一般社団法人 ディレクトフォース

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DFの社会貢献活動

健康・医療研究会

健康・医療

トピックス(2022年版)

【 目 次 】

実施日 項 目 内 容
2022年5月24日 健康医療研究会Zoomセミナー 「誤解だらけの腎臓病と透析治療」
2022年3月23日 健康医療研究会 「アルツハイマー病の診断、治療の最前線」
2022年2月17日 報告書 第3回会員健康状況調査結果報告
2022年6月10日

健康・医療研究会主催

健康医療研究会Zoomセミナー
 「誤解だらけの腎臓病と透析治療」

2022年5月24日(火)15:00より、健康医療研究会主催によるZoomセミナーを開催(健康・医療研究会セミナーとしては第26回セミナー)、聖路加国際大学聖路加国際病院腎センター長・腎臓内科部長 中山昌明(なかやま まさあき)先生より「誤解だらけの腎臓病と透析治療」というテーマで、会員25名の参加のもと、オンライン形式でご講演いただきました。

中山先生は1984年東京慈恵会医科大学卒業、国立大学病院医療センター、慈恵医大第2内科でのご勤務を経て英国王立医学大学院腎臓高血圧科留学後、2005年東北大学准教授、2010年福島県立医科大学教授、2016年東北大学特任教授などを経て、2018年現職の聖路加国際大学聖路加国際病院腎センター長・腎臓内科部長に就任されました。この間一貫して腎臓病の研究・治療の第1線で活躍されると同時に、医療関係者への教育活動と一般の方向けの啓蒙活動にも尽力されておられます

慢性腎臓病は現在日本には約1,300万人の患者がいると言われていて、日本透析医学会によると2020 年の患者調査票において、336,759 人の透析患者さんが確認されているとの事です。
このように今や国民病となっている慢性腎臓病ですが、中山先生によれば、その病態や治療について、症状が出ないままに進行していくこともあり、正しい知識が行き渡っておらず、誤解も多いとのことです。また近年では70歳代になって透析に入る患者さんも急増していて、高血圧、糖尿病、高尿酸血症といった生活習慣病を放置しておくと透析に入ってしまうそうです。

今般そうした腎臓病について、先端的治療の第1線でご活躍されている聖路加国際大学聖路加国際病院腎センター長・腎内科部長の中山昌明先生をお招きし、お話を伺うことができました。

今回のご講演の主要内容・ポイントは以下の通りですが、最新の腎臓病に関する知見や、先生のお考えをわかりやすいスライドと平易な言葉でご説明頂き、参加者一同大いに「誤解」がとけ、本疾患に対する理解が進んだことと思われます。

  • 腎臓の機能。
  • 人類の進化と腎臓病。
  • 慢性腎臓病と全身疾患の関係。
  • 透析患者の多さで日本は突出している。
  • 腎機能が低下すると認知症のリスクが高まる。
  • 加齢に伴い腎機能は低下するが、高齢者の場合は腎機能が低下しても、必ずしも病気と言えないケースもある。(腎機能を示すGFRの正常値は成壮年層を対象としている)
  • 腎臓機能のためには脱水にならないことが重要であるがスポーツドリンクは薦めない。
    朝食をきちんと取ることが重要である。
  • 透析には、主に医療施設で実施する血液透析と在宅で行う腹膜透析があり、日本では前者が圧倒的に多いが、欧米では後者の比率が高い国もある。
  • 腹膜透析は医療施設で横になって行う必要がないので、日常・社会生活への負担が少なく、日本に於いても更に増えることが望ましい。
  • 腹膜透析が進めば、透析患者の就業率もあがり、治療満足度も向上する可能性がある。
  • 透析導入の際に行われる、患者と意思決定を共有する仕組みSDM(Shared Decision Making)があってしかるべきで、腎臓分野ではそうしたことが進んでいる。
  • 最後に先生からのメッセージとして、
    幸せとされる人生の最高の祝辞は「天寿を全うする」病的な老化から免れ、心の健康寿命が長いこと、との締めの言葉を頂き終了しました。

ご講演後のQ&Aセッションでは参加者より事前に提出された質問及び当日の質問について、以下のとおり丁寧なご回答を頂きました。

質問 中山先生のお答え
腎臓病の予兆を知るには何に注意すればよいか? 尿蛋白が出ているかどうかをチェックするのが最大のポイント。
尿酸値と腎臓病は関連するか? 関連あり。尿酸値が高いと腎機能に悪影響を与える
飲酒、喫煙の腎臓に与える影響は? 喫煙は絶対ダメ。腎臓に大きく悪影響。
飲酒はほどほどならOK。
塩分制限は? 日本人は塩分過剰民族で、減塩は重要である。慣れると味覚が鋭敏になり、むしろ美味しく感じられる。
腎臓病は完治することはないというのは本当か? 現時点ではそうであるが、腎機能を回復する薬剤の臨床治験が実施されている。
腎移植を受けることによってほぼ完治できるが、日本では様々な課題によってなかなか進まない。
嚢胞があると言われているが大丈夫か? 特殊なケースもあるが、医師の判断で問題ないと判断されていれば大丈夫である。
頻尿と腎機能の関連は? 頻尿は回数が増えるだけで、尿の総量には影響しない。従って腎機能の悪化とは関連しない泌尿器科疾患である。

