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 2018/3/1(No264)

「猫と暮らす」

合田 隆年

私

子供の頃に柴犬の世話をした。泥棒が入った後、親が買ったのだが、エサやり、散歩など大学で家を離れるまで「マル」と楽しく過ごした。生き物を飼う気持は全くなかったのだが、2010年5月にごく普通の和猫、小さい「クー」がやってきて既に8年弱、今は仲間として一緒に暮らすという心情である。

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白に薄茶が混じる我が家の一員「クー」

白に薄茶が混じる、胴の長さ約40センチ、短尾、体重3.7キロ、おとなしいオス。彼は生来腎臓の機能が50%しかないので、食事は低塩分のレトルトとカリカリ(オーストリア産)のみ、水は水素水(気休めか)という「管理食?」を続けている。そのせいか、現在も50%のままで至極元気。彼の「猫生」の半分が無事過ぎたので、少し色をつけている。〈折角猫に生まれたのに、いいことはなかった、と彼に悔やまれてはいけません〉。

レトルト(1日約1.5袋)の味付けはフィッシュ・テイストで、スープをなめると意外に薄味だ。おいしそうに食べているが、文句も言わずに365日同じものとは、と同情して「オカカかけごはん」にすると、これが大好物になる。低塩分(ソフト)の赤い小ブクロを見せると、おもむろにやってくる。〈これが憎いところで、半分無視している振りをする、面白い奴だ〉。

生の魚は素通りするが、白身の一夜干し(タイ、カマス、カレイ)は食卓に乗ってくる程だ(瀬戸内生まれの私の血を引いている?)。

水は洗面所と浴室の仕切りに水素水の容器がある。我々が入浴した翌朝には、必ずそこへ誘導して、まだ温い風呂の湯を飲みたがる。洗面器に少し入れてやると、嬉しそうに飲む(塩分はない筈ですね)。

洗面所の隣室トイレの中に猫砂の入った彼のトイレもある。腎臓の悪い猫は水をよく飲み、よく排水すると言われ、小さい頃はその通りだったが、最近は安定しているのか、1日に1〜2回で量も減っている。その分、砂の状態にうるさくなり、砂の材質(流せるオカラが多い)、硬さ、粒度(オカラの細粒化には限度)などが気に入らないと、わざと外で少量漏らして警告するようになった。百キンで野菜水切り用の小穴あきプラ容器を買って、これで (ふる)ったり、まさに理科実験的観察と対策を楽しく!続けている。〈駆け引き上手ですよ〉。

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我が家にやってきた頃の「クー」 今や我が家でNo.2の地位を占める「クー」

猫は家族の力関係をよく観察している。私がボス、彼が真ん中で、家内は目下・自分が守らねばならぬ存在である。家内が体調不良で休むと布団の側にいる。私が大きい声で説得調に家内に話していると、必ず2人の間の家内側にやってきて、〈もうやめろ〉とばかりに私の顔を見る。この仲裁?のタイミングが絶妙で、2人で「クーはおりこうさん、有難う」と頭をなでることになる。

彼は外出が大好き。チビの頃から、非常階段ですぐのマンション屋上で独りで遊んでいた。クーを貰ってきた、隣に住む長女宅には洋猫、黒長毛、体重6キロの「トラ」がいて、年下。体力では敵わないが、それなりに長幼の序が保たれている。トラは外出嫌い。ある時、長女から「クーの外出禁止」の提案があった。衛生と安全を強調したが、「クーは病気もち、いつ寿命がくるかもしれない。彼を自由にさせたい」と抵抗し、物別れ的?に押し切った事があった。

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「クー」と「トラ」 「クー」は外出が大好き

3年間何事もなく過ぎたのに、昨年5月29日夜に、私の「クー帰っておいで」コールで、屋上から非常階段の途中まで下りてきて私の顔を見たのに、突然踵を返して屋上に駆け上がり、そのまま6月2日早朝まで、まる4昼夜姿を消すという大事件 !! が発生した。どこで何をしているのか、家内の心配顔に「大丈夫だよ」と返すこちらも涙声になってしまう。ネットでは、「気長に待つ」とあり、裏の駐車場や雑草の茂った広場などを「クーちゃん」と声をかけながら朝晩徘徊する。(これは、自分のことを探してくれているという安心感を与えた筈。有効だったと思う)。

猫の家出の理由 ①メスを追いかけて帰れなくなる〈周辺には野良は全くいない〉②体調不良で独りで休みたい。よく、死に際に姿を消す、と言われるが、回復せずにそのまま不帰となるケースのようだ。〈これでなければいいが,そんなはずがない‥‥ 〉。

4日目の夕方に、エサと水を玄関の外に置く。10時に見るとこれがカッラポになっていた!やっぱり生きていたのだ !! しかし、まだ姿は見せない。深夜に再度エサと水を置く。2日早朝4時に玄関を開けると、クーが黙って入ってきた。「かーさん、クーが帰ったよ!」雨の夜もあったし、大変だったろう、少しやせている。済まなさそうな顔は瞬時で、エサを食べた後は我々の布団で眠り続けた。家出の原因はいまだ不明〈彼に訊いても黙して語りません〉。1週間後に完全回復した。

ひと月後に、一晩無断外泊があったが、エサ誘導作戦で翌朝帰宅。その後は皆無。特に冬場は、窓を開けてやると、気合を入れて出てゆくのだが、30分位で身体を冷たくして帰ってくる。

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我が家の全てが「クー」の居場所となっている ベッドで至福の時を過ごす「クー」

寒がりの彼は、南向きの2部屋を太陽の運行に合わせて、西から東に移動する。その間殆ど眠っている。1日18時間は寝ているだろう。

冬の夜は、まず布団越しに私の身体の上に乗って、ゆっくりフミフミをする。

それから、勿体ぶって布団の中に入ってくる。胴を胸に押し付けて、腕枕、まったくいい気なものだが、こちらも温かくて助かる。クーとの対話の時間だ。
「今日は楽しかった?トラちゃんとは遊んだか?‥‥ 3人で長生きしようね」。

最後に「ネンネンコロリ」で「オヤスミ」を(チビの頃NHKの「自然百景」が大好きで、テーマ音楽が流れるとTVの前で正座していた)。大きいあくびする彼は私の歌を理解していると満足して、こちらも眠りにつく。エンドマーク

ごうだたかとし ディレクトフォース会員(017)
元宇部興産 元DF事務局 

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