山形県酒田市 「楯の川酒造株式会社」
「東北銘醸株式会社」訪問

2023年10月10日(掲載日)

酒蔵巡り報告(No. 1:22/09/29~30)

日時
2022年9月29~30日
参加者
平尾、 佐藤、 段谷、 近藤、 樋口、 萩野、 角谷 (計7名)
酒蔵
楯の川酒造、東北銘醸

1)楯の川酒造

  • 同社概要

    酒田駅よりタクシーにて内陸側に20分。周囲は田んぼに囲まれた庄内平野の一角にあり、1832年創業の蔵。現在6代目蔵元は佐藤社長が務めている。

    全量純米大吟醸に特化、価格重視、積極的な事業拡大と設備投資。日本酒の他に焼酎、マッコリ、リキュールを生産。ウイスキーの計画も推進中。

  • 製造工程の説明

    1. 原料処理
      精米 (自動精米機)
      米は契約米+自家米、酒米4種と飯米2種使用。 全て精米歩合50%以下。300㎏の玄米を精米歩合50%、1%にするには夫々15時間、1800時間要す。 枯らし期間約1カ月
      穂丈;山田錦1.3m ⇒ 亀の尾、雪女神、美山錦 ⇒ 出羽燦々の順に穂丈は低くなる。
      洗米・浸漬 (自動)
      自動洗米機2台
      蒸米
      室温32度、湿度32%の蒸米室で約1時間蒸す。
    2. 醸造
      製麹 (麹造り)
      麹室で3日間掛け、4日目朝出麹
      酒母(酛) 造り
      中温速醸酛。7日間でAlc.11%にUp.
      10℃以下で1カ月間低温発酵
      仕込み蔵
      6000klタンクと3000klタンク(より高精白用)
      上槽 (搾り)
      パネルを数枚横型に重ねたアコーディオン型搾り機にかけると水分と酒粕に分離。粕はパネルに付着。
    3. 出荷準備
      瓶詰め、 火入れ
      11月1日より出荷予定。
  • 鳥海山から流れる水系
  • 試飲

    以下3種類を試飲
    1. 純米大吟醸源流冷卸(羽州ほまれ使用、精米歩合50%)
    2. 純米大吟醸 Shield(亀の尾の親品種である惣兵衛使用、精米歩合50%)
    3. 純米大吟醸蔵元限定しろがね白銀(出羽燦々使用、精米歩合33%)
  • 輸出

    売上げのほぼ20%、中国多い(高級品中心のため)他に20数カ国。

2)東北銘醸

  • 同社概要

    明治初期に北前船による回船問屋として栄え、1893年酒造りに転じた。
    創業以来一貫して伝統的生酛造りによる酒造りに徹し現在も全量生酛。当初の「金久」ブランドは創業家に初孫が誕生した昭和の初めに初孫ブランドに。
    蔵に働く蔵人は15名、うち3~5名は兼業農家夫。H26年酒田市内より現敷地に移転(隣はエプソンの工場)。広い敷地内には「蔵探訪館」を据え見学可。

  • 製造工程の説明
    (楯の川との違いのみ)

    米は全て契約栽培農家より購入、美山錦、出羽燦々等の酒米と飯米も使用。

  • 鳥海山からの水系。水は硬度20~30度と“超軟水”
  • 輸出

    2000年頃から、米国中心。
  • 試飲

    生酛純米魔斬(精米歩合55%)他

両社共に自動化、機械化に積極的

世話役 : 新庄 正彦(1283)