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一般社団法人 ディレクトフォース

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DFの研鑽支援活動

2019年3月7日

見出し定期例会(総会・講演・交流会)

 

見出し 勉強会の概要(2019年)

2019年3月7日 更新

目 次

開催日 タイトル 講師
2月19日(火) 第16回DF関西勉強会・交流会「能面の世界」 中田 清氏

2019年3月7日 (掲載)

第16回DF関西勉強会・交流会

去る2月19日(火)第16回DF関西勉強会・交流会を実施いたしました。常連出席メンバーの多くの方が所用ありで出席できず、参加者は10名でした。

今回は、当番幹事の田邉代表のご紹介により能面師中田 清氏をお迎えし、「能面の世界」というテーマでご講演をいただきました。

もともと、中田氏はプロの能面師だったわけではなく関西電力勤務時代は田邉さんと同じ部署で仕事をされていた方で、田邉さんのお話では中田さんが能面を打っていたことはつい近年までご存知なかったとのこと。また、中田さんは能面を打ち始めてもうすでに30年以上にもなり、既に齢は傘寿を越しているとお伺いしたのですが、お元気そうな中田さんを見て、まずメンバー全員が冒頭から大変驚き、感激した次第です。

そして、ご自身で打たれた(製作された)実際の能面を10組もご持参いただき(別添写真資料参照)、1)能と能面の歴史、2)能面の種類、3)能面の特徴、4)能面の制作工程等を詳しく解説いただきました。

能面に見とれ、お話に聞きほれている間に1時間半があっという間に過ぎていました。中身の濃いご講話を要約するのも大変ですが、以下に概略を記載させていただきます。(詳細は別添の配布資料及び能面写真等をご参照ください)

1)能と能面の歴史

もともと仮面には、「伎楽面(ぎがくめん)」「舞楽面(ぶがくめん)」「行道面(ぎょうどうめん)」「能狂言面(のうきょうげんめん)」の4種類ある。前者3つは中国から朝鮮を経て日本に伝わった。今、中国や朝鮮には現存しない(残っていない)が、日本には伎楽面は神社等に、舞楽面は神社・皇室に保存され伝わっている。能狂言面は日本独自のもので、現在も使われている。鎌倉時代以前(13世紀頃)は、「猿楽(中国から伝来)」の能と「日本古来の田楽」の能があり、10種類程度の能面が存在したが、その後「座」もでき、室町時代には観阿弥・世阿弥の登場で能楽として完成、200種類以上の能面が出揃った。桃山時代、江戸時代には豊臣秀吉や徳川家康等大名の支援を受けて「公式の式楽」となり能面も約250種類になった。しかしその後、外護者を失い疲弊し、明治以降(19世紀)、能面はシテ方五流(観世流・宝生流・金春流・金剛流・喜多会)の家元等には残ったが、それ以外は海外や美術館等に流出してしまった。

2)能面の種類と特徴

  1. 能面の種類:
    「翁面」…翁、三番叟(さんばそう)など、猿楽・田楽当時からあった面
    「尉面」…老体もの(小牛尉(こうしじょう)ほか)、老舞(皺尉(しわじょう)ほか)、様々な悪尉
    「鬼神面」…べしみ、飛出ほか、
    「男面」…武将(十六、頼政ほか)、少年、男の霊、盲目(景清、弱法師ほか)
    「女面」…若い女(小面、若女ほか)、中年女(深井、曲見ほか)、老女(姥ほか)
    「怨霊面」…男(痩男、蛙ほか)、女(痩女、泥眼、橋姫、般若ほか)
    「特殊面」…妖精など(山姥、猩々、一角仙人ほか)
  2. 能面の特徴:
    ① 悲劇(怒、悲、苦悩等)の(おもて)が多い
    ② 軽く、顔の表面だけ掛ける(女面は100g~150g位)
    ③ 中間表情(能面のような無表情とかよく言われる)
    Ex. 面をつけているときに、少し上を向くと明るい、喜んでいるような表情に見え、うつむいたときは、沈んだ悲しい表情に見えるようになっている。

3)能面の制作工程

能面の型紙

現在も能面打ちは「写し」を基本として行われている。

「写し」とは、室町時代につくられた能の家元等に伝わる能面を模写してつくられたもので

本(もと)の面(本面)から縦・横・高さの数十枚の型紙を取りこれを使いながら面を彫る。

能面師にとっては、この型紙が極めて貴重で、各種の面の型紙を持たない能面師は面を打つことを人には教えられないのである。

  1. 面打ちの材料:木曾檜(年輪に群が少ない)彫りやすい。
    1面打つための材料費:10,000円程度、出来上がり面の値段は60~70万円程度。
    全くの素人だと1年に1面、慣れてくると3面ぐらいは打てるようになる。
  2. 面を打つときは、面が檜の年輪の中心側となるように打つ、ヤニが年輪の内から外に向かって出るため、面の表面にヤニが出てこないようにする。
  3. 制作工程
    ① 型紙の作成と木取り→② 荒堀り→③ 仕上り→④ 胡粉上塗り→彩色と口紅、髪、目、眉など

本日は、普段はとても聞くことが出来ない内容のお話をたっぷりと聞かせていただき、大変勉強になりました。心から中田氏に厚く御礼を申し上げます。勉強会終了後は、朝降っていた雨も上がり、以前DF関西の勉強会で「ワインのお話」をいただいた福田武さんのお店「A&W」が近くにあったので、全員でそろってお邪魔し、福田さんも交えての楽しい、素晴らしいひと時を過ごすことが出来ました。

以上
(文責:DF関西事務局:谷口擴朗)

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