瓦版

( 2019年1月12日 掲載 )

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DF技術部会瓦版第50号

発行:2018年12月14日 世話役:成田嘉宏 副世話役:酒井和幸 編集・文責:酒井和幸

例会

  • 12月14日(金)
    13時50分:例会 昭和大学‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥出席者40名
    17時00分:懇親会・忘年会 タワーレストラン‥‥‥出席者45名

【目次】

  1. 活動報告:成田 嘉宏 世話役
  2. DF事務局報告:小林慎一郎 会員(アカデミー本部長)
  3. 分科会活動報告
    理科実験グループ:眞弓 博司 会員
    リスクセンス推進研究会:中田 邦臣 会員
    経済産業懇話会:浅野 応孝 会員
  4. 講話Ⅰ「介護の現状と行政対応の実状」:大田区 渕上 虎平氏
      講話Ⅱ「最新のがん治療の現状」:昭和大学教授 吉村 清氏
  5. 次回例会のご案内
  6. 編集後記

活動報告 成田 嘉宏 世話役

  1. 技術部会新年度体制について
    世話役 酒井 和幸、副世話役 横山 祐作を選任した。
  2. 新入会員
    高柳 由行さん、岸本 信一さんが紹介された。(岸本さんは所用でご欠席)
  3. 2018年度活動報告と次回定例会について
    本年度の活動集約を行った後に次回定例会を2019年2月5日(火)13時30分より東京ウイメンズプラザにて「化学産業の事業継承」の視点より、 初回として「三菱ケミカルの事業統合」と題して三菱ケミカルホールディングスの執行役常務 池川喜洋氏の講話を予定している。
左から、酒井世話役 横山副世話役 新会員 高柳さん

成田世話役の説明資料はこちらをご覧ください

DF事務局報告 小林慎一郎 会員(アカデミー本部長)

技術部会

  • 年末年始のDF事務所のスケジュールについて紹介があった。
  • DFやDFMの人事変更に伴う新体制についてチャートを使用して説明された。

分科会報告

1.理科実験グループ

技術部会

理科実験グループ 眞弓リーダーより次の報告がありました。

今年のイベント数は171回で昨年同期比10回増となった。またメンバーも85名となり8増1減であった。テーマ開発も進み19テーマになるなど活発な活動が展開出来た。

月別では冬季の開催回数が増えたが今後の傾向を注視したい。また同日の複数開催が常態化してきている事もフォローしたい。

来年1月1日より新グループリーダーを関口洋一さんに、サブリーダーを酒井和幸さんでスタートするので皆さんのサポートをお願いしたい。

眞弓リーダーの説明資料はこちらをご覧ください

2.リスクセンス推進研究会

中田リーダーより次の報告がありました。

技術部会来年3月9日に「リスクセンスフォーラム」を開催する。第1部は Good Safety Education Facility の顕彰と講演、第2部は Good Risk Sense Award の顕彰と講演 第3部は本研究会の活動に関し議論を予定している。また当面の課題として中小企業へ向けての普及やDF内の他活動とのコラボ(例えばガバナンス部会)を検討して行きたい。 中田リーダーの説明資料はこちらをご覧ください。

中田リーダーの説明資料はこちらをご覧ください  

3.産業懇話会

技術部会浅野 応孝リーダーより以下の報告がありました。
11月度は浅野リーダーによる「遺伝子・DNA・ゲノムー遺伝子操作の光と影―」が好評であった。12月は川崎豊氏による「レアメタルの現状と課題」を行う。
来年は1月「19年の経済見通しとニュース」2月「養命酒と酒」3月「ブロックチェーン」4月「ファンケル総合研究所訪問」を計画している。

浅野リーダーの説明資料はこちらをご覧ください  

講話「介護の現状と行政対応の実状」

技術部会医療懇話会の赤堀 智行リーダーより今回の講話Ⅰ、Ⅱについて取り上げた背景につき説明があり、早速介護の最先端で活動されている大田区の渕上虎平氏の講話に入った。