最後に講師への謝意を各人拍手やジェスチャーで表して、セミナーを終了しました。

尚、終了後にメールで依頼したアンケートには14名の方からご回答を頂きました。
結果は以下の通りです。(5月30日9時までにご回答を頂いた分)

<アンケート結果>

  • 概括的な感想としては、14名中12名が「大変参考になった」、2名が「参考になった」と高評価でした。
  • 特に参考になった点、感想、コメントにつき代表的なものを以下に記します。
    腎臓の本質を知悉した先生の肝を得た説明だった。
    生理的老化と病的老化の違い。腎臓病と他の疾病との関係。
    塩分コントロールの重要性(理屈がわかったので行動変容する気持ちになる)
    減塩効果、蛋白質摂取、飲酒についてのコメント
    透析患者でも、働いている人~即ち社会との接点が大きいほど、長生きするという事実。
    後期高齢者にとっては健康寿命と幸福度のバランスが鍵になること。
    80歳なら、GFR値が40でも病気だとは言えないとの見解が示されたこと。
    腎臓が多くの病気との関係があるということ。
    DFメンバーは高齢者が多く、さまざまな基礎疾患を抱えており、今回のような形で、脳梗塞、高血圧などのリスクにどう対応すべきかなどテーマが多く、引き続き専門家の講義をお願いしたいです。

これからも「ウイズコロナ」の中、健康長寿のための諸知識習得の観点から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。 引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。
また、テーマのご希望についても、事務局 dfkenkohiryo@directforce.org までお知らせいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。

以 上(文責 江村泰一)
2022年4月28日
健康医療研究会
代表世話人 江村泰一

DF会員の皆様

第3回会員健康調査の御礼と結果ご報告

日頃、健康医療研究会の諸活動につきましては格段のご支援とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、当研究会では本年1月に第3回の会員健康実態調査を実施しましたところ、多数の会員の皆様にご協力いただき、あわせて御礼申し上げます。
大変遅くなりましたが、今般調査結果につきまして取りまとめることができましたので『2022年度会員健康調査報告書』としてご報告させて頂きます。 同報告書は、会員専用ページに格納されています。

この資料は会員限定です。
PWのわからない方はこちら

われわれは、昨年に引き続き実施させて頂いた今回の結果も含め、諸活動の成果を織り込んで、「DF流健康長寿の知恵」(仮称)を外部向けも含めて出版するべく、作業を進めております。今回の結果の解説もその中に織り込んでいく予定でありますので、完成の暁には、あわせてご参照頂ければ幸いです。

尚、今回の調査にあたりましては、皆様の健康情報という極めて個人的な情報をご提供いただく、との観点から、頂いたご回答の発信者はわれわれ事務局においても把握できない仕組みとなっております。
併せて、上記出版に当たり、頂いた情報は集計値として使用し、個人レベルの情報を開示することは致しませんので、その旨ご承知おき下さい。
今後も引き続きわれわれの活動にご支援・ご協力賜りますようお願いすると同時に、こうした活動に自分も参画しようというお考えをお持ちの方は、下記までご連絡下さい。 大歓迎いたします。

連絡先 代表世話人 江村 泰一 emra-roki1988113@outlook.jp

2022年3月23日

健康医療研究会主催

「アルツハイマー病の診断、治療の最前線」

岩田 淳先生の略歴
岩田先生は平成5年東京大学医学部医学科卒業、平成14年3月東京大学博士号取得、平成16年5月スタンフォード大学ポスドク、平成22年10月科学技術振興機構「さきがけ」研究員、平成31年4月東京大学平成31年 4月東京大学大学院医学系研究科神経内科学准教授、令和2年4月東京都健康長寿医療センター 脳神経内科 部長に就任されました。この間一貫して認知症やうつ病の治療の第1線で活躍されています。

2022年3月4日(金)15:00より、健康医療研究会主催によるZoomセミナーを開催(健康・医療研究会セミナーとしては第25回セミナー)、東京都健康長寿医療センター脳神経内科部長の岩田 淳(いわた あつし)先生より「アルツハイマー病の診断、治療の最前線」というテーマで、会員30名の参加のもと、オンライン形式でご講演いただきました。

岩田先生は平成5年東京大学医学部医学科卒業、平成14年3月東京大学博士号取得、平成16年5月スタンフォード大学ポスドク、平成22年10月科学技術振興機構「さきがけ」研究員、平成31年4月 東京大学大学院医学系研究科神経内科学准教授、令和2年4月東京都健康長寿医療センター脳神経内科部長に就任されました。この間一貫して認知症やうつ病の治療の第1線で活躍されています。

認知症(その中でも最も多数をしめるアルツハイマー病)については、多くの会員の関心度が高い分野であろうかと考え、健康医療研究会においても、過去に2回認知症の専門家をお招きして、お話を伺っております。
最近特にアルツハイマー病について、その病態・原因について研究が進んでおり、アメリカにおいては、日本の製薬メーカーが開発したこれまでにない作用機序をもった新薬が承認されその有用性について、世界的に議論が行われている状況にありますが、更なる新薬も開発が進んでいるようです。

