( 2018年7月15日 掲載 )
発行:2018年7月15日 世話役:成田嘉宏 副世話役:酒井和幸 編集・文責:酒井和幸
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事務局(小林会員 事務局代行)よりより次の報告がありました。
理科実験グループ眞弓リーダーより次の報告がありました。
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梅里泰正会員(代行)より以下の報告がありました。
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本日の進行状況も考慮して部会での紹介を省略させて頂いた。
今後の予定として、以下の3件まで決定している。
赤堀智行リーダーより、以下の報告がありました。
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講師を務めていただいた七田俊晴先生(写真)は、昭和大学歯学部高齢者歯科講座にて高齢者歯科に取り組んでおられ、本日も熱く語っていただいた。
高齢者歯科とは65歳以上を対象に口腔衛生状態や口腔機能を保つ事を目的とし全人口の約30%が対象となる。80歳以上の人々では歯を失っている人が少なくなく、一方でよく噛めている人は生活の質が高く活動範囲が広い事が知られており、80歳で歯を20本残す〈8020運動〉に繫がっている。平均的には80歳で15本残存であり現状での達成率は50%である。
歯周病が歯を失う大きな原因で、喫煙→血行不良→歯周病 がよく知られているが、同時に定期的な歯石除去、清掃および口腔検診による早期治療が歯の喪失防止に需要だが認識が低いのが実情である。とにかく食したら歯を磨くことと定期的な検診(歯垢除去等)が肝要です。
一方、口腔機能低下防止がもう一つの視点であり、高齢化に伴う唾液の分泌低下による様々な疾患にいたる連鎖を止める為にも、摂食・嚥下等をリハビリにより維持・改善を図る事が、美味しく、楽しく、安全な食生活を営み健全な生活の確保に通じて行く。
健康と要介護の中間をフレィル*といい身体よりも口腔が先行するので、このオーラル・フレィルに積極的に対策を講じる事でフレィル・ドミノを防ぐ運動が広がりつつある。(*編集註:高齢者の身体機能や認知機能が低下して虚弱となった状態)。
この概念が高齢者歯科の位置付けをより重要なものにしている(この点に関して参加者全員が改めて気づかされたのは後の質疑で明らかになった)。歯科=口腔清掃ではなく、現在ではフレィルドミノの入り口である口腔機能維持強化が重要であるとの認識を深めた。
神奈川県がこれらの取り組みを積極的に進めており各種機能検査や機能維持・回復運動例が紹介された。このなかで咀嚼機能をチェックする判定ガム(ロッテ)を参加者が試した。さてその結果は‥‥(本人のみぞ知る)。
今回は地球関連テーマの第3弾。
地球環境に配慮して再生可能エネルギーが重要と言われているが、その現状と将来はどうなのだろうか。電気事業者は再生エネルギー(再エネ)をどうとらえているのだろうか。
ということで、東京電力の研究所幹部である蘆立修一氏(写真)から「日本の電力エネルギーの将来」と題して、再エネを軸に講演いただいた。
蘆立修一氏は博士(工学)、東京電力ホールディング(株)経営技術戦略研究所副所長で、電気事業を新しい視点でとらえる研究活動に意欲的に取り組んでおられるとのこと。
最初に、近年、電力需要の低い時期の晴天の昼間には、再エネの電力が余剰になる地域もあるとの説明があり、再エネが想像以上に急速に普及してきていることを知らされた。
続いて、再エネの特徴と大量導入のための課題が説明された。
太陽光、風力の出力は細かく変動し予測が困難なため、他の電源によるバックアップと複雑化する電力系統の総合運用が必要になる。また、再エネは低密度・需要地遠隔のため送配電系統の増強が必要となる。したがつて、再エネの大量導入には、これらの課題に経済的に対応していくことが重要である。
再エネの発電コストが高いことも問題である。海外では、火力よりも安価になった例も報告されているが、わが国では低価格化が遅れている。固定価格買取制度(FIT)は、再エネ普及に貢献しているものの、低価格化を阻害しているかもしれない。FITに伴う国民負担は2030年の国の目標時点では3.1兆円と膨大になる。
後半は、新しい環境下で、今後の電気事業はどうなるかについて、試論の紹介があった。
温暖化ガスの大幅削減のためには、化石エネルギーの直接消費を減らし、カーボンフリー電源(再エネ、原子力)による電化を拡大することが考えられる。再エネを取り入れ電気を安定供給するには、発電設備の提供する3つの価値が評価されるようになることも重要。3つとは、kWh(供給エネルギー、従来はこれだけを重視)、kW(変動に備えいつでも提供できる出力)、ΔkW(需給の変動に応じて電気の質、すなわち電圧、周波数、を安定させる能力)である。
分散型再エネを経済的に拡大するため、電気自動車電池の活用、地域ごとに発電出力と需要を総合調整する仕組みの実用化などが期待される。東電も、国の実証実験に参加している。
ブロックチェーン*のような安価で確実な取引システムが普及すると、個人も電気を市場で売買できるようになるかもしれない。電気は、電気として売られるのではなく、サービスの中に溶け込んでいくかもしれない。電気事業は大きく形が変わっていくかもしれない。(*編集註:分散型台帳技術、 または、分散型ネットワーク。ビットコインの中核技術を原型とするデータベース)。
講演の後、活発な質疑があった。
エネルギー計画はこれでよいのか、実現できるのか。総合的に責任ある立場で見ているところがあるのか。自由化で電気の量と質の確保は大丈夫か。など、将来を危惧する意見も多かった。また、将来像を多様に検討していることに頼もしさを感じたとの感想もあった。講師は、国の施策について直接答える立場にはないが、経産省などで検討はされていること、東電は電気の安定供給に最後の責任を持って取り組んでいく立場、と誠実に答えられた。
(この項宮本(幸)記)
2018年第4回の定例会を8月20日14時より、会場を東京ウィメンズプラザに移して開催しますので多数の会員の皆さんのご出席をお待ちしております。
再生エネルギーを取り込む為の周辺技術整備が総合的・合理的・地域特性に応じて進められないとブレークスルー出来ないことがよく理解出来た。また口腔機能の低下が要介護への入り口(オーラルフレィル)であるとの認識も出来た。
一歩踏み出さないと思いつつ反省会に向かった。寝る前に歯を磨いた方は ???
以上
(文責:酒井和幸)