第85回の例会は、2023年11月7日(火)対面+Zoomリモートのハイブリッドで開催し、対面で6名、オンラインで1名が参加しました。
今回の報告は世話役(山本明男)からの「タンザニア サファリの旅-動物とマサイの故郷を訪ねて-」のみで、今年のGWに夫婦で旅したサファリツアーの様子とタンザニア全般について1時間半に渡り詳しく報告しました。
例会の後半は、今後の海外旅行研究会の活性化について自由討議を行いました。メンバーの高齢化と新規会員の趣向の変化、コロナ禍以降の円安・旅費高騰などにより海外旅行が難しくなる状況において、新たな打開策を模索しました。例会後の懇親会(今回の会場は新橋駅至近の老舗イタリアンレストラン)においても白熱した議論が続きました。
今後の打開策として「華写の会(写真同好会)」と「海外旅行研究会」とは活動内容に親和性があり、複数のメンバーが重複していることから、二つの同好会を合流し、新たに『海外旅行・写真・食の会』という名称で同好会を衣替えしてはどうかというアイデアが出されました。それぞれの同好会の個別活動は維持しながら、新たに「食」もキーワードとなったので、世界のフードを味わいながら、旅への想いと個人体験をシェアするのも楽しいかもしれません。
これから両同好会メンバーからの意見を踏まえ、来年以降、同好会の活性化に向けた新たな活動スタートを検討することとなりました。
海外旅行研究会に関心のある方は、是非、世話役(山本明男)までご一報ください。
以下はタンザニアの報告概要です。
タンザニア サファリの旅 -動物とマサイの故郷を訪ねて-
今年の4月29日から5月8日まで夫婦でアフリカのタンザニアを旅した。ちょうど新型コロナ感染症が第5類に移行した時期でもあり、4年ぶりの海外旅行で、念願のサファリ体験ツアーにワクワクしていた。少人数のグループツアーとなる予定であったが、直前にキャンセル者が出たため、我々夫婦と添乗員だけの豪勢な個人ツアーとなった。
ドバイ経由でタンザニアの東海岸にある商業都市ダルエスサラーム空港へ、そこから小型飛行機に乗り換え、キリマンジャロ山麓にあるアルーシャのホテルに夜到着。日本を出てから実に30時間の長旅であった。
3日目はランドクルーザーに乗車し、最初の目的地「ンゴロンゴロ自然保護区」へ向かい、外輪山にあるロッジで宿泊。標高2300mにあるため夜は冷え込み、ホテルで湯たんぽを用意してもらい、寒さをしのぎました。「ンゴロンゴロ」とはマサイ語で「大きな穴」の意味で、そこは300万年前にできた火山噴火後のカルデラで、広さは東京23区の半分位あり、サバンナ生息の動物たちはこのカルデラ内で一生を終えるとのこと。
4日目の朝、濃い霧が立ち込める外輪山の山道から600mほど一気に下っていきます。途中、高山植物の花が咲き乱れる景色に見とれていると、草むらから突然バッファローが出てきて、やはりここは野生動物の生息地だと納得(写真①)。クレーターに着くと晴天、季節は雨季の最後で気温は25℃位で快適な気候でした(写真②)。
運転手兼ガイドはマサイ人のカストロ君、スワヒリ語はローマ字読みに近いせいか、すぐに日本語を覚えます。視力は超人的で我々には全く見えない距離から動物を探し出します(写真③)。
この日はすぐにガゼル、シマウマ、ヌー、バッファロー、ゾウ、ダチョウ等に会い、幸運にもライオンの親子連れを間近で見ることができました。途中ヒヒの大移動や白い蝶の群れにも遭遇しました(写真④)。
野外ピクニックエリアでの昼食時、添乗員さんが食べようとしていたチキンを突然舞い降りてきたトビが略奪!その脇では、そしらぬ顔でランチのおこぼれを狙うアフリカハゲコウなど、サファリでの食事はスリル満点です(写真⑤)。サファリロッジ敷地にはガゼルが迷い込み、自然と共存の世界にビックリ。夜は男女のマサイ・ダンスを見ながら土地の料理を楽しみました(写真⑥)。
