(2013年3月27日 掲載)
監査役部会第8クール第6回研修会が、次のとおり開催されました。
企業活動はすべて人間が営むものである。人間の行動は「心理」によって大きく影響を受ける。監査については、従来からの監査論・監査計画・監査基準など形式に依存するのではなく「心理学」の側面からアプローチしなければ実効ある監査業務を果たすことはできない。
今求めれられているのは此の両方である。たとえば監査役と経営者が共謀する事も絆の一つである。しかしこれは悪い絆である。しっかりした手綱が必要である。その手綱とはコーポレートガバナンスと内部統制を一体とした総合的内部自治である。
当初の報告書さらに訂正内部統制報告書を読んでも、何故訂正が必要だったのか、つまり、当初の記載が偽りであったのか、訂正報告の内容も一部訂正としながら全部訂正になっている。形式さえ整えば中身は問わない方式であるJSOXは死んだといっても過言ではない。
不正防止の対症療法では不正はなくならない。却って不正の手口が巧妙化する。
総合的内部自治」の確立が必要である。それには世代間ギャップを乗り越える「倫理」「正義」「正しさ」これを組織内に浸透させることが大切である。
不祥事企業の問題は統制環境が破壊されていることである。たとえば監査役の実質的な人事権は執行側が握っている。型にはまり異論を唱えない人材の大量生産をしている人事部も問題であり、ガバナンス・内部統制は会社の大きな教育問題とも言える。
形式基準で被監査人を抑え込むのではなく、同じ目線で寄り添い指摘事項について「なるほど」と思ってもらえればこれが実効性のある監査となる。
従来なかった視点からの監査論で、聴講された会員からは「深く引き込まれるようなお話」「人間の側面にスポットを当てたユニークな監査論」「大変刺激的なお話」など、好評の声が多数寄せられました。
以上