瓦版

( 2018年8月28日 掲載 )

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DF技術部会瓦版第49号

発行:2018年8月20日 世話役:成田嘉宏 副世話役:酒井和幸 編集・文責:酒井和幸

8月例会

  • 8月20日(木)
    14時:例会 東京ウィメンズプラザ ‥‥‥‥ 出席者36名
    17時:懇親会 福禄 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 出席者22名

【目次】

  1. 活動報告:成田 嘉宏 世話役
  2. 工場視察:酒井 和幸 副世話役
  3. 事務局報告:保坂 洋 会員
  4. 分科会活動報告
    経済産業懇話会:浅野 応考 会員
    理科実験グループ:眞弓 博司 リーダー
    医療懇話会:佐藤 和恵 会員
  5. 講話「イノベーション再考―日本の課題―」 
     技術ジャーナリスト 西村 吉雄氏
  6. 次回例会のご案内
  7. 編集後記

活動報告 成田 嘉宏 世話役

技術部会6月例会の概要に引き続き会計報告を行った。会員の現状について報告があり、 概ね20名の方々に出欠の連絡がいただけない状況に対する対応の必要性を指摘された。

10月以降の計画についてはこちらをご覧ください

工場見学 酒井 副世話役

技術部会次回例会は工場見学となります。10月25日(木)にキユーピー五霞工場に決まり ました。JR宇都宮線栗橋駅東口12時35分集合予定で工場に移動し13時より 見学を始め16時には終了予定で、その後栗橋駅近くで懇親会を開催します。

翌日のゴルフは古河ゴルフリンクスを予定。9月に募集開始しますのでご多数のご参加をお待ちします。

資料はこちらをご覧ください。 

事務局報告 保坂 洋会員

技術部会

  • 記念誌の電子版をHPに掲載したので新入会員への紹介等活用願いたい。
  • DF定款の改定に着手した苦戦中だが9月にはHPに掲載したい。
  • 今期は若干の黒字確保の見通しです。

分科会報告

1.産業懇話会

技術部会

浅野リーダーより次の報告がありました。

7月に開催した「セルロイドハウス横浜会館 見学会」は好評であった。

本日は技術部会との共催で日経出身の西村氏に講演をいただく。9月は新日鉄の南氏に「ブロックチェーン」について、10月は中塚会員に「Deep Learning」、11月は浅野リーダー(仮)「遺伝子操作の光と影」、12月は川崎豊氏(仮)「レアメタルの現状と課題」をそれぞれ予定している。皆さんからの講演に関する要望や提案を期待します。

浅野リーダーの説明資料はこちらをご覧ください

2.理科実験グループ

眞弓リーダーより次の報告がありました。

技術部会先月までのイベント数は昨年比14増の87で放課後教室が主因であるが、8月は昨年比減少となっているがこれは本年より学校の完全休日化(先生対策)の影響で今後も継続の見込み。理科実験グループ主催のサイエンスフェスティバルを埼玉県飯能で開催した。

先方の希望もあり初の親子参加となったが手ごたえがあった。勿論親子協働実験ではなく親も一生徒となることを条件としたことがポイントです。HPに掲載していますので是非ご覧ください。

眞弓リーダーの説明資料はこちらをご覧ください  

3.医療懇話会

技術部会佐藤和恵リーダーより以下の報告がありました。

次回12月の部会での講演テーマについて参加会員の要望を聴取し私共の共通の懸念事項である「膝・腰の関節」に関するテーマで講師の選定に入ることとした。

◇ ◇ ◇

リスクセンス推進研究会については次回報告となった。

講話「イノベーション再考 ーー 日本の課題 ーー 

技術部会今回は日経出身の著名な西村吉雄氏から表題について明確な視点から講演していただいた。

日本では技術革新=イノベーションの概念を持つ人が多いがそうではない。原点に戻りシュムペーター(ハンガリー生まれの経済学者)から説き起こすべきだろう。経済変化をもたらす2代因子は外部環境変化とアクター自らが起こす変化である。後者が後にイノベーションと定義される。すなわちイノベーションは利潤をもたらす仕組みであると言える。

さて資本主義とは利潤が上がる永久運動が必要であり均衡状態はありえない。

利潤は安く買って高く売るしかなく同一共同体内では起こりえず共同体間での格差が必要となる。格差のわかりやすい例は地域間格差であり物の移動によって利潤を得る事が出来る。しかしやがてこの格差はなくなる。次に賃金格差に至り安い労働力を活用して利潤を得るがこれもいずれ格差が消滅するだろう(これがマルクスの言う搾取)。

次に自ら格差を作り出す‥‥シュムペーターの言う後者の変化につながる‥‥必要が出てくる。これには5つのポイントがある。

  1. 新製品などの生産販売
  2. 新製法の導入(必ずしも新しい方法である必要はない)
  3. 新しい顧客の開拓
  4. 原料或は半製品の新しい供給源の獲得
  5. 新しい組織の実現

1と2は技術革新と言えるが3〜5はビジネスモデルの転換に相当する。

この場合イノベーションのもたらす利潤の源泉は未来と現在の価格差であり未来の価格差を他者より早く知る「知」が必要でさらに製品とつながらなければならない (Entreprener=企業家の登場)。すなわち格差を繋ぐ活動もまた利潤を生む事になる。

新しい技術革新が変化をもたらす必然のものではないと認識すべき。

例えばマイクロプロセッサを例にとるとこれは集積回路技術とプログラム内蔵方式CPU技術の融合であり新しい発見も発明もない。しかし現実に大きなイノベーションを起こしている。現状の日本政府の政策では(発明・発見をベースにした)格差が生まれない形のイノベーションであり、これが日本の課題と言える。科学は科学と位置付け強化すべきで経済活性化とは別物と認識すべき。しかもイノベーションに繫がると考えている科学技術基本計画の展開は5か年計画でPDCAを回せば成果に繫がるとした社会主義計画に似ていて新発見につながっていないのではないか?日本企業への国の干渉と依存体質も問題であり現状のままでは明るい未来は描けないと思う。

でも人口構成の形が落ち着く100年後は明るく見通せるようにと思うという落ちで講演が終了した。参加会員には話題として取り上げられた業界の方も多く活発な質疑応答が行われた。

イノベーションの定義を広く捉える事に異存のある方はおられずに納得感、すっきり感が残る良い講演であったと思う。

今後の技術部会の お知らせ

2018年の工場見学会を10月25日キユーピー五霞工場で開催します。

編集後記

今年の暑い夏がぶり返した日でしたがエントリー頂いた会員全員に元気でご参加頂き先ずは一安心でした。

日本の将来を占う大きなテーマの一つである「イノベーション」について考える良い機会となり西村氏や産業懇話会浅野リーダーに御礼申し上げます。

皆さん元気に懇親会にも参加され活発な議論が沸き起こり老齢の身ながら暑さを吹き飛ばした一日でした。幹事としては懇親会会場の確保に目処がつきロケーションに恵まれた青山の地での定例会開催継続に見通しを得てほっとしています。

東京ウィメンズプラザ開催は来年になりますが皆さんよろしくお願い致します。

以上 
(文責:酒井和幸)