一般社団法人 ディレクトフォース

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DFの研鑽支援活動

定期例会(総会・講演・交流会)

DF関西勉強会・交流会(2023年)

掲載日付 イベント 実地日
4/25 第17回DF関西勉強会開催 4月18日(火)
3/8 第16回DF関西勉強会開催 2月28日(火)
2023年4月25日 掲載

第17回DF関西勉強会開催

瀬川滋会員(1262)

4月18日(火)、大阪中央電気倶楽部で第17回DF関西勉強会を行いました。前回同様、Zoomで東京の会員にも案内させていただきました。関西会場には8名、Zoomでは25名の参加をいただきました。また、交流を始めているNPOクラブ関西グループからも会場に2名、Zoomで1名の参加いただきました。

今回は、関西会員でおなじみの瀬川滋会員(1262)に講師をお願いし、「神戸でよみがえる命のビザ」というテーマで講演をしていただきました。

杉原千畝氏は、第2次世界大戦中、リトアニアのカウナスという都市に日本領事館領事代理として赴任していました。その時に、ナチスドイツによって迫害されていた多くのユダヤ人にビザを発給し彼らの亡命を手助けしたことで良く知られています。

氏の発給したビザで、約5000人がシベリア鉄道、ウラジオストク経由で来日し、日本で唯一ユダヤ人コミュニティのある神戸に押し寄せました。しかし彼ら所有のビザは日本での滞在期間が2週間しかない通過ビザでした。それでは最終目的地までのビザ取得はとても不可能です。そこで立ち上がったのが神戸ユダヤ協会の25家族と神戸の市民でした。真珠湾攻撃1年前という困難な時期にも拘わらず、全員の宿所の確保、滞在期間の延長、最終目的地へのビザ取得、生活物質金の支給等々汎ゆる支援を献身的に行って全員を送り出し、彼らの希望をかなえました。

では、これらを具体的にどう実現したのでしょう。すべての人が行き先を見つけ、出国するのに約1年かかりました。神戸ユダヤ協会の会員の家族はわずか25家族です。この少ないメンバーが神戸市民の支援を得て5000人の宿所を確保し、彼らの生活費の殆どは米国ユダヤコミュニティが面倒みてくれたものの、その毎週の支給は彼らが行いました。また通過ビザの滞在期間の延長、最終目的地へのビザ取得をどのように実現していったのか、日独同盟直前の当時の政府とどう対応したのか等々について可能な限り説明されましたが、資料も少なく、追跡しきれないところもありました。しかし、この難題を神戸の人はユダヤ協会の人たちに協力して間違いなく解決しました。

開港地神戸にはユダヤ人を許容する寛容さがあったことが背景にあったとは思いますが、大戦中という厳しい環境の中で、信じられないパワーを発揮した神戸の人たちを誇らしく思えました。

(会員限定)
以 上(DF関西 岡本 正敏)
2023年3月8日 掲載

第16回DF関西勉強会開催

2月28日、大阪中央電気倶楽部で第16回DF関西勉強会を行いました。同時にZoomで東京の会員にも参加の依頼をしました。関西から8名、東京からは25名、また、友好関係にある経営支援NPOクラブ関西会員に特別参加をお願いしましたが、2名の参加をいただきました。

中村洋明氏

今回は関西の会員の中村洋明氏に「民間超音速機、スペースプレーン、そして再使用型ロケットについて」というテーマで講演していただきました。昨年6月に「ドローンと空飛ぶクルマ」というテーマで講演してもらいましたが、まだ大分先の話だなという雰囲気もありました。しかし、最近では、頻繁に空飛ぶクルマがニュースになっています。今回のテーマである民間による超音速機の開発、スペースプレーン、再使用型のロケットについても、今は夢の世界のようですが、現状は以下の通り、すでに大きく動き出しています。

(1) 民間超音速機の世界の開発状況と日本の取り組み

コンコルドの退役以来となる民間超音速機による旅行がいよいよ2020年代には復活する。

アメリカの3社がすでに機種と計画を発表、Boom社の Overture には、日米の航空会社がすでに、発注、仮発注、優先受注の権利の確保に動いている。

日本でも、JAXAを中心に MHI(三菱重工業)、KHI(川崎重工業)、IHI、SUBARU 等の主要企業も参画した共同開発体制を構築、2030年頃を想定し、国際共同開発への参画を目指している。

(2) スペースプレーン

すでに実績のあるものは、有名なスペースシャトルをはじめ5例。米ソを中心とした国家プロジェクトであったが、最近は民間に移りつつある。

また、スペースX社のビジネスモデルにみるように打ち上げサービス、インターネット接続サービス (B2G、B2B)、に加え、民間人の宇宙旅行 (B2C) もすでに始まっており、各国のスタートアップ企業によるスペースプレーン開発プログラムの競争も始まっている。

日本でも、PDエアロスペース社、SPACE WALKER 社による開発プログラムが発表されている。

(3) 再使用型ロケットの開発

ロケットは民間主導でさらなるコストダウンが要求されている。

日本では H-ⅡA から H3ロケットで打ち上げコストを100億円から50億円目標に下げました。

しかし、いずれも、使い捨て型で再使用型ではありません。世界的には再使用型のロケット開発に進んでおり、日本も次世代では、再使用型で打ち上げコストを25億円を当面の目標にしています。

JAXAは海外企業、日本企業等とのタイアップで再使用を前提の開発プロジェクトをすでに開始しています。

民間超音速機、民間人用スペースプレーン、そして再使用型ロケットについて
資料はこちら 会員限定

私は、2016年に「ホンダジェットとMRJ」というテーマで、中村氏の講演を初めて聞かせてもらいました。日本には航空機に関する技術基盤もあり、また、部品を含めれば非常にすそ野の広い製造業です。MRJの撤退、H3ロケット打ち上げの度重なる延期等、はがゆいニュースが多い中で、今回の講演には、今後の方向性についての多くのヒントがちりばめられているような気がしました。また、起業家と高齢者に焦点を当ててまとめられているので、DFの NEXT 10 Years に向けた弾みともなりました。

勉強会に参加された方も、できなかった方も、非常にわかりやすく、また詳しく述べられていますので、ぜひ 今回の講演ビデオをご覧下さい。

また、付録で最後に大阪万博で飛行予定の「空飛ぶクルマ」の具体例も詳しく説明していただきました。これも講演ビデオでご覧いただけます。

勉強会終了後、特別参加いただいた経営支援NPOクラブ関西の田畑グループ長から、関西グループの活動状況について簡単に説明していただきました。勉強会、懇親ゴルフで交流を深め、引き続き情報交換を行うことになりました。

(会員限定)
以 上(DF関西 岡本 正敏)