企業ガバナンス部会主催研究会成果発表会開催

2023年8月10日

2023年度企業ガバナンス部会第18クールの最後を飾る研究会A、B両グループによる研究成果発表会が、7月29日(土)、日比谷図書文化館にて開催されました。

昨年12月に両グループがキックオフしてから7カ月間、毎月2回以上夜間に集まって侃々諤々議論したその成果を論文に纏め、当日はそのエッセンスをパワーポイントスライドに集約して発表しました。

オンラインは採用せずにリアルで開催したのですが、真夏の炎天下のカ休日にも関わらず、DF会員を中心に延べ42名の参加を得て盛大に催されました。

尚、両グループの研究論文は、企業ガバナンス部会のHP「研究会」の欄にアップされていますので、関心のある方は是非ご一読ください。

1. Aグループのテーマ
「中小企業・スタートアップ企業のガバナンスのあり方やESG対応について、
社外役員としてどう取り組むべきか?」

午前10時30分から研究会Aグループのメンバー6名(喜藤[リーダー]、河井、門田、平野、深井、松井)が、中小企業の社外役員に就任したつもりでどう対処したらよいのか? を追究するために、中小企業の社外役員だったDF会員や、DF会員から紹介を受けた9社の中小企業の経営者に直接インタビューして、どうしたら本音の答えを引き出せるか工夫を凝らした質問を投げかけ、相手から率直で生々しい回答を得ながら、自分たちが社外役員の立場でどう取り組むか考察しました。

この研究手法は、過去18年間の研究会活動の中でも初めての方法であり、相手から本音の話を聞き出したことは画期的であったと考えます。そして、2年前の小研究会で発表された「中小企業評価チェックリスト」から知見を得て、企業の発展段階による類型化を試みたことは、知見の継承という点でも特筆されましょう。

小谷メンターの司会で進行した発表後のQ&Aでも評価するコメントや感想を頂戴しました。研究成果もとてもユニークであり、日本の99%を占める中小企業の実態が赤裸々に浮き彫りになったことの高評価もいただいた。また、中小企業の経営者の意識改革がいかに難しいか、ガバナンスどころではない実態も具体的に実例が挙げられ、会場全体が納得感のある充実した2時間となりました。

2. Bグループのテーマ
「現在進められているガバナンス改革は、
本当に企業の持続的な成長と企業価値向上に効果をあげているか?」

午後2時から研究会Bグループ7名(加藤[リーダー]、木伏[サブリーダー]、細谷、東條、千田、斎藤[龍]、斎藤[周])が各担当項目(①コーポレートガバナンスの歴史、②コーポレートガバナンスコード、③取締役会事務局、④期待される社外取締役像、⑤統合報告書、⑥人的資本経営)を熱弁を揮って説明し、最後に加藤リーダーが総括をして報告は終了しました。

当研究会に加わるまでは加藤リーダーを除き殆どコーポレートガバナンスに縁のなかったメンバーがゼロから勉強を始め、論文にまで仕上げた各人の努力の凄さは、パワーポイントスライドを見ただけで参加者全員が感じたことでありました。

質疑応答では橋本メンターの司会で様々な意見が出ましたが、今後も同様のテーマで研究を継続すべき、DFの実践活動に活かす、DFで社外取締役の育成プログラムを検討すべき、TCFDについて環境部会を連携したい、などの前向きなコメントがありました。

3. 懇親会

コロナで中断していた報告会後の懇親会を4年振りに神田司町の中華料理店に場所を移して開催しました。メンバーはA、B両グループ13名、世話役会6名、そして会場から参加された2名の計21名で大いに盛り上がりました。7カ月間のお互いの健闘を称え合い、これまで交流の無かった会員同士が知り合い、知り合い同士はさらに分かり合って豊富な話題が尽きないひとときとなりました。

長期に亘ってメンバー同士で議論し合った仲間たちは、これからは同窓会的な集まりに変わっていくものと思われます。

4. おわりに

企業ガバナンス部会は、会員同士の交流は勿論、会員外の皆さまも毎月のセミナーなどに参加して頂いていますが、このような輪が益々広がるように引き続き努力して参りますので、さらなるご支援、ご協力をお願い致します。

以 上(企業ガバナンス部会長 平井 隆一)