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ワイン同好会

世話役 石井 勝巳(2019年版)

info_ワイン同好会
矢印

2020年2月20日 更新

目 次

通算回数 テーマ / イベント名 実施日
第74回 ボルドーワイン特選 12月5日(木)
プチワイン会 トスカーナワイン特選 10月31日(木)
第73回 カリフォルニアワイン特選 9月5日(木)
プチワイン会 イタリアワイン特選 8月1日(水)
第72回 豪州/ニュージーランド(NZL)を往く 6月19日(水)
プチワイン会 伊ピエモンテワイン 5月7日(火)
第71回 春のフランスワインとフランス料理 3月26日(火)

2019年10月5日 掲載

wineGlass 第74回ワイン同好会例会DFWC 2019年12月)

  • 日 時:2019年12月5日(木)17:30~20:30
  • 場 所:椿山荘「ポプラルーム」
  • テーマ:「ボルドーワイン特選」
  • メニュー/ワインリスト

 

74回を数える本年最後の例会は、恒例により椿山荘ポプラルームで行われた。

(クリック拡大=PDF)
ワイン例会
ワインマップ

参加者は24名と、慌ただしい年末の会合にしては多数に上った。

この度、ワイン輸入商社で東京三田にレストランも運営する(株)シュヴァリエの太田専務が特別参加、珍しいヌーヴォーワインを提供して頂いた。来年5月頃、同レストランにて少人数による「プチ・ワイン会」を開催する計画が浮上している。

初めての試みとして、メニューからデザートを割愛して、その分の予算をチーズに振り向けた。これに椿山荘が見事に応えて素晴らしいチーズ・ディッシュを提供、メンバーから大好評を博した。

 

例会も回を重ねる毎にワインに精通したメンバーが増えて、この度数人から感想文及び報告を頂戴したので以下に紹介致したい。

【伊東幸子さん】

伊東さんは東工大特任教授で、DFWC例会及びDFPW(プチ・ワイン会)とも大変ご熱心に参加され、数少ない女性メンバーの中で頼もしい存在感を発揮されている。

ワイン及び料理とのマリアージュに関する知識もめきめきと深まりつつあるように見受けた。


昨日(12月5日)も大変おいしく・楽しい会に参加させていただき誠にありがとうございました。

昨日はワインもさりながらメニューの組み立て方が私にはとても斬新に感じられました。

メインに濃厚な味付けの手長エビを持って来て、濃い赤ワインを合わせ赤ワインが残っているところで、その後のチーズをさらにたっぷりとそのフィナーレに合わせて、前菜からお肉までは軽めに‥‥ というメニューの組み立ては、今まで経験したことがなく、おなかがいっぱいにならないのに満足度が高くさすが、こういう組み立てもあり得るのかと大変勉強になりました。

ワインの組み合わせ、お料理の組み立てまさに自在・自由を感じました。

ワインは柔らかなタンニンの GAZIN とフルーティーな Chateau Coutet を私も購入したいと思いました。

今年は、おかげさまで、この会に参加させていただけたことが私の1年の中で一番ぐらいに大変有難い話で、次の例会を楽しみにするようになりました。

不勉強で何もわかっておりませんのでご迷惑をおかけしますが、引き続きご教示を頂戴したくどうぞよろしくお願い申し上げます。

【濱本龍彦さん】「ワインエキスパート資格取得奮闘記

濱本さんがこの度難関のワインエキスパート試験を突破、念願の資格を取得された。

メンバーの中にエキスパートが加わることは実に心強く、今後末長くご指導願う次第である。


1.七里さん他界の件

10月の新聞記事で元サントリーのワイン事業部長で、DFワイン会でお世話になった七里さんが他界されたことを知りました。

今回のワイン会に供されたChateau Lagrangeのワインに七里さんも関わられただろうと思いながら、ご冥福をお祈りし、頂きました。

筆者コメント

七里さんは戸成さん共々2006年DFWC発足の功労者である。ワインに関する勉強会、例会時のワインセレクション、レクチャーなどに長く活躍、貢献された。筆者は、2010年にボルドーの Chateau Lagrange を訪問したが、その折に同氏から紹介の労に預かった。1983年、サントリーが当該のシャトーを買収の折には、本邦側での後方支援の役割りを担った。
霊安らかなれと謹んでお祈り致したい。

2.ワインエキスパート資格取得の件

ワインをよく飲んでいながらワインのことを断片的にしか知らない、もう少し体系的にワインを理解したい、と思うようになったのが5年くらい前でした。日本ソムリエ協会にワインエキスパート資格の認定試験があるというので挑戦しました。1次試験はワインの知識を試すもので、協会から送られた586ページの「協会教本」には葡萄種類、ワインの醸造、世界各地のワイン、各国のワイン格付け制度、味覚・香り・味わいなどテイスティングの基本事項、ワイン以外の酒など膨大な情報が含まれていました。これで学び、2016年9月に雅叙園で受験し合格しました。

2次試験はテイスティングのテストで1次試験合格から3年間は受験できることになっていました。体系的なワイン知識は身につけたので目的は達したと考えていたので2次試験のことは余り頭になく、また周囲の多くの方からは、味覚を含め五感も衰え年齢的にテイスティングの受験は無理だよ、と言われ、そうだよなと自分でも納得していました。
しかし、受験できる最後の年となった今年初め、チャレンジしようと決め自分なりにテイスティングに関わることを徹底的に整理しました。自宅での毎日のワイン、レストランでのワイン、DFをはじめワイン会でのワインなども自分なりに十分に観察し、香りを確かめ、味わう、評価するということを続けてきました。

そして10月、ホテル・ニューオータニでの2次試験(テイスティング)を受け、幸いにも合格して、ワインエキスパート資格の登録がされました。なお、ソムリエ資格は、これに3次試験としてサービス実技評価がありますが、職業経験なしには受験できません。
ワインエキスパートの受験者は30-40歳代のワインに関わる職業の方が多いようです。
私が違っているのは、最年長(あるいはそれに近い)であることと、多くの方はワインスクールで学ぶようですが、全くの独学であることです。「協会教本」以外は書店で見つけた2冊の本だけでした。

