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(2019年11月12日 掲載)

DFガバナンス部会 第14期小研究会 研究成果発表会

6月5日、第14期企業ガバナンス部会の小研究会成果発表会が開催されました。参加者は54名とDF会員をはじめとする関係者から高い関心を集めました。これら2つの小研究会は昨年(2018年)12月にDF会員の有志で発足、以来それぞれ10数回の検討会を持ち議論を重ねてきました。

そこでの数多くの事例を含めた発表は、現在のコーポレート・ガバナンスの課題を整理したうえで、具体的な提言にまで踏み込んでいる(Aグループ)、企業不祥事の未然防止策の重要性について、豊富な事例を通じてよく理解出来た(Bグループ)など、大変好評でありました。また、終了後の懇親会では、発表者も加わり多くの出席者との活発な意見交換や歓談がなされました。

  • 日 時:2019年6月5日(火)14:00~17:00
  • 会 場:日本ビル5階セミナールーム5C
  • テーマ: Aグループ:「令和新時代の企業統治への提言
     ーー 令和新時代の企業統治への提言
    Bグループ:「品質不祥事の実例の深掘りとその未然防止策
     ーー 企業人として品質不祥事の未然防止のために何をすべきか
  • 発表者(敬称略、順不同)
    Aグループ:飯島信夫(リーダー)、野末正博、濱名均、小谷雅博、石崎秀樹
    Bグループ:金丸正二(リーダー)、中田邦臣、宮崎泰雄、西村二郎、田中久司
  • 参加者:54名
野末正博メンバー
金丸正二リーダー

【要旨】

Aグループ:「令和新時代の企業統治への提言

まえがき

我が国のCGコードは、2015年6⽉に上場企業を対象に適⽤が開始され2018年6⽉に改訂されました。CGコードは2014年6⽉に閣議決定された「⽇本再興戦略」改訂を受けて、東京証券取引所と⾦融庁を合同事務局とする有識者会議において議論を重ね、取り纏められたものです。AグループとしてCGコードに関する研究を開始するに際し、CGコードはどのような背景から⽣まれたのか、モデルとなったOECD原則はどのようなもので諸外国はどのような対応をしたのか、CGコードで規律付けしているガバナンスは妥当なものか、監査役会や監査等委員会、監査委員会は我が国の企業に適合し⼗分機能しているのか、等々の問題点を意識しつつ議論を開始しました。現状における上場企業のCGコードへの対応は千差万別です。CGコードがソフトローでその内容も抽象的で曖昧な部分も多く、その解釈は個社に任され、各社の判断で各原則に対して「Comply or Explain」することとされているが故ではないかと推察されます。このため、会社によっては対応に相当の負担を感じ向上に向けた真摯な議論が不⾜していたり、Comply することが⽬的化しているような実態も⾒受けられるようです。こうした状況を踏まえて、CGコード⾃体の問題点を抽出し、我が国企業のガバナンス向上に向け監査役会制度の強化のための具体的な提⾔を⾏っていくこととしました。

Aグループの詳細レポートは以下をご覧ください。

Bグループ:「品質不祥事の実例の深掘りとその未然防止策

まえがき

世界的に評価されている日本の工業製品の高品質は、長年に渡って地道な努力によってなしとげられてきたもので一朝一夕で得られたものではありません。

この日本の工業製品は高品質であるとの実績は、私達企業人ならずとも日本人にとっては掛け替えもない財産で、誇りです。その高品質が、残念ながら昨今踏みにじられる様な品質不祥事が、名だたる企業にて多々発生していることは痛恨の極みです。

この様な品質不祥事が過去どの様にどの位発生して問題となっていたのかをまずは調査することからはじめました。

その調査結果を「表ー1」にまとめましたが、品質不祥事を起こした事例はあるはあるは、探せば探す程に切りなく見つかることに唖然とするばかりで、65事例が瞬く間に見つかり、これでも日本の工業製品等の品質は高く維持されて来たのかと疑う程の結果でした。

以前は、圧倒的に食品関連の品質不祥事が大半を占めていたのですが、確かに最近は自動車関連、建築関連、工業素材関連、機械関連、医療関連と先端一流企業での品質不祥事が目立ちます。

ここで注目して頂きたいのは、

  • 日の目を見たきっかけの多くは内部告発であること。
  • 経営者の責任が追及されること。
  • 大きな罰金等の支払いを課されることが多々あること。(経営者達に、支払い不能な多額な罰金も)
  • 世間様からの厳しい評価が下されること。
  • 会社の存続が危ぶまれる例も多々あること。

です。

この様な多くの品質不祥事を起こしてきたにも拘わらず、日本の工業産品等が高品質との評価を得たのは、それ以上の品質向上の努力がより多くの企業、より多くの製品に対して、その品質に関わるより多くの者達が不断の努力を惜しまずに行ってきた成果がそこにあるからかと思う次第です。

しかし何故最近になって品質不祥事がクローズアップされ、日本の工業製品の高品質に疑問を投げかけられる様な事態になったのは、日本を代表する一流大企業の日本を代表する工業製品において続け様に品質不祥事が表沙汰になったことに他ならない事かと思われます。

Bグループの詳細レポート(+資料)は以下をご覧ください。

以上