健康医療研究会Zoomセミナー

健康医療研究会ワイガヤ健康サロン(自由放談会)第1回

撮影:小林 慎一郎
2023年12月8日

2023年11月17日(金)15:00より、健康医療研究会主催による第1回ワイガヤ健康サロン(自由放談会)を開催しました。

健康医療研究会はこの6月で設立満7周年を迎え、これまで32回のセミナーを含め様々な活動を展開して参りました。そうした中で本年6月にはこれまでの専門家を招聘してのセミナーとは異なったスタイルで、会員のみによる自由な形式での意見交換会を実施しました。

その席上では会員の体験、意見等が赤裸々に語られ、活発な意見交換がなされました。また事後のアンケートにおいても、「続編を希望する」との回答者全員の意見が寄せられたことから、新たに「ワイガヤ健康サロン」と題して、DF新橋オフィス751スタジオとZoomのハイブリッド形式にてその第1回を実施しました。

始めに、司会の健康医療研究会世話役の江村からの趣旨説明と事前に寄せられた「希望するテーマ」を紹介した上で、内容に入りました。

席上での皆様の発言は、自分の体験談、考え方、意見等多岐にわたりました。その多くは個人情報が含まれることから、個人が特定されるような情報は記さないこととしますが、テーマとしては下記のような問題が出され、それに対して参加者同士での質疑応答、意見交換が行われました。

出されたテーマ・意見

  1. 会員のがん体験
    • 数名の方からのがん経験披露
    • 膵臓がんは発見が難しい
    • 超音波内視鏡等新しい技術はあるが、まだ普及していない
    • 前立腺がんのマーカーであるPSAは上昇傾向が続くと要注意 下がれば問題ない場合もある。
      寛解するケースと一気に悪化するケースと両方あり
    • がん保険は要注意、2回目がん発見の時給付されないケースあり。
  2. 生死感
    久坂部羊氏(医師・作家)の著書に関し、会員からのリクエストにより高橋先生からコメントを頂いた。(末尾)以下は席上での議論。
    • 専門医中心の医療が問題
    • エンディングノートに終末期の治療に対して希望を書いておくことはやはり重要
    • どうやったら残りの人生を幸福に過ごせるか考えている。
      そのために美術、音楽は重要。
    • 最後は宗教の分野になる。
  3. かかりつけ医の重要性
    近くの開業医で「ちょっと心配な点がある」との指摘を受け、それが契機で重大な疾患の発見につながった。
  4. 検査データの見方、考え方
    一喜一憂は如何なものか。
    血圧の変動、ばらつきを見ることは重要
    正常値も学会により時々変更される。
  5. 高齢者のウオーキング
    筋肉痛が出る場合は慎重に
    筋トレは高齢者も重要
  6. 腎臓病には要注意、いい専門医を紹介できる。

総括

参加者の皆様が極めて率直に種々の意見を出して頂いたことや、またそれに対する意見交換があったことで、種々の健康に係わる情報・経験が共有されたことは極めて有意義であり、今後の皆さんの生き方・考え方に大いに参考になったのではないかと自負しています。

アンケート結果

終了後にメールで依頼したアンケートにおける主要なコメントは以下の通りです。

  • 髙橋先生およびメンバーの皆様のご経験と思いが効けて良かったです
  • どんな治療を受けるのか、選ぶのは自分だ、とのご意見に尤もだと思った
  • 人生を豊かにするために、絵画鑑賞力向上努力や音楽鑑賞に「心震える思いがした
  • シニアと言っても年齢が違う先輩のお話が聞ける機会があって有難い

なお、アンケートを含め、上記表現以外の参加者情報、発言内容等は参加者以外には出さないように十分留意致します。

今後同様の形式での意見交換会は引き続き企画していきたいと考えます。引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。またテーマ、やり方について、その他ご意見がありましたら、下記事務局あてご連絡を頂ければ幸いです。

事務局 dfkenkohiryo@directforce.org
今後ともよろしくお願いいたします。

会員から高橋先生への質問

最近、久坂部羊先生(医師・作家)の「人はどう老いるのか」と「人はどう死ぬのか」を読みました。
前者の副題は「医者はホントは知っている 楽な老い方 苦しむ老い方」
後者の副題は「幸せな死を迎えるためには予習が必要です」とあり、
医療への幻想を捨て、老いの現実を受け入れ、平穏な死を迎えるためには予習が必要と指摘されておられます。死が近づいたら在宅医療と緩和ケアで苦しまないように準備すべきと説いておられます。

同回答

「医者はホントは知っている 楽な老い方 苦しむ老い方」について
読んでいないので私の推測を交えます。(多くの)医者がこのような知識を持っているなら私ももっと楽観的になれるのですが、専門医医療中心に変わりつつある現在、その可能性はますます少なくなっているでしょう。名刺を持たない生活が喜ばしいと感じるこの頃、医者という衣も最小限に縮めていきたいと思っています。

「幸せな死を迎えるためには予習が必要です」 予習は学ぶという姿勢のことであれば、その態度は悪くないと思います。考え続けることは大切だと思うからです。ただし、幸せな死というのは学べるかというと疑問です。 意図してどうなるものではないでしょう。老年的超越がカギを握るように思います。

以上(江村 泰一)