これからもワインを楽しく味わいたいと思っています。

【今井智之さん】

今井さんから頂戴した原文を切り貼りして、「開宴前の懇談」以下に構成した。


今回は久しぶりにフランス産ワインのセレクションで、ワインの本道に戻ったような感じでした。今、世界中で美味しいワインが競って造られていることは重々承知していますが、フランス産の違いは、まともなワインを選ぶ限り、品格がありエレガントな味わいがあることでしょう。今回選ばれたワインは全てその範疇に入り本領を発揮していると受け止めました。以下に、H.ジョンソン(以下HJ)の基準(満点★★)を真似て、筆者の個人的評価を試みました。

さて、今回の料理ですが、高価なアンビエンテでの食事会にしては料理代が安過ぎますから、シェフはいつも食材に苦心しているのでしょう。しかし、冷たいものは冷たく、温かいものは暖かく、グレイヴィーやソースはその味と状態に十分に配慮するとよいでしょう。最近、多くのレストランでミシェラン星を狙ってか、皿の盛り付けに気を配り過ぎ、まるでピカソかマチスの絵のような仕上がりを狙っている気配が伺われます。その結果、料理は冷め、グレイヴィーやソースが乾いてしまいます。客は、料理を食しに来るのであって、盛り付けの美しさを見に来るのではないと思うのです。

最後に石井さんが冒頭のお話しの途中で、私に聞かれたことですが、難聴のため聞き取れなかったので、あとで同席の方に聞き質したところ、ボルドーに泡ものがあるかということでした。クレマン ド ボルドーは確かにあります。因みに CUVEE ROYALE CREMANT DE BORDEAUX BRUT というのがあります。造手はジャン・ルイ・バラランで葡萄品種はセミヨン(60%)ミュスカデル(30%)ソーヴィニヨンブラン(10%)で低価格でもよさそうで。他にもルイ・ヴァロン・クレマン・ド・ボルドー・ブリュットやラテイロン・クレマン・ド・ボルドーなどがあります。

2019.12.9(今井智之 記)

開宴前の懇談

左から「豪華なカナッペ」発泡ワイン「Beaujolais Nouveau Selection Chevalier 2019」
「シャンパーニュ Henri Giraud Espri Nature Brut」
カナッペをつまみに発泡ワインで歓談

開宴に先立って立ちながら飲む恒例の懇談の場においては、ゲスト参加の(株)シュヴァリエの太田専務から特別に提供されたヌーヴォーワイン(シュヴァリエ社の特注品)とシャンパーニュ「アンリ・ジロー」を飲みながら、いつもながら好評のカナッペをつまんだ。

シャンパーニュについては、MさんからBrutらしく、すっきり味と好評。

✎ 今井さんのコメント

今井さんからは、「カナッペはいつもと変わらず大変素晴らしかったです。アンリ・ジローの名はあまり知られてないようですが、素晴らしいシャンパンでした(★★★)。敢えて注文を付けるなら、(筆者が嫌う表現)“飲み易く”飲み過ぎてしまいそうなワインです」 ―――との評価。

宴の始まり

左から、代表幹事挨拶とワイン・レクチャー、 今井さんのご高説とレクチャーを聴くみなさん

オードブル2種

左から「鮟鱇と白子、マッシュルームのサラダ」白ワイン「Clos Floridene 2016」

オードブルの第一弾は鮟鱇と白子のサラダという珍しい取り合わせ。これには、ボルドー・ブランの代表格「クロ・フロリデーヌ」を合わせた。

白ワインでも熟成は肝腎であり、飲み頃は2024年と言われているので、更に5年後にはソーヴィニヨン・ブランの本領を発揮した味わいが期待できるであろう。

✎ 今井さんのコメント

「オードブルが2品続けたのはワインに合わせるためでしょうか、鮟鱇と白子のサラダは、味わいが意外とあっさりしてワインとのマリアージュの度合いは記憶にありません。クロ・フロリデーヌは、ソーヴィニョンとセミヨンの混合で、ボルドーで珍しくもありません。結構な値段を付けていますが、失望感が漂いました。HJ★★(筆者も★★としました)」

左から「冷製ローストビーフと野菜のマリネ」
赤ワイン「Chateau Lafleur Gazin 2016」


✎ 今井さんのコメント

「冷製ローストビーフの肉の味がとてもよかったです。"シャトー・ラフルール・ガザン"を大いに引き立てました。ギリシャ風野菜のマリネは‘今一“でした。今回一番期待をしていたのは、"シャトー・ラフルール・ガザン"で、ペトリュスと同じオーナーであるJ.P.ムエックスだからです。コスパのよいワインを選んだのではという期待です。ラフルールはHJ★★、ガザンはHJ★★で格段の差がありますが(筆者は★★)、些か失望感がありましたのは、飲むのが早すぎたからでしょう。ポムロールの2016年ヴィンテージはパーカーポイント97Tで、TとはStill tannic , youthful, or slow to mature ですから、正に未熟成で最高のワインということです」

魚料理

左から「手長海老のパン粉焼」 赤ワイン”Chateau Lagrange 2015”

✎ 今井さんのコメント

今井さんは、「シャトー・ラグランジュはサントリーの巧みな宣伝効果により我国でよく知られている造り手で、HJ★★シャトー。2015ヴィンテージのサン ジュリアンはPP95Tですから、これも未熟成ですが、大変美味しく頂きました(筆者評価★★)。リーゾナブルな市価ですから、買って5-10年後に飲むとよいでしょう。順調に熟成してゆけば市価が吊り上がりましょう」と高い評価。

今井さんは海老料理について、「手長海老のパン粉焼きは、食材の問題もあろうかと思いますが、パン粉を塗し油で揚げるという料理にしては軽すぎて、赤ワインのお供には些か違和感を覚えました」と辛口のコメント。