このようにアルツハイマー病の研究・治療が日進月歩で進む状況の中、今回はそうした研究、治療の最前線に立って、指導的立場でご活躍されている岩田先生をお招きして、最新の状況についてのお話を伺うことができました。
今回のご講演の主要内容・ポイントは以下の通りですが、最新の非常に高度な科学的知見をわかりやすいスライドと平易な言葉でご説明頂き、参加者一同本疾患に対する理解が大いに進んだことと思われます。

  • 認知症の種類(アルツハイマー病は認知症の原因の一つ)
  • 認知症の診断はどのように行うか
  • アルツハイマー病(以下AD)とは何か(物忘れとどう違うか)
  • ADの診断にはMRI画像だけでは十分ではない。また海馬の萎縮だけではADとは診断できない。脳内にアミロイドβとタウの蓄積があることが重要
  • そこで新しい診断技術として、これらを測定する PETやバイオマーカーが登場したが、現段階では種々難点がある。今後血液バイオマーカーが普及すれば大きく状況が変わる可能性がある
  • 2021年に、世界初のアミロイドβに作用する薬剤が米国で承認された。
  • この承認は以下の理由で奇異に感じている。
    • アミロイドβの脳内蓄積だけがADの根本的原因であるとは断言できない
      (アミロイドを除去しても症状が改善されなかった例もある)
    • アミロイドを除去したことで承認に至っているが、認知機能が改善されたかどうかは不明確
  • 上記のような状況で承認された背景として、世界的にも強い影響力をもつADの患者団体に配慮したものではないか。
  • 昨年承認されたものには以上のような背景があるが、更に後続の製品の開発も進んでいる
  • そこで、早め(症状が出ていないがアミロイドの蓄積があるような状態)に調べる試みとして、オンラインによる全国規模の研究が始まっている(J-TRC)。50歳以上なら誰でも参加できる。
  • アミロイドの蓄積に影響を与える生活習慣は見つかっていないが、有酸素運動等良好な生活習慣で認知機能の低下、脳委縮は予防できるかもしれない。
    (アミロイドがたまっても、認知機能の低下は起こらない)
  • ある研究では、1日8900歩以上歩くかどうかで認知機能に差が見られた。
  • WHOも健康な生活習慣が認知症の予防につながる、として行動変容の重要性を提言している。

【 ご講演後のQ&Aセッション 】

質問 岩田先生のお答え
脳の力を鍛える(新しいことへのチャレンジ)、同時に複数の作業をするなどは認知機能低下対策として有効か 難しい(頭を使う)ことに挑戦するのは有効である。新しいことへの挑戦は、自分が好きなら大いに有効であるが、周りに強要されてやらされるのはよくない。今まで行ってきたことを続けることが大事で今までやってきたことをやりたくなくなってきたら、機能低下のサイン
ダウン症とアルツハイマーの機序は異なるか 遺伝性の場合、ダウン症でアミロイドβが多く産生される。家族性でない場合の関係はわかっていない
アロマで進行が抑えられると聞いたが。 進行した人に効果あり、との報告がある。周囲への暴力等が軽減される、とのこと
血液で診断できるのはいつ頃になるか 確定診断の手段としては時間がかかるが、補助的手段としては既に当局に申請している。現段階では補助的なので、更に詳細検査が必要
高齢化すれば、必ずアミロイド、タウが蓄積するのか 高齢化するほどたまる。日頃から産生されているアミロイドに対し通常はそれを破壊するシステムが働くが、それが破綻するとたまりだす。
東北大、東大でショック療法のようなもので、アミロイドをこわす療法を行っていると聞いたが。 自分は関与していないが、超音波でやっている例はある。

最後に講師への謝意を各人拍手やジェスチャーで表して、セミナーを終了しました。今回はご講演の特に冒頭の部分で、雑音が入り、講師の先生および参加者の皆様にご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

尚、終了後にメールで依頼したアンケートには19名の方からご回答を頂きました。結果は以下の通りです。(3月12日9時現在で回答を頂いた分)

【 アンケート結果 】

  • 概括的な感想としては、19名中14名が「大変参考になった」、5名が「参考になった」と高評価でした。
  • 内容について、以下の事項等が特に印象的だったとのことです。
    (代表的なものを抜粋)
    • 体系的かつ総合的にロジカルに説明頂き、納得しました。
    • 物忘れと認知症の関係、アミロイドβとタウの正体
    • 体と頭脳を働かせることと認知症の関係
    • 軽度認知機能障害の段階で症状を安定化させるためには、他の病気でも行う運動や頭を使う生活習慣が大事であることを周りの人にも伝えたい

これからも「ウイズコロナ」の中、健康長寿のための諸知識習得の観点から、定期的にセミナーを実施していきたいと思います。 引続き会員の皆様の参加をお待ちしております。 また、テーマのご希望についても、事務局 dfkenkohiryo@directforce.org まで お知らせいただければ幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。

以 上(文責 江村泰一)