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2011/10/16(No111)

「〈非日常〉を〈日常〉に転ずる」

佐藤 脩

筆者の写真DF会員の皆さんの大半は過去40年前後ビジネスマン(ウーマン)として我国経済発展の一翼を担ってきた方々です。いうなれば人生働き盛りのほとんどを企業戦士としての〈日常〉生活を過ごされてきたのではないでしょうか。

その重い責任を負った仕事人生の中でストレス解消、息抜きのため、ある人はゴルフやハイキング等のスポーツまたある人は旅行や読書、諸々の芸術等々の趣味の世界でひと時の安らぎを得る。即ち束の間の〈非日常〉生活で疲労を回復し英気を養い、再び〈日常〉の仕事生活に戻っていったのではないでしょうか。そして今、その大役を終え今まで当たり前として慣れ親しんできた〈日常〉がなくなり生活環境の大きな変化に戸惑いを感じている方もおられると思います。

そこで私は大役を終えた皆さんに〈非日常〉と〈日常〉を逆転させる、つまり〈非日常〉を〈日常〉化する事を提案します。

過去の仕事中心の時代、スペシャリストとして特定分野にて秀でる活躍をされた方やゼネラリストとして多分野で満遍なく活躍された方、と同様に趣味・同好の世界においてもさまざまな係り方があるでしょう。しかし「好奇心」と「親しむ気持ち」さえあれば誰でもエキスパートになれるのです。なぜならいずれも強制されて行うものではなく自分自身で自在にコントロールできるものですから。

いずれの世界も深めれば深めるほど、また幅広く多分野に係ればかかわるほど楽しみ、生きがいも一層増すものです。さらに従来の趣味にとらわれず、新たな好奇心にチャレンジするのも一考ではないでしょうか。DF活動の中にも数多くの「同好会活動」があり各メンバーの中にはプロ顔負けの実力者も多数おられるのと同じく、世の中にはとてつもない先達が数多く存在しています。例えば私が所属している某登山サークルの中には定年後新たに山登りを始め、70歳を過ぎた現在、登攀のプロとなり、難しいと云われる奥穂高岳南稜や槍ヶ岳北鎌尾根等の道無きバリエーションルートを登ったり、百名山や三百名山を踏破した方が多数おります。

そして私の考える理想は、これからは趣味・同好の世界、即ち『生きがい』としての〈日常〉生活を大いに充実させると同時に、時々はこれからの〈非日常〉生活、例えばDF活動の主分野である「ベンチャー支援部会」や「技術部会」等々の場にて過去40年前後の仕事生活で培ってきた経験を『息抜き』として発揮していく。つまり新たな社会貢献として後世に伝えていく事を〈非日常〉とする事ができれば更なる喜びになると思います。

そのようになれば人生80〜90年当たり前の世の中、生涯伴侶の連れ合いの方にいつまでも尊敬の念を抱かれ続けるのではないでしょうか。

さとうおさむ ディレクトフォース会員 元ダイエー 現三井不動産販売