チーズ

左から「豪華なチーズ盛り合わせ」 シャンパーニュ”Pol Roger Brut Reserve 
”甘口ワイン”Chateau Coutet 2006”

今回は初めての試みとして、デザートを割愛して4種のチーズをシャンパーニュと甘口ワインに合わせたところ、参加メンバーから異口同音に好評を博した。

シャンパーニュ「ポル・ロジェ」は歴史ある名門の造り手で、英国王室御用達。WA92点の高得点を獲得。貴腐ワイン「シャトー・クーテ」は、ソーテルヌ格付け第一級の実力派で、特に甘/辛の組み合わせでゴルゴンゾーラとの相性が良かった。

✎ 今井さんのコメント

今井さんは、「もう1本のシャンパン"ポル・ロジェ"はHJ★★で(筆者も★★)、立派なチーズに合わせた大変素晴らしいワインでした。また、チーズの盛り合わせは圧巻でした。欧州では常識的でも日本のレストランでは滅多に、というより殆ど見られない品質と量でした。溶け出ていたクリームチーズは素晴らしかったです。ポル ロジェに加えシャトー クーテとのマリアージュは最高でした。しかし、これほどのチーズデザートは、日本では不慣れな人が多いせいか”そう頻繁には頂くものではない“という声を耳にしました」――― と絶賛。

さらに、「最後は "シャトー・クーテ" のソーテルヌですが、当会50回記念特別ディナーでは(筆者がワイン選別を担当)、そのときデザートワインとして選びましたのが、このワインで1997年ヴィンテージでした。造り手の評価はHJ★★(筆者も★★)。

この種のワインでは王者はシャトー ディケムで、市価は数十倍以上もしますから、この評価は極めて高いと言えます」

チーズ4種は次の通り:

(画像はいずれもインターネットより)
伊 ゴルゴンゾ-ラ 仏 ラングル 仏 シャウルス 仏 サントモール・
ド・トゥーレーヌ
  1. 伊 ゴルゴンゾ-ラ
    伊ロンバルディア州とピエモンテ州にかけて産する牛乳製青カビタイプチーズ。
    ポムロールのような軽めの赤ワインや甘口白ワインのシャトー・クーテともよく合う。
  2. 仏 ラングル
    シャンパーニュ地方のラングル高原で産する牛乳製ウオッシュタイプのチーズ。
    シャンパーニュはいうまでもなく、ポムロールやラグランジュのような赤ワインとも相性は抜群。
  3. 仏 シャウルス
    仏シャンパーニュ地方のシャウルスで造られる白カビタイプ。
    シャンパーニュとの相性が特によく、シャトー・ラグランジュのようなフルボディの赤ワインともよい。
  4. 仏 サントモール・ド・トゥーレーヌ
    仏トゥレーヌ地方のシェーヴル(山羊乳)。シャンパーニュとの相性がよい。

◇ ◇ ◇

次回第75回例会は、戸村良雄さんの幹事役の下、来る3月12日(木)に同じく椿山荘「ポプラルーム」にて開催される予定である。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年10月5日 掲載

wineGlass DFプチワイン会DFPW 2019年10月)

  • 日 時:2019年10月31日(木)17:30~20:30
  • 場 所:椿山荘「イルテアトロ」
  • テーマ:「トスカーナワイン特選」
  • メニュー / ワインリスト

 

例会の合間に開催されるDFPW(DFプチ・ワイン会)は、少数精鋭のワイン愛飲家を対象として回を重ねてすっかり定着した。

今回も椿山荘伊料理店「イルテアトロ」を舞台に9名のメンバーが参集、トスカーナワインを特集して「イルテアトロ」の伊料理と共にたっぷりとマリアージュを楽しんだ。

本会は伊料理店「イルテアトロ」を舞台に発足して以来、一貫して伊ワインに特化してきた。これは、3か月毎に開催されるDFWC(DFワイン同好会)例会が、世界のワイン産地を順繰りに取り上げることを基本としていることに対して、伊という一大ワイン産地を極めようと、しかも良質かつ高額のワインを狙うのが目的とするものである。

さはさりなん、伊から他の有力な産地に視点を転じて、異なる舞台にて異なるコンセプトを追求するのも次なる課題となろう。

「イルテアトロ」の料理とサービスは他と比較すれば優位にあるものの、今回はマンネリなのか若干質的に劣る点が目立ち、此の点料理店には改善方を申し入れた。しかしながら、ワインをマーケットから調達して持ち込み(料金フリー)、これにソムリエとシェフが連携してマリアージュする料理を提供する「イルテアトロ」の総合的なサービス条件は群を抜くものであり、今後も重点的に利用を継続したい。

本会は菅原さんと小生が共同幹事として運営するもので、ワインセレクションは交替で行うのが慣例となっている。
今回は、小生がワインセレクション他一手に引き受けて務めさせて頂いた。

 

ワインをより楽しく飲むために

ワインをより楽しく飲むために」(PDF)

ワイン同好の士として常々ご協力頂いている今井さんから実に分かりやすくかつ簡潔に纏められた資料が提供されたので、ここに掲載する次第である。

本資料はDF同好会ニュースのワイン同好会「情報コーナー」に既に掲載されている。

ワインの香りについてのアロマ(Aroma)、ブーケ(Bouquet)、そしてグラスを回すスワリング(Swirling)について初歩入門的な解説がなされ大変有益である。

今回は、メンバーの中でも傑出したワイン通の今井さんからワインについての講評を頂戴したので、筆者のコメントと共に随所に引用させて頂いた。

今井さんによると、香り(Nose)、口当たり(Palate)、喉越し(Finish)の3要素で5段階評価(★★★★★満点)が下された。

伊トスカーナ州ワイン産地

伊トスカーナ州

トスカーナ州3大ワイン産地

今回のワインは、トスカーナ州3大ワイン産地としての CHIANTI, BOLGHERI, MONTALCINO 地域から選んだ。

伊で造られる発泡ワインを総称して「スプマンテ」というが、トスカーナ州の産出は少ないので、今回はトレンティーノ州とヴェネト州産を選んだ。

伊をはじめ欧州のワイン法は、土着品種で造ることが基本とされる。

伊ワイン法では、この基準を満たす上位カテゴリーに DOCG、DOC がある。

トスカーナ海岸地区のボルゲリやキャンティ地区で、この基準を満たさない国際品種(カベルネ・ソーヴィニョン、メルローなど)で造られた高級フルボディ赤ワインを「スーパータスカン」と呼ぶようになっている。

