新型コロナウィルスの影響で、出前理科実験授業が減少していた時期を利用して、2021年春から10名程のメンバーが参画して、「植物」のテーマ開発を始めました。その後、毎月1回程度のZoom併用の検討会を重ね、このたび、25番目のテーマ「ミクロの世界をのぞいてみよう」~植物の持つすごいちから~」を完成させました。
生物系は物理、化学と比べると生き物を扱うので、どうしても長期にわたる観察を要するため、授業コマ単位でのテーマ化が難しくなりますが、教育現場からの要求は高いものとなっています。
そこで、今回は身の回りの花で、植物が生きていくエネルギーのもととなる養分を自ら作り出す仕組みとその組織をルーペ、顕微鏡を使って観察し、ミクロの世界を実際に体感できるように工夫しました。27億年前に誕生したと言われている植物は、自らは動くことができないものの、水と二酸化炭素と太陽光から光合成で養分を作りだし、自ら養分を作ることのできない動物の生命も支えているという生物の世界を子どもたちに学んでもらいます。
授業の最後にはカード状の台紙2枚と2mm径の小さなガラスビーズを使ってレーベンフック顕微鏡を子どもたちに作ってもらい、自宅でも身の回りの自然を観察できるように、お土産としています。
この2年間の開発の過程では、我々も多くを学び、子どもたちに何を伝えるか討議を重ねて、多くの実験を試みて、現在に至りました。テーマ完成後も、季節に合わせた授業ができるように色々な植物を対象に観察試料作りを繰り返し、プログラムのブラッシュアップに努めています。