Study Teams(分科会)

超高齢化社会問題

ここに注目

2022年11月17日

DF超高齢社会問題分科会とDF鎌倉支部がヨコ展開の交流会合

人生100年時代の地域オープンイノベーション「鎌倉リビングラボ」を現場見学

人生100年時代の地域オープンイノベーション「鎌倉リビングラボ」というプロジェクトがあるのをご存じだろうか。

高齢化進む鎌倉市今泉台での社会・地域課題に住民、大学、企業が参画

居住人口の急速な高齢化が進む神奈川県鎌倉市今泉台地区の住宅で、さまざまな社会課題、地域課題の解決のために、大学や企業、自治体の問題意識のある人たちが、地域の人たちを軸に、互いに連携してプロジェクトに取り組み、「生活の場からの共創」をテーマに、ワークショップを開催したり、生活者視点での新しい家具などの製品化にチャレンジして成果を上げたのがきっかけだが、いま、広がりを持ち始め、話題になっている。

その「鎌倉リビングラボ」が、2017年設立から5年目にあたる2022年11月5、6日の両日、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区で「LIVING LAB DAY 2022」と銘打って、「MOBILE LIFE 鎌倉」をテーマに、ビッグイベントを開催した。

ヤマハNeEMO試乗
ヤマハNeEMO試乗

「MOBILE」は、可動性や動きやすいなどの意味を表わすそうで、一例として、イベント会場で高齢者向けのモビリティ試乗体験を行った。今回の場合、「鎌倉リビングラボ」プロジェクトに参画しているヤマハ発動機が、生活者向けに開発した電動四輪カートを提供、乗り心地や使い勝手はどうか、改善点があるとすればどんな点かなどを聞いて、企業側としては、テーマである「生活の場からの共創」につなげていこうとしている。

試乗する平尾会員
試乗する平尾会員

好奇心が旺盛な人たちの集まりである、DF100歳社会総研の超高齢社会問題分科会とDF鎌倉会(鎌倉支部)は合同で、初日の11月5日に、さまざまな現場を見学したが、DFメンバーは、この電動四輪カートに強い関心を示して試乗にチャレンジした。あるメンバーは「試乗した感じでは安定感が非常に高く、安心して乗れるなと感じた。早く市販してほしいという気持ちになる」と評価していた。

企業は安全なモデル乗り物開発に関心、大学や自治体は制度設計

試乗する真瀬会員
試乗する真瀬会員

人生100年時代に、プロジェクト参画した企業としては高齢者の新たなニーズを探り、商品化につなげるという目先の企業の問題だけでなく、高齢化が進んで超高齢社会時代になれば、安全で使い勝手のあるモデル乗り物ニーズがますます高まるため、積極的に商品開発して、日本として、世界に問うということが可能になる。また、自治体や大学もそれにリンクして制度設計、社会システムづくりにつなげることが可能になる。「鎌倉リビングラボ」プロジェクトは、そういった広がりを生み出すツールにもなる、というわけだろうか。

「鎌倉リビングラボ」提唱者は東大名誉教授の秋山氏

実は、この「鎌倉リビングラボ」プロジェクトの提唱者は、東京大学名誉教授で、同時に東京大学高齢者会総合研究機構の客員教授でもある秋山弘子氏。これまで鎌倉市今泉台地区の高齢化が進む地域の住民、生活者の人たちの生活課題などを探りながら、自治体や企業、大学を巻き込んで、高齢社会時代に対応したモノやサービス、社会の仕組みなどを共に創っていくオープンイノベーションでの地域プラットフォームが今後のテーマになるとして成果を上げている。秋山氏の専門研究分野は老年学だ。

秋山先生に伺う
秋山先生に伺う

たまたま秋山さんは、2022年7月に、DFで講演する機会があった際、この「鎌倉リビングラボ」プロジェクトの重要性を指摘、多くのメンバーの共感を得ている。

とくに、鎌倉の住民でDF鎌倉支部メンバーであると同時に、DF超高齢社会問題分科会メンバーの平尾光司さんが今回、鎌倉海浜公園でビッグイベントを展開することを知り、早くから「人生100年時代の新たな地域社会モデルになるプロジェクトなので、一度、見学してみよう」とDFメンバーに提案、それに対して各メンバーが「面白そうだ」と呼応して、今回の合同見学会となった。

DFにとってもヨコ展開・横連携の交流は重要

見学会の締めは鎌倉山下飯店で
見学会の締めは鎌倉山下飯店で

DF組織が今回、交流会合で問題意識を共有、今後の互いの活動に広がりを持たせよう、としたのは、DFにとってもヨコ展開、ヨコ連携は重要だし、画期的ともいえる、という指摘がメンバーの中から出ている。

合同での現場見学後、DFメンバーは鎌倉駅前の山下飯店というレストランに移動、そこでも「鎌倉リビングラボ」プロジェクトをめぐって意見交換を行い、DFとしても、今後は現場でさまざまな時代の先を探る活動にチャレンジ、連携を進めるべきだ、との声が出た。

(文責 DF超高齢社会問題分科会世話役 牧野義司)