ワイン勇士全員集合

今回9名のワイン勇士が参加 いずれ劣らぬワイン通

開宴前の懇談

イタリアでは、夕食や宴会に先立ち軽食をつまみながら食前酒を楽しむことを Aperitivo(アペリティーヴォ)という。

開宴に先立ち、発泡ワインとカナッペで Aperitivo を楽しんだ。

伊北部に位置するトレンティーノ州産発泡ワイン ”Rotari Brut” は、シャルドネ100%の60か月を超える長期熟成の銘品で、筆者及び女性メンバーから高評価されたが、今井さんからは★★★の評価。

同じく北部ヴェネト州産発泡ワイン ”Prosecco Valdobbidene” は、有力な造り手 ”Adami” の銘柄で、ヴェネツィア映画祭やG8サミットでも供されるものだが、甘味が強く日本人には不向きなのか今井さんの評価は低く、★★。

カナッペをつまみながら歓談

(左から)発泡ワイン”Rotari Brut Flavipo 2007”  / 発砲ワイン”Prosecco Valdobbidene” /
発泡ワインをキリッと冷やす

開宴

オードブル2種

秋刀魚と焼きナスのテリーヌ

「タリオリーニ」(パスタの1種)

これに合わせたのが、白ワイン2種。

(左から 白ワインもキリッと冷やして)
白ワイン ”Grattamacco Bianco 2017” / 白ワイン ”Vistamare Ca’Marcanda 2017”

”Grattamacco Bianco 2017” は、トスカーナ西部海岸沿いのボルゲリで土着品種「ヴェルメンティーノ」により造られる。今井さんの評価はあっさり味と風味で★★★。

”Vistamare Ca’Marcanda 2017” は、伊ワインの帝王「ガヤ」がトスカーナ・ボルゲリ地区で造る唯一の白ワイン。ティレニア海からの涼風によるミネラル感豊かな味わいが特徴で、特にパスタにはぴったりの相性。今井さんは★★★★の高評価。

リゾットと肉料理

茸と栗のリゾット

和牛フィレ肉
(インターネットからのダミー画像)

これに3種の赤ワインを合わせた。

(左から)赤ワイン “Sanlorenzo Chianti Classico 2015”
赤ワイン “Magari Ca’Marcanda 2014” / 赤ワイン “Luce Brunello di Montalcino 2012 “

キャンティは、WA(パーカーポイント)95点の高得点をたたき出し、キャンティDOCG規格の中でも最上位規格の「グラン・セレツィオーネ」に分類される銘品。リゾットや和牛フィレ肉との相性が抜群で評判通りの風味と味わい。今井さんの評価も高く満点の★★★★★。

マガーリは、伊ワインの帝王ガヤがボルゲリ地区で造るスーパータスカンの代表格。メルローやカベルネソーヴィニヨンなどの国際品種で造られるいわゆるボルドーブレンド。まろやかなタンニンの味わいが牛フィレ肉と絶妙な取り合わせであった。今井さんの評価は、★★★★。

ルーチェは、取りを受け持つ目玉として投入した銘柄で、WA93点、JS(ジェームス・サックリング)96点を叩き出したスーパータスカンの傑作。購入価格はワイン会には特例的な¥15,000もの高額品。タンニン味を好む筆者には複雑なブーケと豊かな香りがたまらなく絶妙で気に入った。女性メンバーも絶賛して、空瓶を特に所望したほどであった。今井さんの評価は辛く、★★★。値段の割りには期待外れの由。熟成のポテンシアルが高いので、飲み頃は、ヴィンテージ2012の10年後の2022頃と思われる。また、当日の抜栓後放置する時間が短すぎた嫌いが否めない。いずれにせよ、今からでも購入して、3-4年間熟成期間を経てから味わってみたくなる逸品である。

デザート

シチリア風カッサータ

◇ ◇ ◇

次回DFPWは来る2020年2月4日(火)、菅原さんの幹事役の下、神楽坂レストラン「葉歩花庭」にて開催を予定している。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年10月5日 掲載

wineGlass 第73回ワイン同好会例会DFWC 2019年9月)

  • 日 時:2019年9月5日(木)17:30~20:30
  • 場 所:椿山荘「ポプラルーム」
  • テーマ:「カリフォルニアワイン特選」
  • メニュー/ワインリスト

 

2006年1月から開始された例会は、今回で73回を数えることになった。今回も恒例により「椿山荘ポプラルーム」で行われた。

参加者は過去2番目の32名の多数に上り、女性は4名であった。参加者の動員については段谷、石毛両幹事を始め、児玉弁護士が女性とワインエキスパートの資格を有する新人をゲストに招くなど多数を動員してくれた。

本ワイン会は必ずしも高い専門性を有する参加者を求めるものではないが、ワイン通が多くなりワイン談義が弾む傾向は頼もしい限りだ。

この度も椿山荘の洗練されたホスピタリティとコストパフォーマンスは相変わらず素晴らしいものであった。肉料理とチーズについての事前のリクエストにも十分応えて頂くなど、スタッフの柔軟性ある姿勢に感謝する次第である。

【パリスの審判】


(クリック拡大=PDF)

今回は、ワイン史に刻まれる画期的な大事件「パリスの審判」(1976年)及びその後に開催されたリターンマッチにて、世界的に覇を唱えるフランスワインを完膚なきまでに打倒して勝利したカリフォルニアワインの有力な造り手になる銘柄を中心に選別してみた。

