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2014年6月9日 掲載)

DF監査役部会 第9クール小研究グループの研究発表会

第8回研修会は、今クール最後の研修会で、監査役部会小研究会グループの発表として行われ、老舗の視点からの報告もなされ、一方、出席者からも鋭い質問がでて、盛会な研修会となりました。

  • 日 時:平成26年5月15日(木)午後3時〜5時45分
  • 場 所:学士会館320号室
  • 発 表:『中小会社が永続的に成長・生き残っていくための監査役の役割』
    発表者:監査役部会第9クール小研究グループの皆さん
    リーダー:岩松廣行

詳細レポート」は下のイメージをクリックしてご覧ください。

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【要 旨】

  • 日本の中小企業の企業数は大きく減少しており、バブル崩壊後は廃業率が開業率を上回る状態が続いている。持続的な成長のための企業統治の形は国や文化により変わり続ける。
  • 日本は世界一長寿企業の多い国であり、創業100年をこす会社は5万社以上といわれる。この企業永続の要因として、後継者確保としての娘と優秀な番頭との縁組や養子相続の制度が古くからあった。経営補佐役(番頭)が機能する仕組みがあった。また、社員(奉公人)との価値・理念の共有による固い絆などがある。
  • 企業永続要因の裏返しとしての阻害要因は、創業者の成功体験の呪縛、事業承継計画(後継者育成)の不備などがあり、事例を紹介した。
  • コーポレートガバナンスが持続的な成長につながるためには、企業のDNA(組織風土)を受け継いだコア従業員により、企業の全体の意思統一を図り、普遍的な価値・倫理観の導入を行い、事業の見直しと事業モデルの変革をはかることである。そして、監査役は、オーナーと従業員との橋渡しなどの役割がある。
  • 企業が生き残っていくためには、「継続」の前提としての「利益」を生み出す「健全な生産性」が必要である。健全さは、適正な業務体制の構築と整備運用の存在による。事業継承は、いわば、第2の創業であると考えて取組むべきである。
  • 中小会社の監査役に特に求められるのは、孤高のトップへのアドバイサー、事業モデル改革等へのアドバイス、内部通報制度や社内意識調査の正しい使い方によるガバナンスの改善である。そのためには、社長に負けないほどの研鑽が必要であり、そして「負けて勝つ」姿勢である。
  • 一言で、監査役に求められる役割は、「従来の枠から1歩踏み込んだ役割の追及」であり、中小会社も常に生まれ変わることで永続できることになる。

以上