◇ ◇ ◇

講話Ⅰ 介護の現状と行政対応の実状

技術部会団塊の世代が75歳以上となる2025年には後期高齢者人口が現状対比700万人の増加となり2000万人を超える事態となり延長線上のやり方では限界に達するのは目に見えている。すなわち介護人材は不足し、財源も手当出来ないなかで「介護難民」「老老介護/認認介護/孤立化」「高齢者虐待」などが顕在化する。これらの対応として「地域包括ケア」=「医療・介護・介護予防・生活支援・住まいを分断することなく一体として捉え地域で支える」システム構築を2025年までに整える活動が始まっている。
すなわち「暮らしを支える機能」を備えた地域を実現する必要がありその為の活動を始めているが、皆さん一人一人の意識を変えて行く必要があると考えている。

講話の後の質問への回答で「地域」のイメージとは現状の中学校区域との事であり今小中学校の支援体制をやはり地域で捕えようとしている動きと関連して、この広さでの人間関係の構築=昔の村への回帰が必要なように思えた。赤堀リーダーによれば医療懇話会でこのテーマはフォローして行くということでした。

◇ ◇ ◇

講話Ⅱ 最新のがん治療の現状

技術部会最新のがん治療の現状吉村清氏はご専門の外科から現在の「免疫療法」分野にご専門を移され現在昭和大学で臨床免疫腫瘍学講座教授として患者さんに寄り添っておられます。

体の中では毎日数千個のがん細胞が生まれているがそれをことごとく見つけては殺してくれるのが免疫細胞で、おかげで私たちはがんにならないですんでいる。

そこで免疫細胞を増やしたり、活性化させたりしてがんを退治しようとしてきた。しかしがん細胞の方でも自らの身を守る為に「免疫チェックポイント」という裏技を使い免疫細胞を無力化している事が分かってきた。免疫の主役とも言えるT細胞も常に活性化している状態が望ましいわけではなく自動車にアクセルとブレーキがあるように過剰反応を抑制する機能も持っていて、「免疫チェックポイント」がブレーキの役目をしている。この司令塔の役目をするのが」樹状細胞で情報によりT細胞の働きをコントロールする。抑制の信号を送る為の樹状細胞のアンテナ(リガンド)と同じアンテナをがん細胞が出すのでT細胞の働きにブレーキがかかってしまう。この機構が免疫チェックポイントの本性である。T細胞の受容体で免疫チェックポイントに関係するものにPD-1、CTLA-4などがある。

一方これに合致するリガンドでがん細胞にも発現しているものにはPD-L1があり、PD-1にT細胞が働かないように信号を送る。

現在日本で使われている免疫チェックポイント阻害剤には抗PD-1抗体の商品名オプジーボと抗CTLA-4抗体の商品名ヤーボイの2つがある。前者の開発を主導したのがノーベル賞に輝いた本庶佑博士になります。この阻害剤の有効範囲や効果持続性は今後の課題で研究が進められている。また免疫細胞を体外で活性化させて体に戻す「免疫細胞治療」と組み合わせると大きな効果が得られるのではないかと期待されている。免疫阻害について素人にもわかりやすい表現で講話頂き、皆さん納得顔で、続いて行われた忘年会を兼ねた懇親会に参加された吉村教授と懇談されていました。

今後の技術部会の お知らせ

2019年第1回の定例会を2月5日13時30分より、会場を東京ウィメンズプラザにて開催しますので多数の会員の皆さんのご出席をお待ちしております。

来年(2019年)は「化学産業の事業継承」シリーズとして様々な形で事業を継続を図る化学業界企業の紹介をして行きたいと思います。

編集後記

恒例となりつつある忘年会も盛会に終わり技術部会の1年の活動も終わろうとしています。来年は化学業界にスポットをあててみたいと思います。

業界での事業存続に技術がどのように寄与していくのかの視点で幾つかの事例に学んで行きたいと思います。皆さんの積極的な関わりをお願い致します。

以上 
(文責:酒井和幸)