ハウス食品グループ 千葉研究センター見学会

食と農業研究会   トピックス
2023年7月10日

2023年6月13日、約3年ぶりに「食と農業研究会」の施設見学会を実施することができました。

コロナ禍でほとんどの企業が、外部の人たちに対する工場・施設の見学を中止して、約3年が経ちました。ようやく一部の企業が外部の人間に対する受け入れを再開し始め、徐々に拡大してきました。

私たち「食と農業研究会」も活動を再開し、会員17名が参加して、千葉県四街道市のハウス食品グループ(株)千葉研究センター見学会を実施。新製品開発、開発体制、成分分析、新種開発、等々の説明を受けました。

今回は、DF会員以外にも国際養殖産業界の会員である、大岩辰裕氏も特別参加されまして、交流を深めました。

ハウス食品グループ側からは;

  • ハウス食品グループ本社(株) 研究開発本部長 取締役 宮奥 美行 氏、
  • ハウス食品(株) 研究開発所長 取締役 中島 敦 氏、
  • ハウスウエルネスフーズ(株) 開発研究所長 常務取締役 山本 佳弘 氏、

司会進行で、ハウス食品グループ本社(株)研究開発本部イノベーション企画部グループ長の森下 靖氏の4名参加され、個別の説明はグループ各社の担当者に行っていただきました。

見学内容は;

  1. ハウス食品研究センター研究所概要説明
  2. ハウス食品分析テクノセンター業務紹介
  3. アグリ素材事業の案内 ハーブ園の見学
  4. 研究所内見学
  5. 意見交換タイム

千葉研究センターは、開設30年で、総勢430名の人員を抱え、ほとんどが理系、女性が半分以上を占めている感じを受けました。

研究所の歴史は;

1913年
ハウス食品の前身である浦上商店が創業
1961年
研究室を創設、1970年に研究所竣工
1993年
千葉四街道市に、ソマテックセンター(現研究所の前身)を開設
東大阪、千葉の2拠点体制となる。
2002年
研究開発機能を千葉に統合
現研究センターへの投資額は100億円、約5000平方メートルの敷地を有しています。

研究所の歴史は;

基礎研究、アグリ素材、容器包装、海外支援、知的財産、イノベーション企画、お客様生活研究等の研究開発を本社研究開発グループが担当し、新製品開発、製品改良等は、各社の研究所が担当する体制です。

研究開発から事業化、製品化へは;

技術開発、製品開発、素材栽培加工等と、研究開発、製品サービス、BtoB、BtoC 等の製品開発研究等を行っております。

One Day a Week(20%ルール)というの特別なルールがありまして、1週間のうち1日を使って、担当以外に本当にやりたいと思うことを他のメンバーと交わりながら、実現を目指す活動。これらを通じて、R&D変革 = 新しいことにチャレンジする風土形成をしているそうです。

1つの事例として「バジルクレヨン」;

残渣を利用して「彩るスパイス時間 CRAYONS」という、バジルを練りこんだクレヨンを開発し販売している(限定商品)。

また、工場残渣の堆肥化、ワサビ根茎の鮮度保持=色の変化を抑制する技術等、特許出願済みの技術等。

アグリ関連ビジネスとして;

  • 独自玉ネギの国内展開 涙の出ない玉ネギを開発(イグノーベル賞受賞)
  • 辛味をほとんど感じない新しい玉ネギ(新種開発)
  • 植物工場野菜の検討
  • デリカシェフ(サラダ工場)― CVS加工サラダ
  • 壱番屋 サラダドレッシング

ハウ食品分析テクノサービス;

  • 安心、安全の「見える化」
  • 異物、異臭分析
  • 食物アレルゲン検査
  • 栄養成分・機能成分分析
  • 官能物性評価(価値の見える化支援)等の業務を行っており、国内大手食品メーカーの各種製品分析を受託している。

見学会終了後、千葉駅隣接の居酒屋で、懇親会を実施。

3年間のコロナ禍での自粛を吹き飛ばすかのような、盛大な飲み会が行われ、年齢を忘れさせるほどのお酒をいただきました。
新入会員の紹介では、唯一の女性会員である藤吉さんや、山形さん、外部からの特別参加の大岩氏の紹介をさせていただきました。
今後の活躍が期待されます。

また、ハウス食品分析テクノサービスと、当会会員の児玉氏がリーダーシップをとっている、岩手県八幡平市のバジルの温泉水利用栽培についての、技術支援等の話も進行し始めて、意義のある見学会でありました。

次回は秋に、キユーピー社関連の深谷テラスを予定しております。

以上(峯脇 達也)