ひと頃まではワインといえばフランスワインが世界を席巻し、とりわけボルドーとブルゴーニュ産ワインは圧倒的な地位を確保してきた。その中で米国や豪州などの新世界のワインが台頭してきた訳だが、フランスワインとは比較にならない程存在感は希薄なのが一般的な評価であった。

米国建国200年に当る1976年に、フランスのパリを舞台に英国人スティーブン・スパリュアが一大イベントを仕掛けた。

ギリシャ神話(インターネットより) ブラインド・コンテスト(インターネットより)

名付けて「パリスの審判」。これはギリシャ神話に登場する3人の女神の中で誰が最も美女なのかということを競うコンテストを実施、その審判がトロイの王子パリスであったことから由来するもの。ちなみに、ワインのイベントの舞台が英語の Paris に当たるのでそれに引っ掛けたもの。

シャルドネのみの白ワイン部門では、ブルゴーニュの錚々たる銘柄に新進気鋭のカリフォルニアが真っ向勝負を挑み、大方の予想に反してカリフォルニアの Chateau Montelena が第1位に輝いた。

カベルネ・ソーヴィニヨン主体の赤ワイン部門では、これまた予想外にカリフォルニアが優勢を占めた。

①Stag’s Leap ⑤Ridge ⑧Clos du Val

この結果に修まらないのが、ボルドーの雄ムートン・ロートシルトやオー・ブリオン。ボルドーワインは熟成ものでは引けを取らないとばかりに、1976年ヴィンテージから10年後の熟成を経た1986年に、ニューヨークを舞台に赤ワインのみの「リターンマッチ」が行われた結果またもやカリフォルニアに軍配が上がった。

① Clos du Val ②Ridge ⑥Stag’s Leap

その後も幾度か「遺恨試合」が行われたがカリフォルニアの優勢は変わらず、ここにカリフォルニアワインの世界的な評価が定着した。

開宴前の懇談

左から、「豪華なカナッペ」発泡ワイン「シュラムスバーグ・ブラン・ド・ブラン2015年」発泡ワイン「シュラムスバーグ・ブラン・ド・ノワール2015年」
発泡ワインを片手に暫し歓談

開宴に先立って立ちながら飲む恒例の懇談の場においては、カリフォルニア産有数の発泡ワイン2種を椿山荘特製カナッペと共に味わった。この発泡ワインは言うまでもなくシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で造られ、米国ホワイトハウス御用達として度々採用される有名銘柄である。

ブラン・ド・ブラン」は、白ぶどうで造られた白ワインを指し、専らシャルドネがぶどう品種として使用される。シャルドネ特有の柑橘系のアロマと、スッキリとした酸味のある味わいが特徴であった。

ブラン・ド・ノワール」は、黒ぶどうで造られた白ワインを指し、ピノ・ノワール主体で一部シャルドネをブレンドすることもある。柑橘系の香りと、果実系のサッパリとした味わいであった。

前記2種類の発泡ワインは、事前に能書きを知らされたとしても、じっくりとテイスティングしない限り香りと味わいを峻別することは素人には至難の業である。

宴の始まり

(左から)代表幹事挨拶 宴を盛り上げる女性のお二人 常連の福本さん 初参加の高畑さん(丸紅理事)

 

オードブル2種

「フォアグラのタンバル仕立て」/白ワイン「スタッグス・リープ・カリア 2016年」
(右)「茄子のムースと秋刀魚」/白ワイン「シャトー・モンテレーナ2017年」

オードブルの第一弾はフォアグラのパテ風で絶妙な味わい。これには、シャルドネ100%の特徴を活かし、柑橘系の豊かな香りと爽やかな酸味を醸すスタッグス・リープの白ワインを合わせた。

「パリスの審判」事件のシャルドネ部門で見事優勝した造り手モンテレーナからは、ソーヴィニヨン・ブラン種の白ワインを選んだ。柑橘系・ハーブ系の風味と酸味が、茄子と秋刀魚の酢味とうまくマリアージュした。

肉料理

「骨付きラム肉のロースト」/赤ワイン「リッジ・ジンファンデル2016年」
(右)赤ワイン「クロ・デュ・バル2016年」

ラム肉は、固い肉類を敬遠する筆者には想定外の軟らかなかつ赤身を帯びた色彩感のあるもので、骨付き特有の旨味濃い味わいであった。

これを味わいながらマリアージュする2種類の赤ワインに対する期待が否が応でも高まってきた。

1986年に行われた「リターンマッチ本戦―赤ワイン部門」にて第1、2位を分け合った Clos du Val と Ridge が登場。

ぶどう品種は、その頃の本戦とは異なるピノ・ノワールとジンファンデルを選んだ。いずれも赤系果実の香りと、酸味と柔らかいタンニンが感じられ、ラム肉とのマリアージュは最高潮に達したかの感があった。

Zinfandel ジンファンデル は、カリフォルニアにてカベルネ・ソーヴィニョン、メルローに次ぐ主要品種。クロアチア原産品種がイタリア・プーリア州地域で栽培される Primitivo プリミティーヴォ とカリフォルニアで栽培される Zinfandel に枝分かれした。

チーズ&デザート

チーズ3種盛り/デザート/「ロイヤル・オポルト・タウニー 10年」

3種のチーズとデザートをポート10年に合わせた。

カリフォルニア産食後酒は際立った銘柄がないため、捻り技としてポートを投入したところ好評であった。

チーズ3種は次の通り; 既にサーヴされた白ワインや赤ワインを残して、ポートと共に合わせるのもマリアージュのテクニックである。

(左から)① 英シュロップシャー・ブル/ ② 伊オッチェッリ・アル・バローロ/
③ 仏ブリア・サヴァラン(画像はいずれもインターネットより)

