山崎雅史レポート
データで見る電動車への推移 2023年夏

活躍する会員(2023)

2023年9月1日

山崎雅史会員(804)が継続してウォッチしている電動自動車産業界の2023年前半の動向を動画にまとめました。


2023年の前半を区切りとして、今回、データを分析しながら中国をはじめとする主な市場でその後の電動化がどのように推移しているのかを調べまとめてみました。

興味を持ったのが中国BYDのその後の躍進で、特に今年の春にガソリン車並みの価格で市場に出してきたPHVの販売状況と、どのようにしてそのような価格でPHVを販売することができるのかの背景でした。

BYDのPHVに関する技術情報はほとんど手に入れることはできませんでした。しかし、BYDのPHVは我々の頭にあるエンジン車からの「足し算」で生まれるPHVではなく、BYDならではの低価格のEVから「引き算」で生まれたPHVゆえに低価格が実現できたということがわかりました。

そしてこの低価格のPHVが今、中国の電動化の流れに異変を起こしつつあり、データを見る限りEVの普及は22%くらいで頭打ちになり、一方、PHVはじわじわと増えつつある現状となっています。

エンジン技術を得意とする日本の自動車メーカーは早急にBYDに太刀打ちできる低価格のPHVを開発、投入することこそが、中国で販売が低調になりつつある日本メーカーの取るべき最良の方策のような気がいたします。

バイデン政権によるインフレ抑制法は米国でのEVの販売の追い風になっており、EVの在庫と選択肢が整えば一気に二桁台の新車販売シェアになるような気がします。

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電動自動車の現状が30分で良くわかる見ごたえのある動画です。

以上(小林 慎一郎)