2022年10月7日
- 日時
- 2022年9月28日(水)14:00~16:00
- 場所
- DFスタジオ751 + Zoomのハイブリッド形式
- 講演者
- 寺崎志野氏(DF会員、元東レACS社長、東京キワニスクラブ会長ほか)
- テーマ
- 私のガバナンス要諦~「修流志不変」、「鬼心仏心」、「小人閑居して不善を為す」
- 参加者
- 34名(スタジオでの参加者7名含む)
【講演概要】
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サラリーマン44年 お茶汲み~社長まで
最初は高卒女子と同等の扱い、日々の努力と持ち前の積極性で、短期間でプログラマーに
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システム開発エンジニアとシステム営業マン
- 東レのパイオニア:女性初づくし(私服、宿泊出張、海外出張、住宅融資 etc.)
- 東欧・米国へのシステム輸出を通じて、世界を意識するシステム開発エンジニアに
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世界初を追い続けた開発者精神
- アパレルCADパソコンシステム開発プロジェクトのリーダーとして、新たな市場創造に成功
- 国内営業へ転向し、「売る」困難さを実感(得難い体験)
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10年先の市場を見る心
10年後の市場予測~繊維産業のアジアシフトを予測しアジアをターゲットに
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グルーバル市場での立ち居振る舞い
- 海外市場開拓~歴史、文化等の理解必須
- 初めての上海から中国各地へ。そしてミラノへ➨この出張がその後の仕事に大いに好影響
- アジア各国に拠点網
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私の行動はガバナンスの真逆?:私流ガバナンス?
- 原文「従流志不変」のところ、当時の東レの前田勝之助社長が「流れに従わず修めろ」との指導。以来、「修流志不変」を座右の銘とする。また、「鬼心仏心」でマネジメント
- 東レACS社長就任~初のリケジョ社長。経理伝票全数チェック→組織改編、若手抜擢
- フリーアドレスオフィスに、社員全員にノートパソコン&携帯電話支給、ACSシステムのクラウド化でネットビジネス支援、女性に嬉しい在宅勤務可能に、など改革徹底
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特別編
Netflix でマネジメント、リスク管理を学ぶ~4本の海外制作ドラマ
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私の信条
- 明日死んでも良いか
- 整理整頓
- 小人閑居して不善を為す
Q&A
- Q1.
- 営業一筋でやって来たが、メーカーの場合製品(技術)優位なので、営業部門は語れない。システム開発に加えて営業の難しさも経験されてどうでしたか?
- A1.
- 営業の厳しさ実感。時には落ち込んでウツ状態に。しかしそこから這い上がった。
- Q2.
- 講師と同じ繊維メーカーに永年勤務し、女性活躍推進派であったが、なかなか進まず。沢山の壁や天井があったと思うが?
- A2.
- 女性初を数えられないくらい実現し、後進に道を拓いた。壁と思わず、進めばよい。
- Q3.
- 後輩の女性達へのアドバイスを
- A3.
- 父親も経営者で、幼い頃から立ち居振る舞いを教わった。母からも仕事は大変なのは当たり前と言われている。会社に入ってから、愚痴を聞いてくれたりアドバイスを貰ったりする「メンター」が居たので大変助かった。励ましの言葉が有難い。若い女性は是非「メンター」を作ることをアドバイスしたい。男性が良いと思うが、自分で探すこと。そして、自分を信ずれば何とかなるものだと思う。
アンケート結果
質問1.講演についてのご感想は?
とても良かった:54.5% 良かった:45.5%
質問2.上記の感想の理由は?
- 女性活躍の先例としてDF女性会員に聞いてもらいたかった。また、家庭との両立もどうされたかを語って頂ければもっと女性会員に参考になったかもしれません。
- 入社以来、パイオニアとして果敢に挑まれて来た一部始終をシェアできてとても良かった。国内、国外を問わず実行されたガバナンスの実行力に敬服致します。
- 女性社長誕生ストーリーで、ダイバーシテイ成功事例として次世代に語り継ぐべきものです。
質問3.改善すべきことは?
- 企業価値をどう高めたか、裏付けとなる経営戦略は何だったか、を語って欲しかった。
- 先進的型紙CADシステムを作ったのに、なぜ繊維業界のグローバル・プラットフォーマーにならなかったのか、むしろそこに興味が湧いた。日本企業の共通する弱点ではないか、と感じた。
- 会社初をいくつもやり遂げた精神力の源、出る杭が打たれなかった理由は何でしょうか?
- 働き盛りの女性、共働きの若い夫婦などに是非聴いて頂きたい内容でした。情報発信とその受け手につき検討が必要と思います。
質問4.講演者のご希望があれば?
→ 特になし
質問5.その他ご意見は?
- DF会員のこうした立派な経験や知見を次世代に役に立つように伝えられないでしょうか。対象、媒体など考える必要があると思います。
- 講演者の実力+運、それに東レという会社の懐の深さが印象的でした。
以 上