  1. 英 シュロップシャー・ブルー
    英国シュロップシャー州を原産とする牛乳製ブルーチーズ。クリーミーかつ甘味があり、スコッチ・ウイスキーやポートによく合う。
  2. 伊 オッチェッリ・アル・バローロ
    牛乳・山羊乳製チーズにバローロの絞りカスで熟成させたピエモンテ州産「酔っ払いチーズ」。ピエモンテの銘醸ワイン「バローロ」や「バルバレスコ」に合わせるのが正統だが、上記赤ワインやポートにもよく合う。
  3. 仏 ブリア・サヴァラン
    仏ブルゴーニュ産牛乳製白カビタイプ。ブルゴーニュ産白ワイン(シャルドネ)や発泡ワインに合わせたいところだが、この際 Stag’s Leap の白ワイン(シャルドネ)に合わせたところ、狙い通り絶妙であった。

◇ ◇ ◇

次回第74回例会は、石毛謙一さんの幹事役の下、来る12月5日(木)に同じく椿山荘「ポプラルーム」にて開催される予定である。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年8月14日 掲載

wineGlass プチワイン会DFPW 2019年8月)

  • 日 時:2019年8月1日(水)17:30~20:30
  • 場 所:椿山荘「イルテアトロ」
  • テーマ:「イタリアワイン特選」
  • メニュー/ワインリスト

 

例会の合間に開催されるDFPWDFプチ・ワイン会)は少数精鋭のワイン愛飲家を対象として回を重ねてきた。

そもそも椿山荘伊料理店「イルテアトロ」の場から発足して、都内のユニークなレストラン数か所で開催する履歴を経て、今また「イルテアトロ」に戻り、終の開催場所として定着したかの感がある。

「イルテアトロ」の眺望絶景の個室「ジャルディーニの間」が場所として定着しているが、前回は13名もの多数が集合して手狭であったので、今回は10名に限定した。

「イルテアトロ」の料理とサービスは前回に引き続き参加者から好評を博した。ワインをマーケットから調達して持ち込み(料金フリー)、これにソムリエとシェフが連携してマリアージュする料理を提供する「イルテアトロ」の離れ業は実に見事である。

今回は、DFPWの有力メンバーの菅原さんがワインセレクションと店との折衝を全面的に請け負い、大車輪の活躍を願ったこと深謝に堪えない。

菅原さんが開催に先立ちセレクトしたワインの特徴に関する名解説を、本報告の随所に引用することをご了承願いたい。

開宴前に全員で記念撮影

開宴前の懇談

イタリアでは、夕食や宴会に先立ち軽食をつまみながら食前酒を楽しむことをAperitivo(アペリティーヴォ)という。

泡ものとカナッペでAperitivo(アペリティフ)
発泡ワイン「フランチャコルタ・ブリュット・キュヴェ・プレステージ」

発泡ワインは、カデル・ボスコ製フランチャコルタのマグナムサイズ(1.5L)が提供され、トーストの香りと果実味の豊かな清涼感がカナッペと良いマリアージュであった。マグナムサイズのように、一般に容器が大きくなるほどワインの質は安定するといわれている。

フランチャコルタがスプマンテから独立したカテゴリーとして販売されるようになったのは、このカデル・ボスコの努力の成果で、特にミラノでのファッションショーにおける評判がスプマンテを追い抜いたと言われている。

開宴

(左から)開宴の挨拶(石井代表幹事)/ 乾杯(錦織さん)/
(右)発泡ワイン「フランチャコルタ・ブリュット・キュヴェ・プレステージ」

イタリアの発泡ワインは、一般的にはスプマンテと総称されるが産地別に呼称が異なり、①フランチャコルタ(ロンバルディア州)②プロセッコ(ヴェネト州) ③トレント(トレンティーノ・アルト・アディジエ州)―――が主要なものとしてよく知られる。

乾杯用に選ばれた上記ワインは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式によりシャルドネ100%で造られるトレントで、イーストとアーモンドの香りと味わいが特徴的。

DFPWに初登場の錦織弁護士の音頭で、フェラーリの「ペルレ・ミレジム・オールド・ヴィンテージ」で乾杯。

このワインはシャルドネ100%を瓶内二次発酵方式で造られ、イーストとアーモンド香の味わいが鮮明に感じられる。

オードブル3種

① 白身魚のカルパッチョ

② 旨味を閉じ込めたパテ・ド・カンパーニュ

③ オレンジ風味のパスタと鴨肉

これに合わせたのが、白ワイン2種と発泡ワインロゼ。

白ワイン「エトナ・ビアンコ・ネリーナ2017年」 白ワイン「ヴィスタマレ・カマルカンダ2018年」

発泡ワイン「ペルレ・ロゼ・ミレジム 2005年」
(フェラーリ社)

前者は、シチリア・エトナ火山の北斜面で造られ、土着品種のユニークなぶどうを数種類ブレンドしたもので高地産らしい酸味がカルパッチョとの相性を一味高めた。

後者は、伊ワインの帝王「ガヤ」がトスカーナ・ボルゲリ地区で造る唯一の白ワイン。ティレニア海からの涼風によるミネラル感豊かな味わいが特徴で、特にパテにはぴったりの相性。

パスタと鴨肉に合わせたのは、発泡ロゼワイン。このロゼは、土着品種のピノネロ主体に瓶内二次発酵方式にて60か月もの長期熟成を経て造られたもので、前記「ペルレ・ミレジム・オールド・ヴィンテージ」と同様@¥8,000を超える逸品である。

肉料理

赤ワイン2種に牛肉の「コトレッタ」を合わせた。仔牛の肉に衣をつけて油で揚げる伊の代表的な肉料理をコトレッタといい、ミラノ風が有名。コトレッタは、日本のカツレツやトンカツの語源ともなったといわれる。

「ヴィーナー・シュニッツエル」は、ウイーンの名物で同じく仔牛や豚の肉を揚げたものである。その昔、筆者が欧州駐在の頃、ウイーン郊外の森のレストランで赤ワインに合わせるためにシュニッツェルを注文したら何と草履のような大きなものが供されて驚いたことがある。

ミラノ風コトレッタ
(インターネットより)
赤ワイン「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ イル・マロネート2012年」

