健康医療研究会Zoomセミナー

健康医療研究会意見交換会
「高齢者におけるより豊かな今後の精神生活に向けて、
自分たちで考えてみる」

2023年8月9日

2023年6月21日(水)15:00より、健康医療研究会主催による意見交換会を開催しました。

健康医療研究会はこの6月で設立満7周年を迎え、これまで31回のセミナーを含め様々な活動を展開して参りました。そうした中で本年2月には高橋龍太郎先生(元東京都健康長寿医療センター研究所副所長)と長田久雄先生(前桜美林大学大学院副学長、現特任教授)をお招きしての講演会を実施しました。その時のテーマであった「高齢者の心理に分け入りより豊かな今後の精神生活を探る」というテーマとその内容については、われわれとしても更に掘り下げて、自分たちで考えてみることが必要と考えました。そこで今回はこれまでとスタイルを変え専門家は招かず、DF会員のみでの意見交換会を実施することとしました。方式はDF新橋オフィス751スタジオとZoomのハイブリッドとし、751には8名、Zoomでは16名、計24名の会員が参加しました。

始めに、司会の健康医療研究会世話役の江村からの趣旨説明と司会者が考える論点の整理を説明、また本日は意見交換会との趣旨から極力多くの方からご発言を頂くようお願いして、内容に入りました。

席上での皆様の発言は、自分の体験談、考え方、意見等多岐にわたりました。その多くは個人情報が含まれることから、個人が特定されるような情報は記さないこととしますが、テーマとしては下記のような問題が出され、それに対して参加者同士での質疑応答、意見交換、アドバイス等の発言があり、中には現在なんらかの疾患を抱えている方もおられましたが、多くの激励の言葉も出ていました。

<出されたテーマ>

  • 医者の選び方 現在かかっている医者を変えるにはどうすればいいか
  • 最期の時の迎え方(家族の送り方)― 終末期の医療をどこまで実施するか。
  • 在宅医療・在宅介護の現状、かかりかた
  • 地域包括医療センターの使い方
  • 尊厳死・遺言書の作成
  • 自分の病気の経験談・対処法

<総括>

  • 自分の問題、家族の問題等種々あるが、よい医者の選択(訪問医療を含め)、終末期の医療をどうするか、地域包括支援センターの活用等が主要な論点
  • DFのメンバーは、今は元気でも、本人・家族に何時こういった問題点が生じるか分からず、備えとしての種々の知識習得、情報交換が必要との感を強く持ちました。
  • 参加者の皆様が極めて率直に種々の意見を出して頂いたこと、またそれに対する意見交換があったことは極めて有意義だと感じました。

<高橋先生からの事前質問に対するご回答の一部紹介>

参加者募集時に事前質問を頂き、当会アドバイザーの高橋龍太郎先生から回答を頂いております。その中から上記医者の選び方(医者を変えたい場合)に対する助言を紹介します。

  • 医者選びについて

    医療も人間対人間の信頼関係ですので、相性が合うかどうか、かかりつけ医として適当かどうかの基準の正解はないでしょう。あくまでも私の経験をもとにした一般論ですが、自分(その医師)の守備範囲をきちんとしている人であればおおむねうまくいくのではないかと思います。つまり、自分の守備範囲を超えていると思ったら、適正な他の医療機関に紹介する機会を作ってくれる人です。

    日常診療の場面で、こちらの訴えに聞く耳を持たない人と信頼関係を作るのは難しいでしょう。現代の医師は、患者さんが他の医療機関に移ることを気にすることはほとんどありません。もし他の医療機関に行ってみたいということであればそうしてよいでしょう。初診で紹介状を求める病院にいきたいのであれば、近くの他のクリニックに行って、紹介状を書いてほしい内容を話せば書いてくれると思います。紹介状だけなど書けないという医師はたまにいますが、そんな人は相手にせずまた別のところに行けばよいでしょう。

<アンケート結果>

終了後にメールで依頼したアンケートには10名の方からご回答を頂きました。

結果は以下の通りです。(6月24日14時までにご回答を頂いた分)

  • 概括的な感想としては7名が「大変参考になった」、3名が「参考になった」との評価でした。
  • このような形での意見交換会の続編を希望するかとの質問には回答者10名全員が yes と希望されました。
  • 特に参考になった点、感想、コメントにつき代表的なものを以下に記します。
    (重複するものは割愛、個人が特定される表現は変更・割愛)

    <参考になった点>

    • 地域包括支援センターの活用の仕方
    • 延命治療に関する考え方
    • 医者との付き合い方について多様な見方がある。
    • かかりつけ医の選び方と付き合い方、地域包括支援センターの活用について
    • 闘病、介護、家族の方々とのかかわりなど大変参考になりました。

    <家族・友人に伝えたいと思った事柄>

    • 地域包括センターを利用すること
    • 訪問診療・介護の態勢や使い方
    • 訪問医療、訪問看護
    • 自分たちの延命治療に対する考え方の再確認(積極的な延命治療は望まないなど)
    • 心の不安感をどう乗り越えてゆく対処法と自尊感情をもつことの重要性について

    <意見交換会の良い点>

    • 皆さんの意見を聞けること
    • 色々なケースが聞けて参考になる
    • 他人の健康状況や色んな状況下に於ける考え方を知ることは、今後の自分の行動の仕方に役立つと再認識できた。
    • 色々な価値観・考え方があることが分ることです。
    • 何人かの方から率直なご発言があった。このような機会はご本にとって、また、参加者全体にとって貴重。少しだが、相互の意見交換があったことも良かった。今後、こうした交流が増えると良いですね。
    • 同じ年配、同じ悩みを抱えた仲間同士であり、気楽に話せる点

なお、アンケートを含め、上記表現以外の参加者情報、発言内容等は参加者以外には出さないように十分留意致します。

今後同様の形式での意見交換会は引き続き企画していきたいと考えます。会員の皆様の参加をお待ちしております。またテーマ、やり方について、その他ご意見がありましたら、下記事務局あてにご連絡を頂ければ幸いです。

事務局 dfkenkohiryo@directforce.org
今後ともよろしくお願いいたします。

以 上(江村 泰一)