2013/06/01(No150)
小松 孝一
最近海外で日本人が巻き込まれる事件、事故が続発しています。日本でも事故、犯罪、環境、衛生等で決して安全とは言えない状況ですが、世界的に見るとまだまだ安全と言えます。しかし、この安全に関する日本的常識が海外では全く通用せず、反って危険となってしまいます。アルジェリアでのテロ、グアムでの通り魔的犯罪、カンボジアでの遊園地の事故等大きな事件のほか、報道されない小さな事件は海外では日常茶飯事です。個人ではいくら注意しても避けられないものも有りますが、注意さえすればある程度避けられるケースが多く有ります。
99.9%安全は非常に危険:
危険と言われている地域には絶対に行かない事。テレビの番組で芸人とか俳優がかなり危険と思われる地域を探訪しているのをよく見ますが、あれはテレビ局が事前に手配しているもので、決して一人でやってはいけません。99.9%安全と言うと非常に安全なようですが、これは10人が毎日探訪すると約3ヵ月に一回事故・事件に遭うということで決して安全ではなく、かなり危険と言えます。
武器・ドラッグ・貧困:
海外では武器を持っているのは当たり前で(米国には3億丁以上の銃がある)その上ドラッグの影響を受けている人間も多く常識が通用しません。貧富の差が非常に大きく、僅かなお金の為に犯罪を犯す人間が数多くいます。海外に慣れているはずの商社の人間でも、車上荒らし、強盗、泥棒、集団掏り、置き引き等の被害に遭っているケースは想像以上です。強盗にあった場合は絶対に追いかけてはいけません。銃で撃たれ、太腿貫通と言う重症を追った人間も筆者の傍にいます。
誘拐と言うビジネス:
特に南米諸国では誘拐も一つのビジネス形態と言っても過言ではない状況です。社有車を防弾仕様にしているのは当たり前で、ガードマンを同情させているケースも有ります。又、ある会社では駐在員の車の個人所有を禁止し、会社で運転手付きの防弾車を手配、個人的な用事にもこれを利用させている会社も有ります。小さなお子さんと一緒に海外旅行をする場合、絶対に手を離してはいけません。ショッピングの際は特に注意が必要です。
現金・クレジットカード:
多額の現金(海外では100ドル程度でも多額)を人前で絶対に見せない事。又、クレジットカードは一流の店以外では使用しない事。スキミングの被害に注意すべきです。
以上、まだまだ書き足らない位ですが、円安に向かっている現在、海外旅行計画されている方も多いと思いますが、上記を肝に銘じてバカンスを楽しんで来て戴けたら、幸いです。
こまつ こういち ディレクトフォース会員 三菱商事 米国三菱商事 現パソナグループ