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 2019/05/16(No293)

「シルバーパス」で知るバス乗りの楽しみ方

ーー東京のバス路線100%制覇を目指してーー

萩原 秀留

国の内外を問わず未知の場所を歩き回り、その場所の地理、風土に浸ることに興味がある。

70歳を超えたとき東京都シルバーパスの存在を知った、この制度のスタートは昭和48年(1973年)とかなり古く最初は70歳以上の都内在住者で、適用される交通機関は都営だけであったが、その後数回の改定により、現在の体制になったのは平成12年からである。対象者に所得制限が設けられ、適用も都営交通機関の他、 島嶼部(とうしょぶ)を含めた都内の民間、村営の全路線バスになった。

シルバーパスの目的は高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることでこれにより健康の増進が図られ、医療費の低減につながることが期待されている。対象者の費用負担は年間20,510円で市町村民税が課せらていない者は1,000円である。夫婦ともども70歳以上の年金暮らしの普通の家庭では夫は20,510円の負担だが妻の負担は1,000円である。現在シルバーパスの発行枚数は約100万枚でその90%が1,000円での購入者である。なお有効期間は10月1日から翌年の9月30日まででその間に購入しても値段は変わらない。

現在適用されている交通機関は都内を運行している都営バス都営地下鉄都電日暮里・舎人ライナーの全線の他、三宅村営バス八丈町営バスと24の民営の路線バスである。小平・国分寺市を運行している銀河鉄道バスはバス協会に加入していないので適用されない。他に空港等を結ぶリムジンバス路線、大島では山頂路線は観光路線として除外されている。また昼間と同じ路線でも年寄りが乗るものでないとの理由からか深夜バスは除外されているが、一部追加料金で乗れる路線がある。他に鉄道やバス路線が通じていない交通の不便をなくそうと行政が積極的に関与しているコミュニティーバスが約40あるが、そのうちパスが使えるのは約15、葛飾区の場合、使える路線と使えない路線がある。

DF事務所へ行くときもなるたけパスが使える都営地下鉄を利用するようにしている。もし通常通りお金を払っていたらどのくらいになるか、バス乗りに行った時の分の路線も含めると年間12〜13万円分となる。また家内も毎日のようにパスを使っており年間で11万円程度になっている。年間20万円強の経済効果のあるのはかなり助かる。

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どの路線を乗ったかは東京都内乗合バスルートあんない(上左図 JTBパブリッシング発行、東京バス協会監修、発行2年に一度 )の地図上の路線をマジックで塗りつぶしで見ている(上右図)。現在の乗車距離はおよそ80%である。10〜11年版によると最長距離路線は都営バスの青梅車庫―西武新宿線柳沢駅31.82キロであったが、現在はこの路線は廃線となり、青梅車庫―西武新宿線花小金井駅に変わった。このため最長距離路線はJR五日市線武蔵五日市駅―やすらぎの里経由数馬で28.65キロとなった。つい最近青梅―花小金井線に乗ったが乗車している人物は老人でしかも長距離乗車が多い。

休日のみでしかも早朝あるいは夜遅くしかない便がある。そのうちの一つ神奈川中央バスの京王線調布駅から小田急線鶴川駅を走る神奈川中央交通バスは休日1往復のみで調布は7:31発の一本だけ。少し早めに調布停留所に行ったところ既に一人の女子高生がおり、びっくりした。

登山者に利用されることが多い西東京バス。運賃は一律でなく距離制なのでパスの利用は価値がある。JR中央線高尾駅北口から陣馬高原下へのバスは途中の大久保付近から北浅川・案下川沿いの幅の狭い道を走る。大久保停留所―陣馬高原下間は補助員が乗り、曲がりくねった先からの車の監視をして事故の無いように努めていた。

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 西東京バス 陣馬高原下バス停 高尾駅北口から陣馬高原下への西東京バス

都県境に跨る路線の場合の原則は、東京都外の停留所での乗降はパスの適用外、都内の停留所で乗降し、都外の停留所で乗降した場合は境界の都側の最後の停留所と乗降する都外の停留所間の運賃を支払うことにしている。

都内には起終点は東京都内だが途中都外を通る路線がいくつかある。このようなバスに都側から乗ると必ずシルバーパス利用者に対して、都外の停留所での乗降者は所定の運賃の支払いがありますとの車内放送がある。また逆に隣県側から乗車すると乗車した停留所から最初に都内に入った停留所までの運賃の支払いが必要である。ただ途中都外を走行しても乗降停留所のどちらも都内の場合はシルバーパスの利用が適用される。面白いのは小田急線鶴川駅から緑山方面の場合、途中の岡上停留所だけが川崎市なのでこの停留所利用者のみパスの利用ができない。

ただ都外でも利用可能な特例区間がある。都営地下鉄新宿線のターミナル駅本八幡は千葉県だが都内と同じ扱いである。バスの場合にも特例区間がある。清瀬駅、大泉学園駅から埼玉県と結ぶ路線では停留所が明らかに都外でもパスが使える所がある。以前このことを知らずに境界の前の駅で降り、帰りのバスに乗っていたがインターネットで調べたところ埼玉県に入ったいくつかの停留所まで使えることが分かった。

コミュニティバスは都内に約47の自治体で運行されているが、シルバーパスが適用されるのは約3分の1の18である。

今まではどの路線も制覇の対象になっていたが、すでに乗車した路線が多くなると初めての路線が少なくなるが、身体の状態が続く限りバス乗りを楽しみにしている。

今後もバス乗りを続け100%路線制覇を目指したいと思っている。エンドマーク

はぎわらひでる ディレクトフォース会員(会員No.113)
元三菱マテリアル

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