2023年6月13日、約3年ぶりに「食と農業研究会」の施設見学会を実施することができました。
コロナ禍でほとんどの企業が、外部の人たちに対する工場・施設の見学を中止して、約3年が経ちました。ようやく一部の企業が外部の人間に対する受け入れを再開し始め、徐々に拡大してきました。
私たち「食と農業研究会」も活動を再開し、会員17名が参加して、千葉県四街道市のハウス食品グループ(株)千葉研究センター見学会を実施。新製品開発、開発体制、成分分析、新種開発、等々の説明を受けました。
今回は、DF会員以外にも国際養殖産業界の会員である、大岩辰裕氏も特別参加されまして、交流を深めました。
ハウス食品グループ側からは;
- ハウス食品グループ本社(株) 研究開発本部長 取締役 宮奥 美行 氏、
- ハウス食品(株) 研究開発所長 取締役 中島 敦 氏、
- ハウスウエルネスフーズ(株) 開発研究所長 常務取締役 山本 佳弘 氏、
司会進行で、ハウス食品グループ本社(株)研究開発本部イノベーション企画部グループ長の森下 靖氏の4名参加され、個別の説明はグループ各社の担当者に行っていただきました。
見学内容は;
- ハウス食品研究センター研究所概要説明
- ハウス食品分析テクノセンター業務紹介
- アグリ素材事業の案内 ハーブ園の見学
- 研究所内見学
- 意見交換タイム
千葉研究センターは、開設30年で、総勢430名の人員を抱え、ほとんどが理系、女性が半分以上を占めている感じを受けました。
研究所の歴史は;
- 1913年
- ハウス食品の前身である浦上商店が創業
- 1961年
- 研究室を創設、1970年に研究所竣工
- 1993年
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千葉四街道市に、ソマテックセンター(現研究所の前身)を開設
東大阪、千葉の2拠点体制となる。 - 2002年
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研究開発機能を千葉に統合
現研究センターへの投資額は100億円、約5000平方メートルの敷地を有しています。
研究所の歴史は;
研究開発から事業化、製品化へは;
技術開発、製品開発、素材栽培加工等と、研究開発、製品サービス、BtoB、BtoC 等の製品開発研究等を行っております。
One Day a Week(20%ルール)というの特別なルールがありまして、1週間のうち1日を使って、担当以外に本当にやりたいと思うことを他のメンバーと交わりながら、実現を目指す活動。これらを通じて、R&D変革 = 新しいことにチャレンジする風土形成をしているそうです。
1つの事例として「バジルクレヨン」;
残渣を利用して「彩るスパイス時間 CRAYONS」という、バジルを練りこんだクレヨンを開発し販売している(限定商品)。
また、工場残渣の堆肥化、ワサビ根茎の鮮度保持=色の変化を抑制する技術等、特許出願済みの技術等。
アグリ関連ビジネスとして;
- 独自玉ネギの国内展開 涙の出ない玉ネギを開発(イグノーベル賞受賞)
- 辛味をほとんど感じない新しい玉ネギ(新種開発)
- 植物工場野菜の検討
- デリカシェフ(サラダ工場)― CVS加工サラダ
- 壱番屋 サラダドレッシング
ハウ食品分析テクノサービス;
- 安心、安全の「見える化」
- 異物、異臭分析
- 食物アレルゲン検査
- 栄養成分・機能成分分析
- 官能物性評価(価値の見える化支援)等の業務を行っており、国内大手食品メーカーの各種製品分析を受託している。
見学会終了後、千葉駅隣接の居酒屋で、懇親会を実施。
3年間のコロナ禍での自粛を吹き飛ばすかのような、盛大な飲み会が行われ、年齢を忘れさせるほどのお酒をいただきました。
新入会員の紹介では、唯一の女性会員である藤吉さんや、山形さん、外部からの特別参加の大岩氏の紹介をさせていただきました。
今後の活躍が期待されます。
また、ハウス食品分析テクノサービスと、当会会員の児玉氏がリーダーシップをとっている、岩手県八幡平市のバジルの温泉水利用栽培についての、技術支援等の話も進行し始めて、意義のある見学会でありました。
次回は秋に、キユーピー社関連の深谷テラスを予定しております。