5日目、ンゴロンゴロを出発し、四国の面積ほどの広大なセレンゲッティ国立公園へ向かいます。途中、マサイ村に立ち寄り、電気・ガス・通信設備もない中で、一夫多妻制の原始的な放牧生活をするマサイ族の生活を見学しました。小枝に牛糞と泥をこねて作った粗末な住居、掘っ立て小屋の幼稚園、男性は垂直ジャンプ、女性は首を揺らす伝統的踊りなどを一緒に体験することができました(写真⑦、写真⑧)。
その後、人類祖先の化石が発掘されたオルドバイ渓谷を見学(写真⑨)。そして湖の脇にある観光ロッジで大パノラマの景色を見ながら昼食。午後の探索ではライオンの大家族に遭遇、本当にラッキーでした(写真⑩)。
6日目は、セレンゲッティ国立公園では、インパラやキリン、イボイノシシ、マングース、ナイルワニ、ベルベットモンキー、オオトカゲなどの野生動物と、エジプトガン、ホロホ鳥、ヘビクイワシ、アオサギ、ブッポウソウなど多くの珍しい鳥たちに会えました(写真⑪)。大きな沼地でノンビリ水遊びをする100頭余りのカバの大群は、動物園では見られない光景でした。夜になると草地に出て食べ物を探すそうです(写真⑫)。
7日目もセレンゲッティで延々と動物探しのドライブ。舗装されていないガタゴト道を長時間走ると、激しい揺れでスマホの万歩計がすぐに1万歩以上になります(写真⑬)。今日は木の上で休みながらエサを食べるヒョウを発見(写真⑭)。
さらにライオンの親子にも会え、5日間の間にこれだけ多くの肉食動物に会えるのは本当にラッキーだと添乗員さんも驚いていました。夕方は夕日を眺めながら野外でバーベキューの予定でしたが、突然のスコールでやむなく中止。サファリロッジでの最後の食事では、レストランスタッフが陽気に歌いながら我々にケーキをプレゼントのサプライズもあり、想い出深い夕べとなりました。
8日目は、セレンゲッティ国立公園の中にある飛行場に到着。ここはエアポートとは呼ばず、Air Strip と呼ばれる簡易飛行場で、簡素な建物と舗装していない滑走路が1本あるだけ。その脇で空港スタッフが楽しく歌いながらカマで草刈りをする様子を見ながら、小型セスナ機に乗り、ザンジバル島経由で飛行機を乗り換え、最後の目的地のダルエスサラームへ到着しました(写真⑮)。ザンジバル島は今では観光客でにぎわう保養地ですが、19世紀には東アフリカから中東への奴隷貿易が行われた場所でもあり、世界遺産になっています。またクイーンの歌手フレディ・マーキュリーが幼少年期を過ごしたことでも有名です。
インド洋に面するダルエスサラームは、500万人以上が住む最大の商業都市で、若者が多く活気にあふれています。市内にあるアフリカのポップアート工房ティンガティンガ村を見学。個性あふれる街の芸術家達が原色で描くアフリカの風景や動植物は、躍動感にあふれ迫力があります。可愛い動物画に我々の名前を入れてもらい、表札としてお土産にしました(写真⑯)。帰りにショッピングセンターに立ち寄り、お土産用にタンザニア名産のコーヒーやお茶などを購入。2019年よりプラスチック袋の国内持ち込みを禁止するタンザニアでは、スーパーには有料の不織布バッグしかなく、樽に入れた量り売りコーナーなど、エコ意識が高く、動物が誤ってプラスチックを飲み込まないための取り組みが行われていました。
日本から遠い国タンザニアは、当初は「サファリ」しかイメージがありませんでしたが、人懐っこく陽気でエネルギッシュなタンザニアの人々の生活と文化に触れ、多くの珍しい野生動物達を間近で見ることができ、コロナ禍の閉塞感を吹き飛ばす大変想い出深い楽しい旅となりました。