中国 ② アメリカ ③ インド ④ 日本(ブラジル)⑤ メキシコ ⑥ ロシア ⑦ インドネシア ⑧ 日本(?)
- GDP(国内総生産)至上主義からCNI(国民総所得)へ
海外移転のドーナツ化を憂うだけではなく国内外の資本の集積を見よ
- 明治維新、戦後の復興から東京オリンピック、大阪万博、経済大国へ
- 陽はまた昇る
- ジャパン・バッシング
- ジャパン・パッシング
- ジャパン・ナッシング
- ジャパン・ミッシング
そして再び
- ジャパン・ライジング(陽はまた昇る)
金融経済の流れ
1979年 |
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「ジャパン・アズ・ナンバーワン」 |
1985年 |
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プラザ合意 |
1995年 |
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事実上のゼロ金利政策(阪神淡路大震災・地下鉄サリン) |
1990年 |
代は |
「失われた15年」の始まり
(戦後日本の政治経済のモデル崩壊) |
1993年 |
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細川連立政権(これから17年で13人の首相就任) |
1994年 |
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自社さ連立村山政権誕生 |
1997年
98年 |
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〜金融危機 |
2000年 |
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ITバブル崩壊 |
2005年 |
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小泉郵政選挙 |
2008年 |
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オバマ大統領就任(YES,WECAN) |
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●9月15日リーマンブラザーズの破たん(負債64兆円) |
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米国の双子の赤字貿易赤字+財政赤字 |
○2009年 |
民主党政権誕生 |
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●EUのPIIGS問題(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)
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金融財政部門の赤字の改善が自国のみでできない国々 |
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●中国の元安維持路線(拡大する貿易黒字、蓄積される富が、中国の経済力、発言力の源) |
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●日本の企業や家計は、バランス的にはまだ余力がある。⇒内部留保、貯蓄
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総合特区クリーンエネルギーの開発投資支援
イノベーションを推進する産業政策 |
○2011年 |
(平成23年)3月11日東日本大震災 |
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★ |
復興計画、新エネルギー等の産業政策、金融証券市場政策、都市政策、地域振興政策、 |
○ |
「失われた20年を挽回する意気込み」 |
◎ |
2020年の東京オリンピック開催に向けて「日本の再生を!」 |
リポート集 項目表
- 中国・天安門事件
- 北朝鮮リポート
- 中東ゴラン高原PKO取材
- アフガン国境・カイバル峠取材
- エルサレム取材
- ルワンダ自衛隊難民救助隊取材
- アンサン・スーチー女子 単独会見
- ペルー大使公邸人質事件
- 総選挙4候補
- NY多発テロ取材
- アメリカ大統領選取材
- 東日本大震災 1年後の現場
- 蓮池薫さん取材
- オスプレイ体験試乗
- 東京マラソン 完走しました!
以上