第16回DF関西勉強会開催
2月28日、大阪中央電気倶楽部で第16回DF関西勉強会を行いました。同時にZoomで東京の会員にも参加の依頼をしました。関西から8名、東京からは25名、また、友好関係にある経営支援NPOクラブ関西会員に特別参加をお願いしましたが、2名の参加をいただきました。

今回は関西の会員の中村洋明氏に「民間超音速機、スペースプレーン、そして再使用型ロケットについて」というテーマで講演していただきました。昨年6月に「ドローンと空飛ぶクルマ」というテーマで講演してもらいましたが、まだ大分先の話だなという雰囲気もありました。しかし、最近では、頻繁に空飛ぶクルマがニュースになっています。今回のテーマである民間による超音速機の開発、スペースプレーン、再使用型のロケットについても、今は夢の世界のようですが、現状は以下の通り、すでに大きく動き出しています。
(1) 民間超音速機の世界の開発状況と日本の取り組み
コンコルドの退役以来となる民間超音速機による旅行がいよいよ2020年代には復活する。
アメリカの3社がすでに機種と計画を発表、Boom社の Overture には、日米の航空会社がすでに、発注、仮発注、優先受注の権利の確保に動いている。
日本でも、JAXAを中心に MHI(三菱重工業)、KHI(川崎重工業)、IHI、SUBARU 等の主要企業も参画した共同開発体制を構築、2030年頃を想定し、国際共同開発への参画を目指している。
(2) スペースプレーン
すでに実績のあるものは、有名なスペースシャトルをはじめ5例。米ソを中心とした国家プロジェクトであったが、最近は民間に移りつつある。
また、スペースX社のビジネスモデルにみるように打ち上げサービス、インターネット接続サービス (B2G、B2B)、に加え、民間人の宇宙旅行 (B2C) もすでに始まっており、各国のスタートアップ企業によるスペースプレーン開発プログラムの競争も始まっている。
日本でも、PDエアロスペース社、SPACE WALKER 社による開発プログラムが発表されている。
(3) 再使用型ロケットの開発
ロケットは民間主導でさらなるコストダウンが要求されている。
日本では H-ⅡA から H3ロケットで打ち上げコストを100億円から50億円目標に下げました。
しかし、いずれも、使い捨て型で再使用型ではありません。世界的には再使用型のロケット開発に進んでおり、日本も次世代では、再使用型で打ち上げコストを25億円を当面の目標にしています。
JAXAは海外企業、日本企業等とのタイアップで再使用を前提の開発プロジェクトをすでに開始しています。
私は、2016年に「ホンダジェットとMRJ」というテーマで、中村氏の講演を初めて聞かせてもらいました。日本には航空機に関する技術基盤もあり、また、部品を含めれば非常にすそ野の広い製造業です。MRJの撤退、H3ロケット打ち上げの度重なる延期等、はがゆいニュースが多い中で、今回の講演には、今後の方向性についての多くのヒントがちりばめられているような気がしました。また、起業家と高齢者に焦点を当ててまとめられているので、DFの NEXT 10 Years に向けた弾みともなりました。
勉強会に参加された方も、できなかった方も、非常にわかりやすく、また詳しく述べられていますので、ぜひ 今回の講演ビデオをご覧下さい。
また、付録で最後に大阪万博で飛行予定の「空飛ぶクルマ」の具体例も詳しく説明していただきました。これも講演ビデオでご覧いただけます。
勉強会終了後、特別参加いただいた経営支援NPOクラブ関西の田畑グループ長から、関西グループの活動状況について簡単に説明していただきました。勉強会、懇親ゴルフで交流を深め、引き続き情報交換を行うことになりました。