赤ワイン「カンポ・デイ・ジーリ・アマローネ
2013年」


ブルネッロは、WA(パーカーポイント)96点の高得点をたたき出し、マーケットプライスが1万円近くもする銘品。繊細で上質なタンニンと力強い果実感が特徴だが、上質な味わいを評価しにくい強者の感じ。

アマローネは、4種の土着品種ぶどうをブレンド。ハーブの爽やかな香りがいきなり鼻を突きあげるような強いアロマが特徴。その後は、力強い果実感とタンニンの見事な調和が織りなし、ワインに素人な筆者を圧倒する味わいであった。

デザート

ペストリーシェフおすすめデザートには、モスカート100%ぶどうで造られた「パッシート」を合わせた。パッシートとは、伊語で乾燥を意味し、ぶどうを収穫後乾燥させて糖度を増して造る甘口ワインである。このワインは、酸味と甘味が最高のバランスであった。

甘口ワイン「パッシート・オーロ・ラ・スピネッタ2010年」 赤ワイン
「サペラーヴィ 2016年」

菅原さんからのプレゼント

珍しいグルジア(ジョージア)産赤ワインが提供された(写真上右)。

女性メンバーへのプレゼント

DFPWには有力な女性メンバーとして、伊東幸子さんと桐渕千鶴子さんが常時参加頂いている。日頃の感謝に報いるためにフェラーリの発泡ワインを贈呈した。

発泡ワイン「ブリュット NV フェラーリ」(左)を伊東さん(中央)と桐渕さん(右)に贈呈

次回DFPWは来る10月31日(木)、椿山荘伊レストラン「イルテアトロ」にて開催を予定している。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年6月30日 掲載

wineGlass 第72回ワイン同好会例会

  • 日 時:2019年6月19日(水)17:30~20:30
  • 場 所:椿山荘「ポプラルーム」
  • テーマ:「豪州/ニュージーランド(NZL)を往く」
  • メニュー/ワインリスト:こちら

 

2006年1月から開始された例会は、今回で72回を数えることになった。

今回も例会の開催場所として定着した椿山荘ポプラルームで行われた。

大きく開いたガラス戸からの新緑を過ぎた深緑の眺めも素晴らしく、余裕のあるスペースに大きな丸テーブルが配置され、宴会場のインフラとしては最高である。開宴に先立つ参加者が交流する「立ち飲み」の場としては、スペースに余裕あることが他の場所と異なり好都合である。

参加者は27名の多数に上り、とりわけ女性が6名も加わり華やかな構成となった。参加者の動員については段谷、石毛両幹事のご尽力が今回も多大なるものがあり、更に児玉および錦織両弁護士にも女性多数を動員して頂き深謝に絶えない。如何なる理由かは定かではないが、弁護士はとりわけ女性に人気があるようだ。

この度も椿山荘の洗練されたホスピタリティとコストパフォーマンスは相変わらず素晴らしいものであった。他の場所の追随を許さないものがある。今後も最重点的に利用させて頂く所存である。

(クリック⇒PDF)
AUST-NZL Wine Map
開宴を待つテーブル
抜栓して静かに出番を待つ赤ワイン ”Penfolds”

開宴前の懇談

キリッと冷やされた発泡ワイン
「ハウス・オブ・アラス2005年」
発泡ワインを片手に暫し歓談

開宴に先立って立ちながら飲む恒例の懇談の場においては、豪州産発泡ワインを椿山荘特製カナッペと共に味わった。発泡ワインは、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で何と84か月もの長期熟成で造られるタスマニア産の珍しい銘柄である。

今回は病気療養で長らく休会を余儀なくされたT氏が久しぶりにお元気な顔を見せてメンバーと懇親された。

また、開催日直前に男女2名のニューフェースが飛び入り参加し、いずれもワインラヴァーとして新たな交流を深めた。

宴の始まり

代表幹事挨拶とワイン説明 早川氏(元衆議院議員、元ワイン議員連盟を立上げ)

オードブル2種

「甘酸っぱい大根とズワイガニ」
白ワイン 「ヴィラ・マリア・ソーヴィニョン・ブラン2017年」

言わずと知れたニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを代表する白ワイン「ヴィラ・マリア」は、素人にも分かるフルーツ香の強いアロマが特徴で、オードブルの大根とズワイガニとの相性が良い。

「鴨のリエットとズッキーニのムース」
白ワイン 「マックス・シャルドネ・ペンフォールズ2017年」

豪州最高峰の造り手 ”Penfolds” 社によるシャルドネ種の白ワインは、シャルドネ特有の柑橘類のアロマと熟成したオークとアーモンド香ーーなどの味わいであったが、オードブルの鴨とズッキーニととりわけよく合った。

【Penfolds概要】

1844年英国から移住したペンフォールズ博士がアデレード近郊でワイン造りを始めたのが同社の由来。

同社は現在豪州各地にワイナリーを展開、特に高級ワインメーカーとしてその名を知られる。その多くの銘柄は、ボルドーの5大シャトーも色を成すほど高級で、最高傑作の「グランジ」は、世界中のワインフアンを魅了している。

肉料理

「豪州産仔羊のロースト」 赤ワイン「クラウディ・ベイ2015年」
赤ワイン「ペンフォールズ・シラーズ2016年」

豪州産の肉類は一般的には固いという先入観があるものの、仔羊のローストは意外にも柔らかく、山椒風味のソースの味わいが絶妙であった。これに先ず合わせたのがニュージーランド産ピノ・ノワール100%の「クラウディ・ベイ」で、滑らかなタンニン味とのマリアージユが際立っていた。

取りを受けた豪州産「ペンフォールズ・シラーズ」は、豪州シラーズの特徴をよく表現されたワインである。

シラーズは豪州で最大の栽培面積を占めるぶどう品種であり、スパイシーかつタンニンが豊富で力強いコクが特徴である。仔羊のローストとのマリアージュは、力強いタンニン味が山椒風味のソースと溶け合い秀逸なものであった。

