
2013/05/01(No148)
詫摩 武裕
定年退職する時は昔なら隠居をして気楽に余生を過ごす年齢なのだが、今日では平均でも約20年の余命がある。そこで私は余生といえども「志」をもって生きるべきではないかと考え、いくつかの項目を胸に誓いました。
その第一は「若い人の役に立つ」ことです。私は文系ですが、DFの理科実験グループに参加しています。小学生たちと一緒に電池を作ったり紙飛行機を組み立てたりするのは楽しいし、私の「志」に合致する活動だからです。ベンチャー企業の経営者は概して若い。DFのサーチ部門から紹介されて、コンサルタントを勤めたり顧問に就任したりして、若い人たちのベンチャー企業の役に立つように努力しています。
趣味ではコンサートに行くのが好きで、大抵はクラシックですが、たまにはジャズも聴きます。なるべく若い演奏家や指揮者の出演するコンサートを選んで切符を買うことにしています。東京芸術大学にささやかな寄付をして「芸大フレンズ」という会員になり、芸大の奏楽堂で行われる学生の演奏会にもしばしば足を運んでいます。
第二の「志」は「勉強し続ける」ことです。留学や海外勤務で身につけた英語の能力が衰えないように、国内で再放送されるNHKの海外向け番組を欠かさず録画して見ています。新しい単語を覚えられるし、日本文化を英語で説明する方法を学ぶこともできます。番組によってはイギリス英語が使われることもあり、不慣れだった英国風の発音がかなり耳に馴染んできました。
大手監査法人のセミナーに行ったら、「IPO・内部統制実務士」という資格を紹介する資料が配付されました。資格を授与する団体も確かなものなので受験しました。第二の職場はベンチャー・キャピタルだったので、IPO(新規株式公開)には予備知識がありました。しかし内部統制は全く未知の世界で、勉強はなかなか大変でしたが、合格することができました。その後、更に上位の「上級IPO実務士」が新たな資格として創設されたのでそれも受験しました。さすがに上級資格の試験はとても難しいものでしたが幸い合格しました。後で合格率が22%だったと聞き、やれやれと安堵の胸をなでおろしました。
「志」の第三は「新しい能力を開発する」ことです。母方の親類には絵画、写真、音楽など芸術の道に進んだ者が何人かいるし、母も昔は素人ながら上手な油絵を描きました。そこで自分にもDNAが伝わっていると勝手に決め込んで自己暗示を掛けつつ、水彩画を始めました。絵筆を手にするのは高校卒業以来でした。有難いことにDFの美術同好会「彩遊会」には、玄人はだしの絵を描く先輩方がおられ、また先生を招いて指導を仰ぐスケッチ会もあるので、楽しみながら技術を習得できます。
今後もDFの皆様との交流を大切にしつつ、自らの「志」を実現するような余生を生きたいと思っています。![]()
たくまたけひろ ディレクトフォース会員 元三菱銀行 三菱UFJキャピタル 現日本半導体ベンチャー協会