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一般社団法人 ディレクトフォース

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2015/04/01(No194)

BIG HISTORY

近藤 勝重

筆者

「宇宙創成」

ビッグヒストリーという領域がありますが、宇宙の創成から地球の歴史・生物の進化・人類の発展そして現在のインターネット社会にいたるまでの完全な宇宙の歴史を語るものです。

この中での私の最大の関心事は「宇宙の創成」です。

138億年前、宇宙はどのようにして生まれたのか。宇宙学者の間で答えが出つつあります。宇宙とはビッグバン以降を言います。

現代から遡り、ビッグバンの1秒前ぐらいまでは明らかにされてきています。ビッグバンの直前には宇宙はビーチボールぐらいの大きさの火の玉だった。ビーチボールの大きさから今や宇宙は何兆光年という無限の大きさに拡大し、光の速度を超えてまだまだ「風船」のように拡大を続けている。数えきれない銀河を形成しながら。わが銀河系は幅が10万光年。しかもこのような宇宙風船がこの宇宙の外にまだいくつあるかわからないという。

途方もない領域が広がっており、人間の存在なんて無限の極小です。

宇宙は「無」から生まれた!?

ビッグバンから現在

では、ビッグバンの宇宙創成の前はどのような状態だったのか。 一番興味あるところです。

今言われているのは、宇宙は「無」だった、宇宙は「無」から生まれたと。私はこの説を支持します。 無であったという証拠が今の宇宙です。

プラスの電子とマイナスの電子が存在します。2つが合わさると無になります。宇宙はこのような2つが合わさると無になる相対性の存在で形成されているのです。

光と闇、物質と反物質、粒子と反粒子、空気と真空、重力と反重力、男と女、雄と雌、善と悪、神と悪魔、天国と地獄、生と死などの対極・相対の存在です。相対の間に中立・無があります。

宇宙・自然・社会は相対性なのです。もし宇宙の始まりの前がどちらかに偏っていれば今の宇宙はそのようになるでしょう。

無から生まれたからこそ、相対の反対エネルギーが働き今でも無限に拡大しているのです。 その拡大エネルギーは始まりが無であるがゆえに無尽蔵で無限です。宇宙のこの相対の全エネルギーをもう一度集め直せば(宇宙収縮説)宇宙はまた元の「無」に戻ります。

この宇宙創成の秘密が明らかになるのはそう遠くないと思います。

東洋思想における「無」と「相対性(陰と陽)」

これらの「無」と「相対性」の考え方は東洋思想の原点です。

インド哲学や易経、老子・荘子の思想、仏教から禅に至る思想の系譜の基本は同じです。無とは虚であり、空であります。般若心経の世界です。 座禅という瞑想で己を無(虚)にし、心身を洗い流し受け入れる基礎とし悟りに至る。中国武術である太極拳も虚と実の動きの織り交ぜです。虚で相手を引き込み、実で打つ。柔術も同じです。

岡倉天心と「茶の本」

東洋思想は宇宙の起源を知っていたかのようです。 これを描写し、日本の精神構造の底流を世界に広めたのが、岡倉天心の「茶の本」です。 「武士道」と同じく英語で書かれています。日本の美術界の創始者でもある天心は、「茶」が完成するまでの中国からの歴史と禅との結びつき、無と相対性を論じています。

利休の死の最期を人間と自然の究極的な合一(達人の生死は花の生死と等しい)として描写します。アジア諸国の思想文化のすべてが流れ込んで、保存され貯蔵庫となった日本において総合的な融合を実現するのです。

この本によって、日本の伝統文化・芸術・精神構造は忘れ去られずに継承されました。日本画生として、私が選ぶ明治の思想家です。

結び

明治時代は「インフレーション(急膨張)を伴い、日本のビッグヒストリ1の1つを形成しました。

そういえば、宇宙ビッグバンの中核理論である「インフレーション理論」は日本の佐藤勝彦教授が打ち立てていますので、宇宙背景放射などの実証研究・観測が実れば観測者と共同でノーベル物理学賞の対象になります。

宇宙の先端研究が進んでいくことを楽しみに、私は毎週NHK‐BSの「コズミックフロント」を見ています。 マーク

こんどう かつしげ ディレクトフォース会員(No115)現・日本CFO協会

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