チーズ&デザート

チーズ3種盛り
デザート

3種のチーズとデザートを上記赤ワイン2種に合わせた。

ピノ・ノワールとシラーズとの相性はよく、椿山荘のチーズ・セレクションのセンスに感銘した次第である。

以下の3種は、主に赤ワインによく合うものの、既にサーヴィスされた白ワインを残して合わせるのもマリアージュのテクニックでもある。

  1. シュロップシャー・ブルー;英国中部シュロップシャー産のクリーミー味のブルーチーズ
  2. デリス・パパイア;クリームとドライパパイアをまぶした仏ブルゴーニュ産フレッシュタイプチーズ。
  3. カマンベール・ド・ノルマンディー;言わずと知れた仏ノルマンディー産白カビチーズ。甘いデザートにタンニン味の赤ワインを合わせるのも乙なものである。

この度の例会には、櫻井三紀夫さんに幹事役として種々ご尽力頂き深謝に堪えない。

次回第73回例会は、段谷俊彦さんの幹事役の下、来る9月5日(木)に同じく椿山荘「ポプラルーム」にて開催される予定である。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年5月31日 掲載

wineGlass プチワイン会(2019年5月)

  • 日 時:2019年5月7日(火)17:30~20:30
  • 場 所:ホテル椿山荘東京「イル・テアトロ」
  • テーマ:「伊ピエモンテワイン」
  • お品書き:メニュー
    ワインリスト

 

例会の合間にワインラヴァーを結集して行うプチワイン会は、回を重ねる毎に充実して参加者が増えてきた。

今回は椿山荘イタリア料理店「イル・テアトロ」の会場に何と13名もの多数が集まり、レイアウトが窮屈な程であった。

開宴前に立ち飲みで懇談
フランチャコルタとスプマンテを飲む
全員集合

しかもワインに熱心な女性2名が加わり、一層華やかさを増した。

とりわけ料理が好評であった。料理店からは特別割安な、しかもワインの持ち込みフリーという条件が提供され、メンバーのO氏から絶賛された。

ピエモンテ・ワイン産地」の説明図

◇ ◇ ◇

泡ものと白ワインをキンキンに冷やして 赤ワインは抜栓してデカンタージュ
フランチャコルタ・ロゼ・バローネ・ピッツイーニ 2013年
イタリアの泡ものを代表するフランチャコルタ
フォー・イングランド・スプマンテ・ ロゼ・パドゼ・コントラット 2012年
ドライロゼのスプマンテで、フランチャコルタに劣らない味わい
ランゲ・シャルドネ 2016年
果実味とフレッシュな酸味
ロエロ・アルネイス 2016年
ピエモンテ州の固有種アルネイスは、他の品種にない個性的なアーモンド香。 清涼感溢れた味わいが特徴
バルバレスコ 2015年
〈伊ワインの女王〉といわれる。落ち着いたタンニン味。 収穫から25年の熟成ポテンシアルを備え、飲み頃は2040年
バローロ・ドメニコ・クレリコ 2014年
ぶどう品種はピエモンテ州特産のネッビオーロ100%で、頑健なタンニンを有し、長期熟成により本領を発揮。 飲み頃は2040年ごろ。

以上 
(文責 石井勝巳)

2019年4月2日 掲載

wineGlass 第71回 「ワイン同好会」例会

  • 日 時:2019年3月26日(火)18:00 から 20:30
  • 参加者:28名(女性6名)
  • 場 所:銀座 オザミ デ ヴァン 本店
  • テーマ:「春のフランスワインとフランス料理」
  • ワインリスト

 


当番幹事 寺崎志野

今回のテーマに想いを寄せて (当番幹事のメッセージ)

当番幹事はフランス大好き。フランスワインの在庫数万本を有するフレンチレストラン、オザミ デ ヴァンに狙いを定めた。桜の季節に相応しい料理のメニューを想定し、シャンパンとデザートワインの間に白2種類、赤2種類で組み立てる。何か皆様の気を引き立てるようなブラインドテイステイングをと思い、「品種当てクイズ」を立案。小松店長相に相談し、それぞれが特徴ある、シャンパン、白2、赤2、デザートワインを選び、優秀者には賞品を授与する企画をまとめた。

◇ ◇ ◇

(クリック⇒拡大)
当日のラインナップ (ワインリストを参照ください 左から順番です)

 

当日の様子

銀座一丁目のレストランオザミの4階を貸し切り、くじ引きによる着席後、1番目のシャンパンをお配りする。
開会宣言に続き、DF設立メンバー・水野様のご発声で乾杯。
当番幹事から主旨、ブラインドテイステイングのルールと解答用紙 (右:クリックPDF)の説明。
代表幹事石井様から「DFWC71回目、平成最後の会です」とご挨拶。

初めの料理:蟹とホタテのタルタルに、2番目の白ワインを合わせる。ロワールのホワイトアスパラには勿論、3番目の白ワイン。ここで、白2本の品種にクエスチョンマーク漂う雰囲気濃厚。次の料理は桜鯛一皿、ここから赤ワイン登場。メインディッシュのフランスシストロン産子羊もも肉ローストに合わせて、しっかりした赤ワイン。クイズタイム終了、デザートタイムに入り、ここで幹事より正解発表、ワインリストが配布される。

正答数:

2番目(アルザスのリースリング)
3番目(ロワールのソーヴィニヨンブラン)
4番目(ブルゴーニュのピノノワール)
5番目(ボルドーのカベルネ)
 4人
 3人
15人
19人

赤ワインの正答率は高かったけれど、白ワインは迷いが大きかったようです。
4点満点で 3点の方6名、1人はジャンケン負けにして、5名にフランス直輸入のバゲットを授与。
ボルドー地方のデザートワインと、フランス産チーズと果物のコンポート、コーヒーで終了。
フランスワインを代表する産地の代表的な品種を飲み、空瓶の数は27本!
春のうららの夕べ、お料理とワインを元気よく、お楽しみ頂きました。
幹事の不手際で、会場風景や料理の写真撮影をミスしました。お詫び申し上げます。

◇ ◇ ◇

次回 第72回、6月下旬 開催予定。

以上 
(文責:寺崎志野)